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第3章
04 サウストリア(4)
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「それよりさ、カリーナはずっとここにいるのか?」
「ちょっと挨拶に来ただけよ」
「それだけ?」
「ミリオネアに行く途中なんだもの」
「ミリオネア? 何しに行くんだよ」
「何しにって、、、色々よ」
「兄貴に付いて行きたいのか? 確か本家に来る予定だよな?」
「そうじゃないけど、、、せっかくここまで来たんだもの。“精霊の国”に行ってみたいわ」
「ここだっていい所だぞ?」
「それは知ってるけど、、、」
「まぁいいや、それよりちょっと着替えろよ。お前、変な恰好してるぞ?」
「失礼ね、仕事着よ」
「仕事? お前、兄貴に働かされているのか?」
「違うわ! そうじゃなくて、好きでやってるの」
「分かんねぇなぁ、とりあえず着替えろ。お前に似合うドレスにしろよ、絶対可愛いから」
もう、ダナーは相変わらずだ。
花摘達に交じって一緒に花摘みをしている時も、良くこうして着替えさせられた。
でもちょっと嬉しい気持ちもある。
お仕着せは仕事をするのに都合がいいけれど、フワフワするドレスがそろそろ少し懐かしい。
「叔母上、よろしいですか?」
「いいわよ、但し夕方まではカリーナをゆっくり休ませてあげなさい」
「叔母上」
「夕食を一緒に取りましょう。貴方も暇ではないのでしょう?」
「ちぇ、仕方ないな。では、叔母上、カリーナ、後でな」
そう言って、ファーネ様には頬を合わせるように挨拶し、カリーナにはチュッと頬に軽いキスをして帰って行く。
慣れていないカリーナの顔が真っ赤になっていると、ファーネ様が安心させてくれる。
「気にしないでいいのよ、カリーナ。この辺りでは軽い挨拶なのだからね」
「はい、、、」
「それより本当に着替えましょう。ゆっくりお風呂にも入ってね」
その後は、客室に案内され、浴槽に浸かってウトウトしていると、夕方まで少しお休み下さいと言われ横になる。
ファリス先生はどうしただろう?
商隊に帰ってしまったのかしら?
ダナーの話やファリス先生の事も気になったけど、思っていた以上に疲れていたらしく、そのままぐっすり眠ってしまう。
夕方までゆっくり休ませて貰ったので、頭はスッキリしたけれど、今度はお腹が空腹を訴えている。
イスレイン家の侍女たちに髪を整えて貰い、久しぶりのドレスを身に付け、ファーネ様の所に行くと、同じように正装した二人の青年に迎えられた。
公爵家に来てくれる時も、服装を気にしたことは無かったが、こうしてみると彼がラングロア家の息子だというのが良く分かる。
もう一人は、いたずらっ子のような瞳はそのままだが、こちらも昔のダナーではない。
「どう、かれ?」
「えっ?」
ダナーが側に来るとファリス先生の方を向いて話しかける。
「僕だけじゃ、卑怯だからね。彼にも着替えて貰ったんだ」
「別に、服装なんて関係ないだろ」
「へぇ、僕はカリーナが着替えてくれてとっても嬉しいよ」
「いや、そうじゃなくて」
今度はカリーナの方を向いて話す。
「もちろん、どんな服装をしていても可愛いけどね」
「ありがとう、ダナー様?」
「いいよ、ダナーで、ずっとそう呼んでただろ?」
「そうだけど」
「僕もカリーナって呼ぶからさ、ね?」
「分かったわ、ダナー」
成長しても彼は相変わらずだ。
花畑から連れ出される時も、みんなと一緒に遊んでいる時も、いつの間にかこうして彼の思う様に動かされてしまう。
そして今もあの時と同じように、いつの間にかダナーにエスコートされてテーブルに着いている。
「ちょっと挨拶に来ただけよ」
「それだけ?」
「ミリオネアに行く途中なんだもの」
「ミリオネア? 何しに行くんだよ」
「何しにって、、、色々よ」
「兄貴に付いて行きたいのか? 確か本家に来る予定だよな?」
「そうじゃないけど、、、せっかくここまで来たんだもの。“精霊の国”に行ってみたいわ」
「ここだっていい所だぞ?」
「それは知ってるけど、、、」
「まぁいいや、それよりちょっと着替えろよ。お前、変な恰好してるぞ?」
「失礼ね、仕事着よ」
「仕事? お前、兄貴に働かされているのか?」
「違うわ! そうじゃなくて、好きでやってるの」
「分かんねぇなぁ、とりあえず着替えろ。お前に似合うドレスにしろよ、絶対可愛いから」
もう、ダナーは相変わらずだ。
花摘達に交じって一緒に花摘みをしている時も、良くこうして着替えさせられた。
でもちょっと嬉しい気持ちもある。
お仕着せは仕事をするのに都合がいいけれど、フワフワするドレスがそろそろ少し懐かしい。
「叔母上、よろしいですか?」
「いいわよ、但し夕方まではカリーナをゆっくり休ませてあげなさい」
「叔母上」
「夕食を一緒に取りましょう。貴方も暇ではないのでしょう?」
「ちぇ、仕方ないな。では、叔母上、カリーナ、後でな」
そう言って、ファーネ様には頬を合わせるように挨拶し、カリーナにはチュッと頬に軽いキスをして帰って行く。
慣れていないカリーナの顔が真っ赤になっていると、ファーネ様が安心させてくれる。
「気にしないでいいのよ、カリーナ。この辺りでは軽い挨拶なのだからね」
「はい、、、」
「それより本当に着替えましょう。ゆっくりお風呂にも入ってね」
その後は、客室に案内され、浴槽に浸かってウトウトしていると、夕方まで少しお休み下さいと言われ横になる。
ファリス先生はどうしただろう?
商隊に帰ってしまったのかしら?
ダナーの話やファリス先生の事も気になったけど、思っていた以上に疲れていたらしく、そのままぐっすり眠ってしまう。
夕方までゆっくり休ませて貰ったので、頭はスッキリしたけれど、今度はお腹が空腹を訴えている。
イスレイン家の侍女たちに髪を整えて貰い、久しぶりのドレスを身に付け、ファーネ様の所に行くと、同じように正装した二人の青年に迎えられた。
公爵家に来てくれる時も、服装を気にしたことは無かったが、こうしてみると彼がラングロア家の息子だというのが良く分かる。
もう一人は、いたずらっ子のような瞳はそのままだが、こちらも昔のダナーではない。
「どう、かれ?」
「えっ?」
ダナーが側に来るとファリス先生の方を向いて話しかける。
「僕だけじゃ、卑怯だからね。彼にも着替えて貰ったんだ」
「別に、服装なんて関係ないだろ」
「へぇ、僕はカリーナが着替えてくれてとっても嬉しいよ」
「いや、そうじゃなくて」
今度はカリーナの方を向いて話す。
「もちろん、どんな服装をしていても可愛いけどね」
「ありがとう、ダナー様?」
「いいよ、ダナーで、ずっとそう呼んでただろ?」
「そうだけど」
「僕もカリーナって呼ぶからさ、ね?」
「分かったわ、ダナー」
成長しても彼は相変わらずだ。
花畑から連れ出される時も、みんなと一緒に遊んでいる時も、いつの間にかこうして彼の思う様に動かされてしまう。
そして今もあの時と同じように、いつの間にかダナーにエスコートされてテーブルに着いている。
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