3 / 76
はじめまして、平安京
3
しおりを挟む
“どこから?“なんて私が聞きたい。
分かるのは、裳着の儀式後の系譜に署名と血判を押したのが原因としか思えない。
「・・・っ!!」
ぎゅっと目を瞑り、左手に付けていたブレスレットを無意識に触ると再び私の周りに風が生まれる。
〈ーーーー喚べ。〉
頭の中で青にぃの声が響く。
“喚べ”
敵意を向けられても、疑われても、私は安倍家の娘。
霊力が少なくたって、いつも傍にいて支えてくれた者の声は疑わない。
私は、ここにいるよ。
閉じていた目を開き、視界が滲む中私は幼少期から教えてもらった知識を技術を思い出す。
「っ・・・伏して願い奉る。我を加護する十二の神々よっ・・・東方の守護神、青き水の守り手よ、盟約の元我が前に姿を現せ。青龍!!」
教わった通りに、印を結びことのはを紡ぐ。
青龍と喚べばブレスレットから全身から霊力と神力が触れ、突風が起こる。
突然発生した風からお上を護るべく、白い直衣を着た男が結界を張るのが視えた。
「・・・・ひい様。よく出来ました。」
突風と共に姿を現したのは、洋服ではなく青を基調とした中華服を着た青にぃ。
左腕で私を抱き上げ、右手には得意の槍を持っていた。
「あ、せ、青龍っ!!」
いつも傍にいてくれた人物がちゃんと喚べた事と会えた事に対しての安堵からか、ボロボロと涙をこぼしながら青にぃの首に両腕を回し抱き締める。
そして、私の名前を呼ばないのも何から理由があると思い、愛称では呼ばず名前を呼んだ。
「私がいますから、大丈夫ですよ。」
といつもと違う口調で、安心させるように声を掛けてくれる。
「して、我が姫君に何かしたのか?」
先程まで突風でしゃがみ込んでいたい武官は私たちから少し距離を置きながらも太刀を再びこちらに向けていた。
青にぃは、冷たい声音で武官達を威嚇する。
右手に持っている槍に小さな火花が散る。
「お前達、刀を下ろしなさい。」
「し、しかし!素性が分からぬ者をこの清涼殿に留めておくにはいきません!」
「素性は分からずとも、“神”の気を纏った者へ刀を向け、怒りを買いたいのなら止めはせぬ。」
ハリのある声が響くと、私達の周りを囲っていた武官達は慌てて刀を鞘に収めた。
声を発したのは先程瞬時に結界を張った男で、背後にいる帝の代弁をしたのだろう。
「客人よ。こちらへ聞きたいこと言いたいことがあるのじゃろう?」
「得体の知れぬ、我らを招くと?」
「ワシからすれば、得体の知れぬ者ではなく、神の気を血を引いている者じゃ。それにその娘は神の神子かな?先先程の力ただの姫君ではあるまい。」
青にぃに抱き抱えられたまま、2人の会話を聞いている。
武官が刀を収めた所で、青にぃも槍を収めた。
相手が言っていることは的は得ていると思う。相手が纏っている気がとても強いので、青にぃでも分かるだろし私よりもこの時代の事は、青にぃの方が詳しい。
なので私は何も口を挟まない。
お父様くらいの年齢で帝直属の陰陽師。
青にぃは私を抱き抱えたまま、相手のいる廂まで歩いていく。
〈廂に下すから、扇で顔を隠せ。大丈夫。私が対応をする。〉
わかったと返事をすると、廂に私は下され青にぃの背に隠されるように室内に案内をされた。
そのまま、背中に隠されたまま質の中央に座った。
「名をなんと申す。」
帝に直接問われなんと答えるのか一瞬思案する。
私の名前を呼ばなかったのだから、本名を名乗るのだろうか?
だが、相手は国の最高権力者とその直属の陰陽師。
名乗っても、問題はないと私は思う。
「・・・我が名は青龍。我が姫君は26代目安倍成親が嫡子、皐月と申す。」
「安倍・・・・・、晴明ゆかりの者か?」
「・・・いいえ。私は存じません。」
その会話で、この陰陽師が初代様だと確信をする。
青にぃが飄々としていたのも、相手が誰だか知っていたからだろう。だから、私の名前を伝えた。
相手を納得くさせようにも、何か証拠となるような物がない限り無理だろう。
それよりも、今“嫡子”って言った?
27代目はお兄様でしょう?なんで??
と混乱をしている間に青にぃが話を進めていった。
分かるのは、裳着の儀式後の系譜に署名と血判を押したのが原因としか思えない。
「・・・っ!!」
ぎゅっと目を瞑り、左手に付けていたブレスレットを無意識に触ると再び私の周りに風が生まれる。
〈ーーーー喚べ。〉
頭の中で青にぃの声が響く。
“喚べ”
敵意を向けられても、疑われても、私は安倍家の娘。
霊力が少なくたって、いつも傍にいて支えてくれた者の声は疑わない。
私は、ここにいるよ。
閉じていた目を開き、視界が滲む中私は幼少期から教えてもらった知識を技術を思い出す。
「っ・・・伏して願い奉る。我を加護する十二の神々よっ・・・東方の守護神、青き水の守り手よ、盟約の元我が前に姿を現せ。青龍!!」
教わった通りに、印を結びことのはを紡ぐ。
青龍と喚べばブレスレットから全身から霊力と神力が触れ、突風が起こる。
突然発生した風からお上を護るべく、白い直衣を着た男が結界を張るのが視えた。
「・・・・ひい様。よく出来ました。」
突風と共に姿を現したのは、洋服ではなく青を基調とした中華服を着た青にぃ。
左腕で私を抱き上げ、右手には得意の槍を持っていた。
「あ、せ、青龍っ!!」
いつも傍にいてくれた人物がちゃんと喚べた事と会えた事に対しての安堵からか、ボロボロと涙をこぼしながら青にぃの首に両腕を回し抱き締める。
そして、私の名前を呼ばないのも何から理由があると思い、愛称では呼ばず名前を呼んだ。
「私がいますから、大丈夫ですよ。」
といつもと違う口調で、安心させるように声を掛けてくれる。
「して、我が姫君に何かしたのか?」
先程まで突風でしゃがみ込んでいたい武官は私たちから少し距離を置きながらも太刀を再びこちらに向けていた。
青にぃは、冷たい声音で武官達を威嚇する。
右手に持っている槍に小さな火花が散る。
「お前達、刀を下ろしなさい。」
「し、しかし!素性が分からぬ者をこの清涼殿に留めておくにはいきません!」
「素性は分からずとも、“神”の気を纏った者へ刀を向け、怒りを買いたいのなら止めはせぬ。」
ハリのある声が響くと、私達の周りを囲っていた武官達は慌てて刀を鞘に収めた。
声を発したのは先程瞬時に結界を張った男で、背後にいる帝の代弁をしたのだろう。
「客人よ。こちらへ聞きたいこと言いたいことがあるのじゃろう?」
「得体の知れぬ、我らを招くと?」
「ワシからすれば、得体の知れぬ者ではなく、神の気を血を引いている者じゃ。それにその娘は神の神子かな?先先程の力ただの姫君ではあるまい。」
青にぃに抱き抱えられたまま、2人の会話を聞いている。
武官が刀を収めた所で、青にぃも槍を収めた。
相手が言っていることは的は得ていると思う。相手が纏っている気がとても強いので、青にぃでも分かるだろし私よりもこの時代の事は、青にぃの方が詳しい。
なので私は何も口を挟まない。
お父様くらいの年齢で帝直属の陰陽師。
青にぃは私を抱き抱えたまま、相手のいる廂まで歩いていく。
〈廂に下すから、扇で顔を隠せ。大丈夫。私が対応をする。〉
わかったと返事をすると、廂に私は下され青にぃの背に隠されるように室内に案内をされた。
そのまま、背中に隠されたまま質の中央に座った。
「名をなんと申す。」
帝に直接問われなんと答えるのか一瞬思案する。
私の名前を呼ばなかったのだから、本名を名乗るのだろうか?
だが、相手は国の最高権力者とその直属の陰陽師。
名乗っても、問題はないと私は思う。
「・・・我が名は青龍。我が姫君は26代目安倍成親が嫡子、皐月と申す。」
「安倍・・・・・、晴明ゆかりの者か?」
「・・・いいえ。私は存じません。」
その会話で、この陰陽師が初代様だと確信をする。
青にぃが飄々としていたのも、相手が誰だか知っていたからだろう。だから、私の名前を伝えた。
相手を納得くさせようにも、何か証拠となるような物がない限り無理だろう。
それよりも、今“嫡子”って言った?
27代目はお兄様でしょう?なんで??
と混乱をしている間に青にぃが話を進めていった。
1
あなたにおすすめの小説
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます
黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。
だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ!
捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……?
無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
悪役女王アウラの休日 ~処刑した女王が名君だったかもなんて、もう遅い~
オレンジ方解石
ファンタジー
恋人に裏切られ、嘘の噂を立てられ、契約も打ち切られた二十七歳の派遣社員、雨井桜子。
世界に絶望した彼女は、むかし読んだ少女漫画『聖なる乙女の祈りの伝説』の悪役女王アウラと魂が入れ替わる。
アウラは二年後に処刑されるキャラ。
桜子は処刑を回避して、今度こそ幸せになろうと奮闘するが、その時は迫りーーーー
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました
鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」
そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。
王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。
私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。
けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。
華やかな王宮。
厳しい王妃許育。
揺らぐ王家の威信。
そして――王子の重大な過ち。
王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。
離縁を望んでも叶わない義妹。
肩書きを失ってなお歩き直す王子。
そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。
ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。
婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる