陰陽師と結ばれた縁

サクサク

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はじめまして、平安京

安部皐月

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私の名前は安倍皐月あべさつき
私の生家は平安時代から続く旧家でその歴史は古い。
稀代の陰陽師安倍晴明を祖先にもつ大きな一門の直系の末姫として産まれた。
家族からは大事に育てられたが、一族の者からは霊力の量が少ない。ということを理由に、疎まれていた。
別に私が嫡子ではない。
ただ、安倍の直系に女児が産まれることは稀で、周囲の勝手な期待を幼少期から受けていた。100年ぶりに産まれた女児と言う事で、利用価値としての見方をされていたのだ。
両親は霊力が低かろうと関係ないと育ててくれたし、礼儀作法や陰陽師として必要な技術や知識、舞などを叩き込まれた。
そんな私には誰にも言っていない秘密があった。
産まれた時から、ずっとどんな時も傍にいて励まして、練習にも付き合ってくれた人ならざるモノ達。
彼らは、私の一族の直系をずっと見守っていてくれている神の末席にいる十二神将だという。
現当主である、成親なりちか。つまり父でも、神将が見守ってくれているというは認識としてはあるが、存在、姿をはっきり視えていないらしい。気配でわかる程度らしい。
つまり、産まれた時から姿をはっきり視えていて、心の中で話せる私は親族達が言うように霊力が低いとかそんなことはないのだ。
そして本日18歳の誕生日を迎えた。
直系の子供は、18歳の誕生日を迎えた日に男児なら元服の儀、女児なら裳着の儀をする。
我が家で、裳着の儀をするのは100年ぶり。
その準備で我が家は朝からバタバタと大人達が動き回っている。

「・・・・暑い。」

離れの冷たい空気が汗ばんだ肌をすり抜けている。
畳の上に座り、大きめのクッションに体を預けながらやっと一息がつける状態になった。
母屋の方では、今日招待したお客様が集まって来ているので大瀬のにぎやかな声が聞こえてくる。

〈お誕生日おめでとう。〉

少し低めの声が聞こえてきて、視線を上げれば長身の男が立っており、朱の髪に金の瞳、かんざしをフタチ髪に挿した人物が姿を現した。
現したと言っても私以外の人には視えていない。

〈ありがとう、朱桜すおう琥珀こはく雪華せつかと、青にぃは??〉
〈俺だけじゃ不満?〉
〈不満じゃないけれど。〉
〈けど?〉
〈4人におめでとう言って欲しかった。〉
〈ふは!今日は皐月の成人式だからな、俺達がここにいたら皐月の霊力吸っちゃうから、コレを俺を渡しにきただけ。〉

と取り出したのは、キラキラな石のブレスレット。
それを左手首につけられた。

〈キレーありがとう。〉
〈これ、俺たち4人から。今まで皐月からもらった霊力とか神力で溢れちゃったモノを4人それぞれ、その石にこめてみた。青龍は迷子札。って言ってた。〉
〈青にぃはいつになったら、私を大人としてみてくれるんだろう?〉
〈さぁ?今日の成人式で大人としてみてほしいんだ。〉
〈うん。そうだね。ちゃんと大人としてみてほしいなー。〉
〈皐月がお願いしたら大丈夫だと、俺は思うけどな。〉
〈だと、いいけど。〉
〈今日の成人式頑張って。あと、何かあったら俺たちを招んで。〉
〈うん。ありがとう。〉

少し会話をして、人の気配を感じた朱桜は姿を消した。

「皐月様。お時間です。」

呼びにきてくれたのは、お父様の秘書さん。
その後ろにいるのは、束帯姿の兄2人。

「皐月、お誕生日おめでとう。」
「おめでとう、皐月。」
「ありがとうございます。お兄様、小兄ちいにい様」

私が今着ているのは十二単。ただし、成人している証である裳を付けていない。
兄2人の手を借りてゆっくりと立ち上がり、会場へむかう。
今日の私のお誕生日は、一族内の成人式である裳着の儀式と一族の系譜に血判を押して一族の人間と認めるものだ。
兄2人の時と違うのは、私が直系の女児ということだ。
過去、2人この一族内の成人式で問題が起こったそうだ。
1人は神隠しにあって、1人は無事に戻ってきたそうで、霊力が低いと思われている私であっても直系の女児という立場にあるそうなので、お父様達はその可能性を考えているらしい。
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