陰陽師と結ばれた縁

サクサク

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絡まった糸をたぐり寄せれば

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ばったんと、後方に倒れたのには特に突っ込まず近場のきざはしより簀子に上がる。

「ったい!!」
「章平さま、口調に関して晴明殿や兄君達に注意を受けたことはございませんか ?」

視線を合わせてにっこり微笑めば、ぐっと押し黙る。

「それよりどうしてここに?」
「晴明殿もしくは、陰陽頭はいらっしゃいますか?」
「爺さまは、主上のところに今日は行っているはずです。陰陽頭は室内に。」
「あぁ、でしたらお取り次ぎを。安倍時平が春宮さまの使いで参ったというか。」
「しかし、今は・・・・。」
「緊急事態です。室内にいるのでしたら入らせていただきますが?」
「時平殿!呼ぶから、落ち着いてくれ。」
「落ち着いていますけれど?」
「どこが!」

章平さまにそう言われ、首を傾げる。
入口で騒いでいたせいか、私たち2人が立ち上がる前に父様にそっくりだけれど父様より若い男性が入り口に立っていた。
私の一族の顔の系統は安倍家が強いのか?
なんて全然違うことを頭がよぎる。

「章平、何を騒いでいる。」
「ち・・・・、陰陽頭実は、じいさまと主上の客人である時平殿が緊急を要すると・・・・・。」
「お初にお目にかかります。安倍時平と申します。正直あまり時間が在りませんので、戦闘要員として章平殿をお借りしたいのですが?」
「先頭要員とは、先ほどの結界のブレと何か関係が?」

うん、さすが安倍一族直系。
さすがに気がつくよね。私も、まさかと思って大内裏全体に範囲を広げたし。

「結界のブレは私が、大内裏の異変を調べるため、内側から強化しただけですので問題ございません。どちらかというと“呪”の方です。全部で11箇所。あと一箇所で二重の円が完成します。その前に本体を見つけ出さなければ、先日見つけた、左京の数十倍の力がこの地で爆発します。」
「っ、それは父上は。」
「今から私が説明をします。私の配下の者が調べに行っておりますが時間の問題かと。ですので章平さまをお借りします。」
「分かりました。私どもは何を・・・。」
「弘徽殿の結界の強化を。ある程度はしておりますが、念のためお願い致します。章平殿先日教えた印を大内裏全体で感知してください。私は先に行きます。それと春宮さまからの預かりものです。皆さまお騒がせして申し訳ございませんでした。」

陰陽頭に春仁さまからのふみを渡し、一礼をし簀子から降りたところで他の陰陽生達に止められた。

「何か?」
「陰陽寮に所属していない陰陽師など、信用ならん!」

背がすらりと高く、少し堅い顔立ちの男性に行く道を塞がれた。
他にも彼の取り巻きか知らないが、何人かいる。
いつの時代にもいる者だが、正直煩わしい。
少し霊力を解放し、相手を威圧する。
今は時間が惜しい。

「あなた方の耳は飾りですか?事態は緊急を要すると言っております。信用?あぁ、あなた方のような現状を感知出来ないような無能に信用などされなくて結構です。私の配下が見えていない時点で、何の役にも立たない。」

私が、無表情で相手に言葉を発すると同時に、青龍がわざと誰にでも見えるように姿を現す。

「主、北側の瘴気がかなり濃い。内裏内の際どい一箇所になりそうな所に朱雀を置いてきた。」
「っち。悪いけど主上のところへ運んでくれないか?」

私たちがしていた会話は筒抜けで、青龍は私を抱き上げた。

「玄武。」
「はい。」
「章平殿であればすぐに状況を把握されるだろうから、、把握でき次第清涼殿へ一緒に来てくれ。」
「かしこまりました。」

玄武に指示を出すと、青龍は地を蹴り屋根伝いに清涼殿近くの渡殿に人目がつかないように下ろしてくれた。

〈蒼月、他に幾つあった?〉
〈私が確認したのは4つ。〉
〈左京の分と同じ?〉
〈九割九分。〉
〈弘徽殿近くのもは消滅したという事?〉
〈定着していなかったみたいだな。〉
〈分かった。〉

軽く砂埃などはたき、室内に入れば主上と晴明殿、春仁さまが待っていた。

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