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1話「異変」
P.1『事故?』
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「……………」
決まった時刻、それは俺の安眠を妨げる。耳障りな音を沈めるべく、頭上の段差に手を伸ばすものの避けるかのようにヤツは俺の顔面に体当たりを決め込んできた。
「~~~って…」
耳障りな音を止めるとそのままゴロンと体を転がし浅い眠りに入る。しかし勢いよく部屋のドアが開く音が耳に響き本気ため息をついた。
「…ちょっと、いつまで寝てんの」
一瞬にして布団の…もとい自分のぬくもりが奪い取られ軽く舌を打って上体を起こす。妹が俺を起こしに来たのだ。こうなってはコイツがうるさすぎて寝れやしない。俺がベッドから立ち上がったのを確認して妹が部屋を出ていく。携帯の通知を見て雑に身支度を済ませる。そのまま家を飛び出すと全力疾走で学校へと向かった。
『武藤のやつ、春が来たらしいぜw』
バス停に着くと俺の幼馴染の聖が携帯を片手に立っていた。息を切らして近づく俺に気付いて不適な笑みを向ける。
「…っむ、武藤に…『あの』武藤に、春が来たって!?」
「みたいだせ?しかも相手は男だってよ」
「……は!?」
俺は間の抜けた声で聖を見上げる。…武藤、確かにお前はイケメンで女が大の苦手で永遠の童貞だと思っていたが同性だったのか!?気は確かか!?俺が貸したAVで散々お世話になってたお前が!!
「あいつ大丈夫かよ…」
俺達が乗ったバスは運悪く満員で俺は入り口横の壁に背中をくっつけた。正面に聖が立ち更に無理に人が入ろうとするため人口密度の熱に体が熱くなっていくのを耐える。
「突然、目覚めることってあるんだな」
「聖は心配ないだろw」
「そうだよなー」
聖は武藤ほど顔立ちが整ってはないが交友関係に充実してる。大半は女子だけど。イタズラ好きなのが玉に傷だが勿論コイツはノーマル。前に他クラスの女子と付き合ってたけど1ヶ月で別れたらしい。そのあと、車内で俺と聖は今日提出の課題の話で盛り上がってた。
そうしてるうちに、俺達のバスは駅前の停留所に停車した。扉が開いた途端に、乗客たちが勢いよく出ていく。聖は流されまいと俺の傍らの手すりに捕まりながら勢いに耐えている。俺が面白半分で見上げるように観察していると……
「…っ………ぅわ…っ!?」
次の瞬間、聖がバランスを崩して雪崩れてきたと思ったら唇に柔らかい感触がした。
「………!?」
聖の見開いた瞳が視界いっぱいになる。俺達の唇が重なりあってることに気づくのは大して時間はかからなかった。俺は慌てて押し返そうとするがビクともせず聖を通して乗客にぶつかられる振動が伝わる。その度に重なったままの唇同士が小さく反発し合っていた。聖の瞳は細く小刻みにゆれて俺を見つめていた。何故だか急に自分の顔がどんどん熱くなっていき早く発車してくれと願わずにはいられなかった。降りていく乗客と入れ替わるように外の客が次々と乗り込んでくる。ようやく唇が解放される。
「……たく、なにしてんだよっ」
「悪い悪い。……」
顔の熱が未だ冷めないせいで聖を見ることができなかった。お互いに無言の間が続く。どれくらい時間は経っただろうか。
……気まずい。別にファーストキスに憧れを持つほど女々しくはないけど、幼馴染だし…男だし。…なんだこれ?
悶々と混乱しながら俺は勇気を出して聖に話を切り出す。
「…む、武藤のやつ、なんでノーマルなのに男を好きになったんだろうな」
「…さぁな。好きになっちまったんだし、しょうがねんじゃね?」
「そう、だな」
先ほどのアクシデントにも気にしない素振りで聖がふんわりと顔を緩ませる。よく分からないし聖の顔が見れない。居心地の悪い不整脈を感じながらバスの中を過ごした。
……to be continuous.
決まった時刻、それは俺の安眠を妨げる。耳障りな音を沈めるべく、頭上の段差に手を伸ばすものの避けるかのようにヤツは俺の顔面に体当たりを決め込んできた。
「~~~って…」
耳障りな音を止めるとそのままゴロンと体を転がし浅い眠りに入る。しかし勢いよく部屋のドアが開く音が耳に響き本気ため息をついた。
「…ちょっと、いつまで寝てんの」
一瞬にして布団の…もとい自分のぬくもりが奪い取られ軽く舌を打って上体を起こす。妹が俺を起こしに来たのだ。こうなってはコイツがうるさすぎて寝れやしない。俺がベッドから立ち上がったのを確認して妹が部屋を出ていく。携帯の通知を見て雑に身支度を済ませる。そのまま家を飛び出すと全力疾走で学校へと向かった。
『武藤のやつ、春が来たらしいぜw』
バス停に着くと俺の幼馴染の聖が携帯を片手に立っていた。息を切らして近づく俺に気付いて不適な笑みを向ける。
「…っむ、武藤に…『あの』武藤に、春が来たって!?」
「みたいだせ?しかも相手は男だってよ」
「……は!?」
俺は間の抜けた声で聖を見上げる。…武藤、確かにお前はイケメンで女が大の苦手で永遠の童貞だと思っていたが同性だったのか!?気は確かか!?俺が貸したAVで散々お世話になってたお前が!!
「あいつ大丈夫かよ…」
俺達が乗ったバスは運悪く満員で俺は入り口横の壁に背中をくっつけた。正面に聖が立ち更に無理に人が入ろうとするため人口密度の熱に体が熱くなっていくのを耐える。
「突然、目覚めることってあるんだな」
「聖は心配ないだろw」
「そうだよなー」
聖は武藤ほど顔立ちが整ってはないが交友関係に充実してる。大半は女子だけど。イタズラ好きなのが玉に傷だが勿論コイツはノーマル。前に他クラスの女子と付き合ってたけど1ヶ月で別れたらしい。そのあと、車内で俺と聖は今日提出の課題の話で盛り上がってた。
そうしてるうちに、俺達のバスは駅前の停留所に停車した。扉が開いた途端に、乗客たちが勢いよく出ていく。聖は流されまいと俺の傍らの手すりに捕まりながら勢いに耐えている。俺が面白半分で見上げるように観察していると……
「…っ………ぅわ…っ!?」
次の瞬間、聖がバランスを崩して雪崩れてきたと思ったら唇に柔らかい感触がした。
「………!?」
聖の見開いた瞳が視界いっぱいになる。俺達の唇が重なりあってることに気づくのは大して時間はかからなかった。俺は慌てて押し返そうとするがビクともせず聖を通して乗客にぶつかられる振動が伝わる。その度に重なったままの唇同士が小さく反発し合っていた。聖の瞳は細く小刻みにゆれて俺を見つめていた。何故だか急に自分の顔がどんどん熱くなっていき早く発車してくれと願わずにはいられなかった。降りていく乗客と入れ替わるように外の客が次々と乗り込んでくる。ようやく唇が解放される。
「……たく、なにしてんだよっ」
「悪い悪い。……」
顔の熱が未だ冷めないせいで聖を見ることができなかった。お互いに無言の間が続く。どれくらい時間は経っただろうか。
……気まずい。別にファーストキスに憧れを持つほど女々しくはないけど、幼馴染だし…男だし。…なんだこれ?
悶々と混乱しながら俺は勇気を出して聖に話を切り出す。
「…む、武藤のやつ、なんでノーマルなのに男を好きになったんだろうな」
「…さぁな。好きになっちまったんだし、しょうがねんじゃね?」
「そう、だな」
先ほどのアクシデントにも気にしない素振りで聖がふんわりと顔を緩ませる。よく分からないし聖の顔が見れない。居心地の悪い不整脈を感じながらバスの中を過ごした。
……to be continuous.
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