生まれついて

豆餅

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二章

やっぱり心残り

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 誰かがずっと呼んでいる気がする。
おじいちゃんおじいちゃんと
孫に違いない。
妻には先立たれた、老いぼれを優しく可愛い孫が包んでくれる。
まだ生きる意味はあるかも知れない。
気付いたら目を覚ましていた。
 孫は、散々泣き腫らした目でワシをいちべつした後、ワシを平手でしかも真顔でビンタかましてきた。


おじいちゃん馬鹿じゃないの
僕を残していくなんて悪い大人だよ
次会うときは法廷だよ。
法廷で会おう。

孫はドラマか何かでありそうなセリフを呟く。
しかも、真剣に言ってるようじゃ
しゃーない、示談金を用意してやろう。
 そうして、ワシは、嬉しそうにほれっと福沢諭吉を出したのだった。

      完
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