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ここは・・・?
しおりを挟む気付いたら、知らない場所に居た。
いつもみたいに、寒い中手を擦り合わせて白い息を吐いていたのに、暖かくて明るい場所にいた。
周りは全部白くて、タオルケット以外には何も無い。
周りからガタガタと物音がしたり、叫び声みたいなのが聞こえて、怖くなって隅に行って丸まった。
ここはどことか、何が起きてるのとか全く分からないけど、いつもより寒くないし誰も居ないから安心出来る。
タオルケットに包まって、ゆっくり息を吐いて目を閉じた。
この白い部屋に来て、どれだけ時間が経ったのかは分からない。
時計はないし、窓もないし・・・というか殆ど何も無いし。
ただ、急に何も無いところが開いて、大きな毛むくじゃらの獣に近い手がご飯とお水、大きな紙の丸まった奴を置いていく。
パサパサしててあんまり美味しくないけど、食べられなくはない。
お水は冷たくて美味しいけどね。
トイレは無い・・・けど、部屋の隅にあの大きな手が持ってきてくれる紙の上にして丸めておくと、持って行ってくれるから部屋は清潔なまま。
少し恥ずかしいとは思うけど、生理現象はどうしようもないし・・・。
ただお風呂に入れないから、いっぱい貰えるお水をちょっと使って紙を濡らして体を拭いたり、髪の毛は手櫛で少し濡らしながら解いたりしてる・・・のを見られたのか、時々大きな手がオレが入れるぐらいの桶いっぱいのぬるま湯を持ってきてくれるようになった。
有難く使わせてもらっている。
いつからか髪は切ってないから、伸びっぱなしですごく長くて邪魔だけど切るものも無いし時間をかけて頑張って洗っている。
石鹸とかは一切ないから、ゴワゴワというかギシギシというか嫌な感じはするけれど。
カタリと何も無いところが開いて、ご飯の時間かなと思ったら、初めて大きな手に掴まれた。
髪のせいで全く周りは見えないけれど、外?に出されたのかな。
どこかに置かれて、ツンツンと背中をつつかれて慌てて髪の隙間から周りを見渡す。
目の前に服が見えて、顔を上げると。
「ん、ん?」
オレよりずっと大きくて頭に犬みたいな耳の生えた人が居た。
なんかすっごい険しい顔をした人が、全く意味の分からない言語を口にした。
英語・・・?それともどっかの国の言葉?
いやでも、普通頭に耳生えたり、しっぽあったり・・・しないよね?
まぁまず毛むくじゃらの獣みたいな手自体有り得ないんだけど・・・。
なんだかよく分からないうちに険しい顔の人はいなくなり、また白い部屋に戻ってきた。
・・・なんだったの?
タオルケットを羽織直し、前の部分を握り込む。
本当に・・・ここどこ?
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