外面だけは!

豆餅

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六章

学校祭

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 姫ちゃんは忙しいはずなのに部活に入っていた。
それも演劇部!
ちなみに、ウチの高校はさほど強くない、むしろ弱小高だった。
その代わりと言っては、何だが体育会系の、部活はほとんど強かった。
サッカーに野球に、卓球などなど
全部名のある大会に出た経験を持っている。
姫ちゃんはその中で弱小である演劇部に入った。
一度わたしは、演技の大会みたいなのを姫ちゃんが出るらしいから家族で見に行った。
なのに、姫ちゃんは、明らかにドラマ撮影の時と、表情が違った。
素人のわたしでも分かる。
手を抜いてるんだと
手を抜いている理由は、恐らく周りが悪目立ちの演技をしているからきっと、プロな姫ちゃんは萎えているのだろう。
明らかに実力差を感じる。
演技が大好きなのは分かるけど、何で素人の多い部活に入ったのだろうと思う。
でも、姫ちゃんのことだから特に意味はなかったのだろうけど、やっぱり姫ちゃんが、手を抜いてるせいで色々言われるのは腹ただしい。
審査員は、姫ちゃんの顔をじっくりと見えていた。

大会の3週間後に、学際を控えていた。
この頃だったかな、姫ちゃんが部活に居なくなったって聞いたのは、ホントに行かなくなったのは、もっと前かもしれないけど。
姫ちゃんは、原因不明で行かなくなった。
突然行かなくなった。
その理由は、すぐ分かった。
姫ちゃんは、心弱くて体が弱い。
だから、虐めに屈したのだ。

これ…ダレ?わたしの台本にタヒねって書いたの

え?知らないよ

そう…わたし具合悪くなったから帰るね
その日以来部室に立ち寄ることはなくなった。
わたしは、気付いてたんだあえて、聞いたけど、その犯人を…その犯人は…
ボイスレコーダーで部員たちの会話を録音する。
そして家に帰ると、レコーダーを再生した、そこには予想通りの会話が流れていた。犯人もあっていた。

ボイスレコーダーより
部員A  見た?今の顔 ウケるよね~

部員 Bうん、あの子プロの女優でしょ?
目立ち過ぎてウザいよね~

仲よかった部員 ちょっと顔良いからって調子乗るなよな
これで、わたしが主役できる

部員A そうだね、てか、良かったの?仲よかったのにタヒねとか書いちゃって

あーあんなの上辺だけだよ上辺だけ

わたし良いこと考えちゃったー

ん?

恥かかせてやろうよ?学際前日にいきなり呼び出して、台本渡して主役になったからって主役やらせるの
さすがの暗記力凄い姫乃でも厳しいでしょ

うわーそれは面白いねやろーやろー


このように、わたしにタヒねを書いた犯人を知った。
傷つきはしなかった分かっていたから。
そうして時が過ぎて、今日は学際前日。

姫乃~今仕事終わった~?相談したいことがあるんだけど?

何?

学際の主役やって欲しいなって

あ、うん良いけど

え?もっと抵抗しないの?

うん、別に

とにかく、台本渡すから今出てこれる?

うん
そうして、わたしは台本を受け取り1日で覚えるのだが、熱を出してしまった。

 姫、学際行きたいのはわかるよ
だけど、今日は休みなさい
パパと一緒に居よう!な?
だから、大人しく寝てなさい。

でも、行かないと、劇が、

コラッ姫、お前ははめられたんだぞ

知ってた…知ってるからパパお願い行かしてと叫んだちょうどその時、パパのケータイが鳴る。

あ、
出なよ?

お、おう はいもしもし、岡です。
 そうですか、分かりました。
すぐ行きますと言いながら、パパはとチラッとわたしを見る。

仕事呼び出されたから、一人でも大人しくしとくんだぞ。
パパの姿を見送って、わたしはパパごめんなさいと言いながら、最低限の身支度をして、飛び出すのだった。



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