ペットになった

ノーウェザー

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まいご・・・?

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今日も人が沢山いる場所に来た。


昨日、それはもういーっぱい美味しいご飯を食べた場所だ。


でも今日は昨日に比べたら人は少ないかも。


お店がずーっと先まで並んでるのは変わらないけど、昨日には無かったお店も混じってる。


りゅるに似た女の人はブンブンと尻尾を振りながらお店を指差している。


…この女の人はいい人だ。


なんてったって、ご飯を分けてくれるんだから。


髪の毛弄り回されるし、何回も服着せ替えさせられて疲れるけど、ご飯くれる人に悪い人はいないからね。


二号もご飯分けてくれたし…ぷいんいっぱいくれたし…いい人だ、うん。


二号がくれた桃色でフワフワの食べ物は口に入れたら消えてしまった。


甘い事は分かるけど、何で口に入れたら消えるの?


不思議に思って二号に返した。


だって甘い物って口に残るのが普通じゃないの?


…これよりあの甘い玉の方がいいなぁ…。


食べるならぷいんとか、甘い玉とか…みうくもいいし、骨の形したやつとか、もっと違うのがいい。


りゅるがくれた串に刺さったお肉はちょっと塩辛いけど美味しい。


熱いから頑張って息吹きかけて冷ましてから口に入れる。


美味しーよ…美味しい……嫌でも辛い、やっぱいい。


食べ掛けをりゅるに返す。


口の中ヒリヒリする。


舌を出して手で仰いで風を当てる。


りゅると二号が何か喋ったあと、コップを渡してくれた。


何??甘い??


ちょっと飲むとただの水だった。


舌先を入れて冷やす。


あー、ヒリヒリがちょっとマシになった。


何??


それは美味しい??


それも??


どんどん渡される食べ物は、どれも美味しい。


甘かったり、ちょっと辛かったり、しょっぱかったり、酸っぱいのもあった。


ご飯いっぱい、とーっても嬉しい。


そんな時、ふと影が通った。


小さい子。


公園で見る様な小さい子が、走ってる。


どこ行くの??


親から離れたら怒られるよ??


少し遠いからりゅるから降りようとするけど、りゅるはダメだと下ろしてくれない。


それならばと指を指せば、そちらに歩いてくれた。


時間がかかって見失ったけど、でもオレは知っている。


ああいう子はかくれんぼが好きだということを。


つまり、このゴミ箱なんて居そうじゃないか?


身近にあったゴミ箱をバンバンと叩くと、りゅるが蓋を開けてくれた。


ああ、ほらね。


当たった。


凄いだろ、とりゅるに胸を張ると頭を撫でてくれた。


オレは公園で学んだからね。


甘い物が棒に刺さったモノを貰い、ぺろりと舐める。


うん、美味しい。


抱き上げられた小さな子は泣いていた。


何?


あげないよ?


早く食べようと齧ると、どうやら中は果物だったみたい。


中も甘い。


これ好き。


りゅるの隣を歩きながら、棒に残った部分を舐める。


りゅる、この棒先が尖ってるから、悪いヤツ居たらコレでツンツンするよ。


ワルモノタイジ、頑張るよ。


ふんふんと鼻息を荒らげると、りゅるは頭を撫でてくれて何かを言った。


うんうん、オレが守るからね。






何やら騒ぎながら近寄ってきた二人は、見つけた小さな子を抱き締めて泣いている。


なるほど、この二人が小さい子の親なんだね。


近くの建物に入った後、りゅるの膝の上で唐揚げを頬張る。


塩の効いた唐揚げ、ふよふよ動く何かが乗った面白い食べ物、どれも美味しい。


うーん、それにしてもあの小さい子泣き過ぎじゃない?


ま、いっか。


何があってもオレのご飯はあげないもんね。


あ、この中にあんこが入ってて丸いの甘くて美味しい。


このお茶もちょっと渋いけど美味しい。


今日もお腹いっぱいで嬉しい。


ふぅ、と息を吐きりゅるに抱き着く。


ちょっと一休み、と目を閉じるとりゅるはオレの背中をポンポンと優しく叩いてくれた。


……幸せ。






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