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終わりと始まり
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「春仁さま、今日は一緒の茵に寝られません。」
夜、塗籠でさぁ一緒に寝ようかという状況で私はそう切り出した。
キョトンとした春仁さまの表情に、可愛いなと思ってしまった。
「それは何故?」
「今日は、青龍と一緒に寝ます。」
「は?」
そんなやり取りを後ろで聞いていた蒼月は大きなため息を付いて姿を現した。
「ひぃさま、理由を説明していない。浮気でもするつもりか?」
「そんな事をするはずないじゃない。心外です。」
「今の言葉だと、そう取られている。」
「え?あ、ごめんなさい。絢音の件で今日ちょっと術を発動させて寝るので、茵を別にしてもらいたくて、何か合った時に呼び戻して貰うのに、青龍が一番安全なんです。」
「あぁ、そういうこと。」
「なので、浮気とかではなくてですね。」
「分かった。無理はしないようにな?おやすみ、菊華。」
どこか安心したような表情をした、春仁さまは私の右目尻にキスをし、自分の茵に潜り込んだ。
「おやすみなさい。」
〈ひぃさまも寝て下さい。〉
〈うん、それじゃあ蒼月、よろしく。〉
〈あぁ。〉
茵に入り、左手と蒼月の繋ぎ目を閉じる。
自身の一番深い場所へ移動する。
そして目の前に現れた、大きくて重厚感のある扉を開くと広い空間へと出る。
空間の中心に、小さな街灯が立っていて、上を見上げればたくさんの扉が浮かんでいた。
さて、絢音の扉は・・・・?
神経を研ぎ澄まし探してみるが見当たらない。
では、‘絢’だとどうか?
‘絢’だと地面の下、すでに生を終えている扉から反応があった。
私は迷わずその扉へと向かいノックをし、‘お邪魔します’といい中へ入った。
扉の内側では、夏の太陽と仲睦まじい夫婦の姿が目に入った。
姫君の方が‘絢’と呼ばれている。
そしてその傍に座っている男性と目が合い、お互い驚いた表情をしていただろう。
姫君の隣にいるのは今と全く変わらない‘絢音’の姿だった。
もしかして、私に気がついた?!
嫌な汗が背中を伝う。
『真音さま?いかがなさいました?』
『絢、なんでもないよ。』
優しそうな笑みを浮かべ、絢と呼ばれた女性を見つめる絢音の顔は、穏やかで優しい顔をしていた。
それから場面が変わり、雨の中牛車に乗り込みどこかへ出かける真音がいた。
『真音さま、日を改めた方が!』
『何度も頼み込んでやっと譲ってもらえるんだ。今日じゃないとダメなんだよ!ほら、いくら夏とは言え、体が冷えるよ。お腹の子と一緒に待っていてくれ。すぐに帰るよ。』
ーーー雨と崖、赤黒い鋭利な石。川と大きな木。
絢音は言っていた。
可能性としてはこの日に起きた事。
さらに場面は変わり川辺の少し高い道を牛車は通っている。
桂川?でもこんなに土手が高かった?
牛車で移動だなんて、護衛するのも移動するのも大変だ。
ーーーキィィィン
と刀がぶつかり合う音が広がっている。
絢音自身も戦っている。
相手は野盗かゴロツキか。この時代多いだろう。
1人の男が絢音に何か黒い物体を投げつけた。
だけど、その瞬間自己防衛するように霊力が膨れ上がる。
きっとあれは無意識というより、最後の力を振り絞っている感じだ。
周りの従者達は息絶え、襲ってきた野盗達は確認はしていないが倒れ方から絶命した、絢音の身体が起き上がり、宙に浮いている事に恐れをなして生き残ったものはその場から逃げるように立ち去る。
・・・・帰らねば。
・・・・都で、絢が、妻が、子供が待っている。
・・・帰らねば。
そんな思いが強烈に伝わってくる。
頭に響く声に両耳を手で塞ぐ。
出ないと・・・・。蒼月!
〈ひぃさま!!!〉
蒼月の声が聞こえ、再び扉が開き外へ出ると同時に、勢いよく体を起こす。
それと同時に息を大きく吸い込み、乱れた呼吸を整える。
〈ひぃさま。大丈夫です。〉
〈・・・あ、だ、大丈夫。ッ、ごめん蒼月・・・・水・・・・・。〉
そういって蒼月の手を強く握りしめていたので、代わりに雪華が水を汲みに行ってくれた。
後味の悪い内容に眉間に皺を寄せ、呼吸を整えることを優先した。
夜、塗籠でさぁ一緒に寝ようかという状況で私はそう切り出した。
キョトンとした春仁さまの表情に、可愛いなと思ってしまった。
「それは何故?」
「今日は、青龍と一緒に寝ます。」
「は?」
そんなやり取りを後ろで聞いていた蒼月は大きなため息を付いて姿を現した。
「ひぃさま、理由を説明していない。浮気でもするつもりか?」
「そんな事をするはずないじゃない。心外です。」
「今の言葉だと、そう取られている。」
「え?あ、ごめんなさい。絢音の件で今日ちょっと術を発動させて寝るので、茵を別にしてもらいたくて、何か合った時に呼び戻して貰うのに、青龍が一番安全なんです。」
「あぁ、そういうこと。」
「なので、浮気とかではなくてですね。」
「分かった。無理はしないようにな?おやすみ、菊華。」
どこか安心したような表情をした、春仁さまは私の右目尻にキスをし、自分の茵に潜り込んだ。
「おやすみなさい。」
〈ひぃさまも寝て下さい。〉
〈うん、それじゃあ蒼月、よろしく。〉
〈あぁ。〉
茵に入り、左手と蒼月の繋ぎ目を閉じる。
自身の一番深い場所へ移動する。
そして目の前に現れた、大きくて重厚感のある扉を開くと広い空間へと出る。
空間の中心に、小さな街灯が立っていて、上を見上げればたくさんの扉が浮かんでいた。
さて、絢音の扉は・・・・?
神経を研ぎ澄まし探してみるが見当たらない。
では、‘絢’だとどうか?
‘絢’だと地面の下、すでに生を終えている扉から反応があった。
私は迷わずその扉へと向かいノックをし、‘お邪魔します’といい中へ入った。
扉の内側では、夏の太陽と仲睦まじい夫婦の姿が目に入った。
姫君の方が‘絢’と呼ばれている。
そしてその傍に座っている男性と目が合い、お互い驚いた表情をしていただろう。
姫君の隣にいるのは今と全く変わらない‘絢音’の姿だった。
もしかして、私に気がついた?!
嫌な汗が背中を伝う。
『真音さま?いかがなさいました?』
『絢、なんでもないよ。』
優しそうな笑みを浮かべ、絢と呼ばれた女性を見つめる絢音の顔は、穏やかで優しい顔をしていた。
それから場面が変わり、雨の中牛車に乗り込みどこかへ出かける真音がいた。
『真音さま、日を改めた方が!』
『何度も頼み込んでやっと譲ってもらえるんだ。今日じゃないとダメなんだよ!ほら、いくら夏とは言え、体が冷えるよ。お腹の子と一緒に待っていてくれ。すぐに帰るよ。』
ーーー雨と崖、赤黒い鋭利な石。川と大きな木。
絢音は言っていた。
可能性としてはこの日に起きた事。
さらに場面は変わり川辺の少し高い道を牛車は通っている。
桂川?でもこんなに土手が高かった?
牛車で移動だなんて、護衛するのも移動するのも大変だ。
ーーーキィィィン
と刀がぶつかり合う音が広がっている。
絢音自身も戦っている。
相手は野盗かゴロツキか。この時代多いだろう。
1人の男が絢音に何か黒い物体を投げつけた。
だけど、その瞬間自己防衛するように霊力が膨れ上がる。
きっとあれは無意識というより、最後の力を振り絞っている感じだ。
周りの従者達は息絶え、襲ってきた野盗達は確認はしていないが倒れ方から絶命した、絢音の身体が起き上がり、宙に浮いている事に恐れをなして生き残ったものはその場から逃げるように立ち去る。
・・・・帰らねば。
・・・・都で、絢が、妻が、子供が待っている。
・・・帰らねば。
そんな思いが強烈に伝わってくる。
頭に響く声に両耳を手で塞ぐ。
出ないと・・・・。蒼月!
〈ひぃさま!!!〉
蒼月の声が聞こえ、再び扉が開き外へ出ると同時に、勢いよく体を起こす。
それと同時に息を大きく吸い込み、乱れた呼吸を整える。
〈ひぃさま。大丈夫です。〉
〈・・・あ、だ、大丈夫。ッ、ごめん蒼月・・・・水・・・・・。〉
そういって蒼月の手を強く握りしめていたので、代わりに雪華が水を汲みに行ってくれた。
後味の悪い内容に眉間に皺を寄せ、呼吸を整えることを優先した。
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