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第1章
07 王立図書館
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数日後、外出の許しを貰い、ジャルドに王都の古都と呼ばれる辺りに、ロニと一緒に連れて行って貰う。
王都にいる意味が無いなら、ウエストリアに帰ることになるだろうし、帰るなら弟や屋敷のみんなにお土産の一つも買って帰りたい。
「まず、お嬢の好きそうな所に行くっすよ」
そう言って連れて来てくれたのが、王立図書館だった。
中に入って驚かされる。ウエストリアにも書籍を集めた図書館はあるが、専門的な本がほとんどで、娯楽的な本は無い。
それがここには、本屋で既に扱っていないような古い物まであってとても面白い。
「まぁ、困るわ、こんな所を見たら、ここから離れられなくなりそう」
「お嬢様、この本、お屋敷にあった物ではありませんか?」
「本当だわ、懐かしい」
今はリラに渡してしまったけれど、最近まで読んでいた本が何冊か置いてある。
「屋敷の皆には、ここで選んだらいいっすよ」
「ここで選んでどうするの?」
「この階にある本は、借りれるっすよ」
「まぁ、本当? でも、ウエストリアに持って帰ってもいいのかしら?」
王都に居るならともかく、ウエストリアまで高価な本を持って行っていいものか、次に王都に来るのは、半年も先になるのに、、、と心配していると
ジャルドが、壁に貼られた一枚の紙を指さす。
そこには、本を借りる為の決まりが記載されていて、冊数や期日は決まっているものの、一階にある本は自由に借りられると書いてある。
「本を返す時は、転移箱で返せばいいのね。素敵、考えてくれた人に感謝しなくっちゃ」
「お嬢は、もう少し主人の事を尊敬した方がいいっすよ」
「まぁ、しているわよ、、、と言う事は、お父様が考えたのね」
「主人らしいっすよね」
「そうね、なら図書館の本を全部借りれるようにして欲しかったわ」
実際、父ならそのくらい出来そうな気がする。
「お嬢のためっすよ」
「あら、どう言う事?」
「ここの本が全部借りれたら、お嬢が家から出なくなるっすからね」
「失礼ね、フレの花が咲けば森に入るし、収穫の時は手伝うわよ」
何時もと同じようにジャルドと言葉遊びを続けていると、はぁぁぁ、と大きなため息をついて呆れたようにジャルドが離れて行く。
何か気になる事があるみたい。
ジャルドは私の護衛だが、余りにも長く側にいるので、ほとんど身内のようになっている。
彼も言葉を飾る事なく思ったことをそのまま口にするし、言われればこちらも言い返す。
それが当たり前になっていたので、カシム様にも思ったことをそのまま言い返すと彼の方が驚いていた。
「いやだわ、本当に憂鬱になりそう」
出来ればこれ以上評判を落としたくない。
魔力が無い上に王子にも嫌われて婚約解消した娘を、気に入ってくれるだけでも難しいのに、礼儀作法まで怪しいようでは本当に相手がいなくなってしまう。
「お嬢様?」
「何でもないわ、借りていられる期日がある様だから、借りるのは次にしましょう、上の階に行ってみたいわ」
「はい」
私が憂鬱になる理由が分からず、不思議そうな顔をしたロニが答える。
彼女は数年前に初めて会い、その後、ウエストリア家に来て侍女になってくれた人だが、知り合った頃の思いが残っているのか、リディアの事をウエストリアで一番の令嬢だと思っている。
彼女の評価はリディアにとっても甘いので、世間の評判とはかけ離れていて、残念ながら参考にはならない。
王都にいる意味が無いなら、ウエストリアに帰ることになるだろうし、帰るなら弟や屋敷のみんなにお土産の一つも買って帰りたい。
「まず、お嬢の好きそうな所に行くっすよ」
そう言って連れて来てくれたのが、王立図書館だった。
中に入って驚かされる。ウエストリアにも書籍を集めた図書館はあるが、専門的な本がほとんどで、娯楽的な本は無い。
それがここには、本屋で既に扱っていないような古い物まであってとても面白い。
「まぁ、困るわ、こんな所を見たら、ここから離れられなくなりそう」
「お嬢様、この本、お屋敷にあった物ではありませんか?」
「本当だわ、懐かしい」
今はリラに渡してしまったけれど、最近まで読んでいた本が何冊か置いてある。
「屋敷の皆には、ここで選んだらいいっすよ」
「ここで選んでどうするの?」
「この階にある本は、借りれるっすよ」
「まぁ、本当? でも、ウエストリアに持って帰ってもいいのかしら?」
王都に居るならともかく、ウエストリアまで高価な本を持って行っていいものか、次に王都に来るのは、半年も先になるのに、、、と心配していると
ジャルドが、壁に貼られた一枚の紙を指さす。
そこには、本を借りる為の決まりが記載されていて、冊数や期日は決まっているものの、一階にある本は自由に借りられると書いてある。
「本を返す時は、転移箱で返せばいいのね。素敵、考えてくれた人に感謝しなくっちゃ」
「お嬢は、もう少し主人の事を尊敬した方がいいっすよ」
「まぁ、しているわよ、、、と言う事は、お父様が考えたのね」
「主人らしいっすよね」
「そうね、なら図書館の本を全部借りれるようにして欲しかったわ」
実際、父ならそのくらい出来そうな気がする。
「お嬢のためっすよ」
「あら、どう言う事?」
「ここの本が全部借りれたら、お嬢が家から出なくなるっすからね」
「失礼ね、フレの花が咲けば森に入るし、収穫の時は手伝うわよ」
何時もと同じようにジャルドと言葉遊びを続けていると、はぁぁぁ、と大きなため息をついて呆れたようにジャルドが離れて行く。
何か気になる事があるみたい。
ジャルドは私の護衛だが、余りにも長く側にいるので、ほとんど身内のようになっている。
彼も言葉を飾る事なく思ったことをそのまま口にするし、言われればこちらも言い返す。
それが当たり前になっていたので、カシム様にも思ったことをそのまま言い返すと彼の方が驚いていた。
「いやだわ、本当に憂鬱になりそう」
出来ればこれ以上評判を落としたくない。
魔力が無い上に王子にも嫌われて婚約解消した娘を、気に入ってくれるだけでも難しいのに、礼儀作法まで怪しいようでは本当に相手がいなくなってしまう。
「お嬢様?」
「何でもないわ、借りていられる期日がある様だから、借りるのは次にしましょう、上の階に行ってみたいわ」
「はい」
私が憂鬱になる理由が分からず、不思議そうな顔をしたロニが答える。
彼女は数年前に初めて会い、その後、ウエストリア家に来て侍女になってくれた人だが、知り合った頃の思いが残っているのか、リディアの事をウエストリアで一番の令嬢だと思っている。
彼女の評価はリディアにとっても甘いので、世間の評判とはかけ離れていて、残念ながら参考にはならない。
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