外面だけは!

豆餅

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七章

計画〈二〉

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 何でアイツは動じなかったんだろ
俺の計画は、完璧だったはずだ。
あの長男坊もさぞ怖かったろう。
なのに、動揺していたのは最初だけ。
何故こんなにも落ち着けたのだろうか。
不思議でならん
でも調べるには、相当な時間と労力を要しそうだ。
何故ならあの長男坊見た目は、ヒョロそうだが、根っこの部分がしぶとそうだ。
第1、静がそんな甘っちょろい子育てやってる訳ない。
事務所きってのベテランパパ、理想なパパという異名を意のままにしてるのだ。
だから、自分の子どもを意外と厳しく育ててるのではないだろうか。
それに、静の子だ。
それだけで、油断大敵だろう。


姫乃、怖くなかったか?

うん、怖くなかったよ身近な人ってことは多少驚いたけど。

でも、立派だったよ。
立派に奏に伝えてくれたじゃないか

お前らのおかげでパパは動揺せず、行けたんだ。
恐らく動揺してたら、優美も付いてきただろうからな。
危ないところだった。

どうしてあの時、突然奏が落ち着きを取り戻したかというと、時は亮平から姫乃に受話器を託されたところまで巻き戻す。

奏にいちゃ、あしいた
      たのみく
      しっぷき
      りゆうが
      ょっとと
      うきわた
      へっとく
      いたいよ
      さざえた
      んんんん
      といれが
      いしいれ
      るーるみ
      ゆーすき
      うきさい
      みんなき
      ねっこね 
      らんどせ
      うきとあ
と伝言を残したのだった。
すると、賢い奏は、即事態を把握し、パパが帰ってくるまで、犯人、亮平の相手をしたわけである。
ちなみに、これを解くと、アタシ亮平さんと居る。ゆうみ狙らう。
つまり、亮平さんに誘拐されたというわけだ。
更にいうと、優美を誘き出す為に、誘拐されてしまったというわけを伝えているのだ。
咄嗟に考えた暗号。
もちろん亮平は気付くことなかった。
きっと亮平は、聞いているだけじゃわからないだろう。
いきなりこんなこと言い出し、頭が恐怖でおかしくなったとしか思ってないだろう。
しかも、短時間でここまで情報整理して、伝えれる高校生が居るとは、予想しないだろう。
いつか、ネタバラシしてやろうと静は、思うのだった。

2回目の計画は、優美しか家にいない時に決行しようと決めた。
静の家に張り込みをし、出掛ける日をメモした。
何と都合よく、優美はお留守番をするらしい。
俺は今だと思い、優美の家もとい静の家に近づく。

優美~俺の家に帰ってこないか?

ヤダ  

ちゃんと面倒みるよーん

キモい
俺はキレた
手近にあった本棚を持ち上げ優美を下敷きにしようとする。
すると、下敷きになってるのは、何と!!前誘拐した静の長女姫乃だった
頭から血を流していた。
もし、これが事務所に知られたら…俺は厳罰もしくは解雇処分だ…
俺は救急車も呼ばず、その場から逃げ去ったのだった
自分の保身のために。
人は、自分の身が1番可愛いものだろう?


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