外面だけは!

豆餅

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オマケ

静の奥さん編

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 俺の妻は育児放棄をした。
それは姫と、陽太がまだほんの赤ん坊の頃だ。
一歳にも満たなかった二人
俺が仕事中、妻はホストに貢いでいた。
姫と陽太は、その間泣いていたらしい。
それを必死にまだ、2歳の奏がなだめていたという。
幸い二人は奏に懐いていた。
奏は、俺の育児を見ていたのか、手早くおしめなどを変えることが、苦じゃなくできたらしい。
そして、やっぱ子どもたちが心配なので、スケジュールもマネージャーと要相談という形を取っていた。
だから、その日は割とすぐ帰れたのかな。
流石にミルクは与えれないのか、ずっと双子が泣きじゃくっている状態だった。
ミルクは、危ないから哺乳瓶を用意するだけと、お手伝いしてくれた時も言っておいたのだ。
何故なら、ミルクはお湯で溶かすからだ。
 まだ、2歳の子にお湯を触らしたくもない。
火傷しないか心配である。
奏に優しくお礼を言いながら、泣きそうな奏をなだめる。
きっと、優しいお兄ちゃんだから、双子が泣いてるのに、何も出来ない自分に心を痛めたのだろう。

 ありがとな、奏お前はよく頑張ったよパパ助かっちゃった。
凄いなお前は、良いお兄ちゃんだ。

そして、俺はミルクを用意して双子に与えながら、更に奏が落ち着くのを待つ。
その時に、奏の頭も撫でたいが、双子なので中々手持ち無沙汰にならないので、双子が飲み終わってから、ゆっくりと奏の頭を撫でる。
すると、奏が安心したように少しだけ笑う。
それを見て、俺はことの次第を尋ねることにした。

 ママは、どうした?

 お仕事って言ってた

 え?ママお仕事してないはずなんだけどな~

 うーんとね、男の人と会うんだって言ってちゃ
 
俺はその時悟った。
育児放棄して、しかも俺のギャラか、はたまた養育費かその両方をホストに貢いで、最終的には俺らを捨てたのだろう。
そして、妻はその日から一度も帰って来なくなった。
奏は、不安気にしていた。
やはりこのくらいの年頃には、ママが必要なんだろうか。
でも、俺はもうそれを叶えてあげれない。
許せ息子よ。

これからは俺だけで3人の子を育てて行かないといけない。
幸いお金はある。
だが、育児デビューに少し不安があるが、育児書見て学ぼうと思う。
それから間もなく、姫はベビーモデルにスカウトされるのだが、それはまた別のお話。
 
 奏は、双子が安心したように眠ってから自分も眠った。
小さいながらに、妹と弟が可愛くて、同時に心配で、大切でしょうがないんだろう。
ほんとに奏は優しいお兄ちゃんだ。
3人の子よ、俺の子に生まれてくれてありがとう。
そうして、俺は奏の隣に眠りついた。




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