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第4章
11 ミリオネア(11)
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「ねえ、起きてよ」
「ラナ?」
「もう起きないと、遅くなってしまうわ」
「どうしたの?」
ゆっくり眠れたので少し楽になったけれど、まだ何となく気分が悪い。
「ねぇ、起きて」
「分かったわ、何かあったの?」
「ミリオネアに着いてしまうから」
そんなに揺れているとは思えないのに、船酔いしているみたいにすっきりしない。
ロアンお義兄様ほどでは無いが、カリーナも船の上が得意では無いらしい。
出来ればこのまま部屋で寝ていたい所だが、ラナがこんな時は、聞き分けが無くなる事も旅の間で分かっている。
「ミリオネアに着いたの?」
「まだに決まっているじゃない、そんな事になったら大変だもの」
何が大変なのか分からないが、船室の外に出ると、そこには美しい星空が広がっている。
「まぁ、きれい」
「そんな事、どうでもいいわ」
「ラナ?」
「早く、こっちに来て」
ラナが手を引っ張って船尾の方に行こうとする。
「ラナ、待ってちょうだい。それにダナーが船尾には行かない方がいいって」
「大丈夫よ」
「ラナ、船に乗った事があるの?」
「関係ないでしょ」
「えっ?」
「来てくれないと困るのよ」
「どうして?」
「だって何時までも貴方がいると、私がお姫様になれないじゃない」
「何の話をしているの?」
「早く来て」
「ラナ、やっぱり危ないわ」
「もう、貴方ってやっぱり嫌な人だわ。どうして私の邪魔ばかりするの?」
「ラナ?」
「これ、何だと思う?」
ラナがポケットからファリス先生の魔道具を取り出す。
「ちゃんと引き出しに入れて置いたのに、どうしてラナが持っているの?」
「無くなったら大変でしょう?」
ラナが鎖の部分を持って魔道具を揺らしながら歩く。
「ダメよ、ラナ。先生の大切な物なの」
それにダナー達にも魔道具を見られたく無いみたいだったのに、、、
「早くこっちに来てよ。間違えて海に落としたらどうするの」
「ラナ!」
船の端で腕を伸ばし海の上でゆらゆらと魔道具を揺らすので、驚いてラナの近くに行き、彼女が手を放しても魔道具が海に落ちないよう手を下に添える。
「貴方が居ると、私がお姫様になれないのよ」
「えっ?」
そのまま体をぶつけるように思いっきり押される。
「いなくなってくれないと困るのよ」
バランスを崩した所を更に手で押されて、自分が船の外に押し出されたのが分かる。
「カリーナ!」
自分の名前を呼ぶファリス先生やダナーの声が聞こえ、アレス様が伸ばした手が見えるけど、そのまま海に落ちて行く。
「ラナ?」
「もう起きないと、遅くなってしまうわ」
「どうしたの?」
ゆっくり眠れたので少し楽になったけれど、まだ何となく気分が悪い。
「ねぇ、起きて」
「分かったわ、何かあったの?」
「ミリオネアに着いてしまうから」
そんなに揺れているとは思えないのに、船酔いしているみたいにすっきりしない。
ロアンお義兄様ほどでは無いが、カリーナも船の上が得意では無いらしい。
出来ればこのまま部屋で寝ていたい所だが、ラナがこんな時は、聞き分けが無くなる事も旅の間で分かっている。
「ミリオネアに着いたの?」
「まだに決まっているじゃない、そんな事になったら大変だもの」
何が大変なのか分からないが、船室の外に出ると、そこには美しい星空が広がっている。
「まぁ、きれい」
「そんな事、どうでもいいわ」
「ラナ?」
「早く、こっちに来て」
ラナが手を引っ張って船尾の方に行こうとする。
「ラナ、待ってちょうだい。それにダナーが船尾には行かない方がいいって」
「大丈夫よ」
「ラナ、船に乗った事があるの?」
「関係ないでしょ」
「えっ?」
「来てくれないと困るのよ」
「どうして?」
「だって何時までも貴方がいると、私がお姫様になれないじゃない」
「何の話をしているの?」
「早く来て」
「ラナ、やっぱり危ないわ」
「もう、貴方ってやっぱり嫌な人だわ。どうして私の邪魔ばかりするの?」
「ラナ?」
「これ、何だと思う?」
ラナがポケットからファリス先生の魔道具を取り出す。
「ちゃんと引き出しに入れて置いたのに、どうしてラナが持っているの?」
「無くなったら大変でしょう?」
ラナが鎖の部分を持って魔道具を揺らしながら歩く。
「ダメよ、ラナ。先生の大切な物なの」
それにダナー達にも魔道具を見られたく無いみたいだったのに、、、
「早くこっちに来てよ。間違えて海に落としたらどうするの」
「ラナ!」
船の端で腕を伸ばし海の上でゆらゆらと魔道具を揺らすので、驚いてラナの近くに行き、彼女が手を放しても魔道具が海に落ちないよう手を下に添える。
「貴方が居ると、私がお姫様になれないのよ」
「えっ?」
そのまま体をぶつけるように思いっきり押される。
「いなくなってくれないと困るのよ」
バランスを崩した所を更に手で押されて、自分が船の外に押し出されたのが分かる。
「カリーナ!」
自分の名前を呼ぶファリス先生やダナーの声が聞こえ、アレス様が伸ばした手が見えるけど、そのまま海に落ちて行く。
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