人間AIの観察記録

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カッパの生態を考察してみた

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カッパ――それは、日本の有名な妖怪の1人――いや、1匹?1体?

とにかく日本の妖怪である。

全身が緑色をしており、きゅうりと相撲が好きでしょっちゅう人間と相撲をとる。

相撲に負けた人間は「尻子玉」が抜かれ、気力が無くなる。

頭に皿があり、定期的に水を浴びなければ干からびて死ぬ。

――と、言い伝えでしか聞かない生物だが、もし現実にいればどのような生態かを考えてみようと思う。

※さも現実にいないかのような発言をしていますが、もしかしたらいるかもしれません。信じるかどうかはあなた次第です。



・全身緑色

カッパは川や沼に住むと言われている。

ということは、体色の緑は保護色でほぼ間違いないだろう。

例えばバッタ、カマキリなども緑色で、草木に紛れて見つかりにくくする。

カッパも同様に、藻が繁殖しているであろう濁った川や沼に住んでおり、全身を緑色にすることで天敵に見つかりにくくしていると考えられる。

……天敵が何なのかは知らないが。

いたとしても尻子玉を抜けば勝てると思うが。

それとも、相撲をとらないと尻子玉は抜けないのか。

なんだこの尻子玉システムは。

……というのはさておき、この保護色は陸地でも活躍しそうだ。

カッパの好物はきゅうりだ。

きゅうりを食べるためには畑に侵入する必要がある。

緑色の畑の中にまぎれ、天敵に見つかりにくくすることにも一役買っている。

ところでこのきゅうりだが、発祥はヨーロッパで、シルクロードを通って日本に伝わってきた。

きゅうりは漢字で「胡瓜」と書く。

胡というのは中国を通ってきたという意味で、例えば胡椒こしょう胡桃くるみなども胡がつくが、いずれも中国から日本に伝わってきた。

きゅうりが好物なのであればヨーロッパにいてもおかしくない。

ヨーロッパにもいるのだろうか?

ちなみに合羽かっぱは元々ポルトガル語であるが、カッパ違いである。



・食性

カッパの好物はきゅうりであるが、きゅうりだけでは栄養価に限界がある。

生物にとって必要なタンパク質が足りないのである。

タンパク質は、筋肉、皮膚、血液などを作るのに必要なので、何らかの形で摂取する必要がある。

つまり、カッパはどのようにタンパク質を摂っているかが論点となる。

動物が普段何を食べているかは糞を調べればわかるが、カッパの糞についての記録はあまり聞かない。

きっと糞をすると臭いで天敵に見つかってしまうので、見つからない場所で糞をしているのだろう。

いやー、徹底してるなー。

糞が見つからない以上、口の形で考察するしかない。

例えば、チョウの口はストローのような形で、花の蜜を吸うために進化している。

猫のような肉食動物は肉を噛み切れるように犬歯が発達しており、馬のような草食動物は、草をすりつぶせるように臼歯が発達している。

このように、口の形を見れば何を食べるかある程度予測がつく。

カッパはどうだろうか?

カッパにはクチバシがある個体とない個体があるので、ここではクチバシがある個体について言及する。

参考に、同じクチバシを持つ鳥について考える。

木の実や昆虫を食べる小型の鳥のクチバシは、太く短い。

魚を食べるカワセミやサギなどのクチバシは、細く長い。

肉食のワシ、タカ、フクロウなどのクチバシは、獲物を逃がさないように先端がとがっている。

カッパ(のイメージ)のクチバシを見ると、肉を食べられるほどはとがってはおらず、木の実、昆虫、魚くらいであれば食べられそうだ。

ここで、2つの説を考えた。

1.実は昆虫、魚も食べる

きゅうり畑で目撃されることが多いので「きゅうりが好き」という先入観が形成された説だ。

ウサギはニンジンが好物というイメージがあるがニンジン以外も食べる。

同様に、カッパは昆虫や魚も食べるが、きゅうりが好物であるとされている可能性がある。

2.腸内細菌が必要な栄養素を補っている

こちらは、本当にきゅうりだけで補っているケースだ。

例えば、馬や牛のような草食動物は、草しか食べないのに大きなエネルギーを生み出せる。

これは腸内細菌の活躍によるものだ。

腸内細菌は腸に入ってきた食物繊維をタンパク質など他の物質に変える。

そうでなければ、草しか食べない牛があそこまで筋骨隆々な説明がつかない。

カッパも牛ほどではないが、同じように腸内細菌によって栄養素を補っていると思われる。



・甲羅

言い伝えによっては甲羅を持つ個体も持たない個体もいるが、この項目では甲羅を持つ個体について言及する。

甲羅を形成するのにも栄養素が必要だが、上記の1.2.の説のどちらでも説明がつくので、栄養面については問題ない。

問題は甲羅の役割だ。

甲羅は天敵から身を守るのに役立つ。

カッパも他の肉食動物に食べられてしまうのだろうか?

他に甲羅を持つ代表的な生物はカメだろう。

思わず「カッパはカメみたいに体を甲羅にしまえないから意味ないじゃんw」とツッコむ読者もいるだろうが、そこは待ってほしい。

実は、カメの中でも体を甲羅にしまえるのは一部のカメだけで、ウミガメなどしまえないカメも存在する。

海では浮力のため、甲羅の重さによって動きが鈍くなることはないが、陸上では甲羅の重さのせいで動きが鈍くなり、敵に襲われるリスクが上がる。

そこで、陸上のカメは全身を硬い甲羅にしまう防御技を身につけたのである。

よって、川や沼に住むカッパが甲羅を持つのは不自然ではない。

ちなみに、カメの天敵はワニ、サメなどの肉食動物。

小型のカメであればネコ、カラスなどが天敵となる。

しかし、カッパの生息地である日本の川や沼にワニ、サメはいない(海にはいる)。

カッパは人間の子供から大人くらいの大きさなので天敵はいなさそうである。

やっぱり甲羅は無駄じゃないか!

いや、待て!人間に相撲に勝つためのおもりとしての役割があるじゃないか!

しかし、それは生きる上で必要なのか?

むしろ、背中についている甲羅の重さによって転んでしまい、相撲に負けやすくなっていると思うのだが。

うーむ、だんだん怪しくなってきた。



・皿

なんだよ皿って。

皿を持つ生物なんて他に聞いたことないぞ。

一応、人の膝にも皿と呼ばれる部分があるが、意味が全く違う。

カッパの頭にある皿は、水を定期的に受けないと干からびてしまう。

また、割れると衰弱、あるいは死亡してしまうという臓器だ。

もしかすると頭にある皿は水分不足かどうかの指標となるのではないかと思う。

人間でいうと、舌を見るだけで健康状態を見るようなものだ。

さらに、皿から水を浴びると言われているので、皿からでも水を吸収できると思われる。

これは特に驚く話ではない。

塗り薬を皮膚に塗ると浸透するように、ある程度の成分は皮膚からでも吸収できる。

しかし、弱点を晒すのは残念なのではないかと思う。

人間は転んで頭をぶつけたからといって必ずしも死ぬわけではない。

それは、人間の弱点である脳が、頭蓋骨、皮膚、髪の毛という二重三重のバリアに守られているからだ。

一方、カッパの皿にはそれらのバリアがない。

一回転ぶだけで命の危険にさらされる。

相撲をとるなんて自殺行為である。

しかも、甲羅を背負っているのでさらに転びやすい。

そんなカッパには、ぜひ四足歩行をお勧めする。



いかがだっただろうか。

しかし、残念な生物は実際にいくらでもいる。

例えば、ツチブタという生き物は土の中で生活しているが、頭蓋骨が柔らかく、頭をぶつけると死ぬ。

バビルサという猪は、牙が伸びすぎて頭蓋骨に牙が刺さって死ぬ。

どんな生物でもいてもおかしくないところが生物の魅力でもある。
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