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第4章
03 ミリオネア(3) -アレスside
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「レオーナ、どうしてこんな所にいるんだ?」
「船に乗せて貰おうと思ってな」
「冗談だろう?」
「アレス、私に借りがあるのでは無かったか?」
また面倒な事になった。
これでイスレインとティジィス家の二人を船に乗せなくてはならない。
ロートアまでの約束だった彼は、使用人では無くなったが当然のようにカリーナと共にミリオネアに行くと言い出しているし、レオーナには、先日、彼女の屋敷で借りを作っているので断る事も難しい。
ミリオネアには、精霊に許された人しか入ることが出来ない。
特にサウストリアの海軍やそれに関わる人を、精霊達がそう簡単に受け入れるとは思えないし、精霊達を偽るような事もしたくない。
自分の船がどの商船よりも早くミリオネアに着く事はよく知っている。
そしてそれが誰のおかげかという事も、今では良く分かっているつもりだった。
アレスの船が今までミリオネアに出入りできたのは、ヒューイがいた事と、自分がミリオネアに対して、商売以外の関心を持っていなかったことが大きく関係している。
「少し時間をくれ、だがこちらも受け入れられない事もある。そのつもりでいてくれ」
「承知した」
レオーナと話をした後、カリーナと一緒にいるダナー殿を横目で見ながら船室に入る。
「えらく疲れているみたいだ」
「ヒューイ」
いつからいたのか、船の風使いがアレスの部屋で寛いでいる。
「この旅が終わったらしばらく休みたいよ」
「賛成だ。僕の所にくるかい?」
「いや、“道”は使いたくない」
「相変わらず頑固だね」
「“精霊の道”を一度使えば、制限が無くなる気がする。それを商売で使うのは、ルール違反だ」
「ふふっ、本当に相変わらずだ」
「それより、船の客人を増やしたい」
「サウストリアの二人かい?」
「知っているのか?」
「僕は風だからね、聞こえてくるのさ」
「構わないのか?」
ヒューイが受け入れて良いと思っているのなら、精霊達が拒むとは思えない。
「どちらも自分の感情に従っているだけの様だからね」
「感情?」
「人を愛おしいという気持ちかな」
「彼はそうだろうが、、、」
「彼女は違うと?」
「、、、分からん」
「へぇ」
「なんだ」
「何年か前のキミでは考えられない答えだと思ってね」
「あの頃は、、、若かったんだ」
自分が適当な相手と遊んでいた頃の話をヒューイが時々揶揄うのは、何時もの事だ。
「彼女にも色々あるんだよ」
「何か、知っているのか?」
「それを聞くのは、それこそルール違反だよ」
「そうだな、、、いや、悪かった、だがこれで船に二人を乗せる事ができる安心したよ」
二人を船に乗せる事が出来る、それで満足なはずだった。
だがこれでサウストリアを離れるまで、カリーナの側にいる彼も見続けなくてはならない。
「船に乗せて貰おうと思ってな」
「冗談だろう?」
「アレス、私に借りがあるのでは無かったか?」
また面倒な事になった。
これでイスレインとティジィス家の二人を船に乗せなくてはならない。
ロートアまでの約束だった彼は、使用人では無くなったが当然のようにカリーナと共にミリオネアに行くと言い出しているし、レオーナには、先日、彼女の屋敷で借りを作っているので断る事も難しい。
ミリオネアには、精霊に許された人しか入ることが出来ない。
特にサウストリアの海軍やそれに関わる人を、精霊達がそう簡単に受け入れるとは思えないし、精霊達を偽るような事もしたくない。
自分の船がどの商船よりも早くミリオネアに着く事はよく知っている。
そしてそれが誰のおかげかという事も、今では良く分かっているつもりだった。
アレスの船が今までミリオネアに出入りできたのは、ヒューイがいた事と、自分がミリオネアに対して、商売以外の関心を持っていなかったことが大きく関係している。
「少し時間をくれ、だがこちらも受け入れられない事もある。そのつもりでいてくれ」
「承知した」
レオーナと話をした後、カリーナと一緒にいるダナー殿を横目で見ながら船室に入る。
「えらく疲れているみたいだ」
「ヒューイ」
いつからいたのか、船の風使いがアレスの部屋で寛いでいる。
「この旅が終わったらしばらく休みたいよ」
「賛成だ。僕の所にくるかい?」
「いや、“道”は使いたくない」
「相変わらず頑固だね」
「“精霊の道”を一度使えば、制限が無くなる気がする。それを商売で使うのは、ルール違反だ」
「ふふっ、本当に相変わらずだ」
「それより、船の客人を増やしたい」
「サウストリアの二人かい?」
「知っているのか?」
「僕は風だからね、聞こえてくるのさ」
「構わないのか?」
ヒューイが受け入れて良いと思っているのなら、精霊達が拒むとは思えない。
「どちらも自分の感情に従っているだけの様だからね」
「感情?」
「人を愛おしいという気持ちかな」
「彼はそうだろうが、、、」
「彼女は違うと?」
「、、、分からん」
「へぇ」
「なんだ」
「何年か前のキミでは考えられない答えだと思ってね」
「あの頃は、、、若かったんだ」
自分が適当な相手と遊んでいた頃の話をヒューイが時々揶揄うのは、何時もの事だ。
「彼女にも色々あるんだよ」
「何か、知っているのか?」
「それを聞くのは、それこそルール違反だよ」
「そうだな、、、いや、悪かった、だがこれで船に二人を乗せる事ができる安心したよ」
二人を船に乗せる事が出来る、それで満足なはずだった。
だがこれでサウストリアを離れるまで、カリーナの側にいる彼も見続けなくてはならない。
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