2 / 37
波乱の三学期
第2話 チワワは懐きません
次の日、佐藤はマスクをして登校していた。
成績上位者であるので、高等部入学から寮は最上階の個室だ。部屋で朝食を済ませ、作った弁当を持って一人で登校する。入学式からずっとそうしている。
教室に入るのも、ある程度人が集まってからなので、変に誰かに絡まれるとかは全くなかった。
休み時間は一人でスマホを、いじっているため誰とも話なんてしていない。
昼休みは、弁当を持ってどこかに行ってしまうため、クラスメイトも佐藤の行動を把握はしていなかった。
そのせいで、現会長は二回も佐藤のクラスを訪問する羽目になった。
メアドか番号でも、知っていればこんなことにはならなかったのだが、初日に聞き忘れたせいだ。
「佐藤」
弁当箱を、手に教室に戻ってきた佐藤を現会長が呼び止めた。
(なんでマスク?)
佐藤の顔を見て、現会長は内心舌打ちをしたくなった。一瞬でマスクをしている理由を理解した。
「何か、御用ですか?」
佐藤は立ち止まって聞き返す。
「今日は…」
「ああ、もう少しわけないですが、風邪をひいてしまったようです。役員の皆さんは受験を控えていらっしゃるでしょうから、うつすといけないので今日は控えさせていただきます」
スラスラと言ってのけるが、とても風邪を引いているようには感じない声だった。
「俺はもう推薦で決まっているから、寮の俺の部屋に来い」
「御遠慮します」
即答だった。
「引き継ぎしないつもりか?」
少し苛立った声で現会長がいうと、周りにいる生徒たちの視線が集まった。
「べつに、そんなに急いでしなくてもいいでしょう?総会で承認されなかったら俺は会長にはならないんですから」
佐藤の言い方に、周りの空気が固まった。
「どういう意味だ」
「そのままですよ」
しっかりと現会長を見据えて佐藤は答えた。
「承認される自信がないのか?」
「逆ですよ。承認されない自信がある」
佐藤の言い方に、現会長は一瞬頭に血が登った。が、これでは昨日と同じだと思い直して軽い舌打ちにとどまった。
けれど、その舌打ちは確実に周りの生徒の耳に入った。
「もう、予鈴なってますよ」
佐藤は自分の置かれている状況が分かっていないのか、そんなことを言った。
「……分かった」
現会長はそのまま立ち去った。それを見届けると、佐藤も教室に入っていった。予鈴がなってしまった以上、佐藤に何かをしたいと思った生徒も自分の教室に戻るしかない。
教室で、自分の席に着いた佐藤に向かって、前の席の生徒が口を開いた。
「お前、会長の親衛隊に粛清されるぞ」
「それは面白いね」
表情を全く変えずに佐藤は答えると、五時間目の授業の用意を机に出した。
放課後、本当に佐藤は生徒会室に顔を出さず、寮に向かって歩いていた。しかも一人で。昼休みの突発事項であったがために、風紀委員の手配が間に合わなかったのだ。
佐藤はあえて人気のない道を選んで歩いていた。
自分の身に粛清が、来るならそれはそれで面白いと思っていたからだ。だからあえてそういう風にしてあげた。
昼休みのやり取りを知って、親衛隊でも血の気の多い連中が上への確認もせずに動いたのだろう。
佐藤は周りに誰かがいることをしっかりと把握していた。
風邪を引いた割に、佐藤は軽装だった。そもそもコートを着ていない。マフラーも手袋も身につけていないで、風邪を引いているとはなんとも無防備だ。
(七人、いや八人かな?)
前後の人数を数えながら歩いていたが、相手も急いだ割には数が揃ったものだと感心する。
呼び出しには応じないだろうから、帰宅時を狙う。
突然前に二人現れたが、佐藤は別段驚いた風もなかった。
道を塞がれた感じもしないので、そのまま無視して通り過ぎるのもありだな。と思ったのか、佐藤は立ち止まらずにそのまま進む。
「待てよ」
在り来りのセリフを言って、佐藤の肩を掴んできた。
「何か、御用で?」
恐らく先輩と推測してそれなりの言葉を返す。
「用があるから呼び止めたんだよ」
それが合図かのように、他の生徒が姿を表した。
(やっぱり八人か)
間違っていなかったと安堵して、この先の展開を素早く考える。
「お前、会長に向かって随分な態度をとっていたな」
後ろからそう言われたけれど、佐藤は振り返らなかった。
「どういう態度をとるかは、俺の自由だ」
面倒臭いな。というのが本音なのだが、分からせないと長引くのはわかっている。
仕方なく、佐藤はカバンを置くと行動を開始した。
目の前の二人はすぐに沈めた。
相手がこれに反応する前に次に近いヤツを一撃で沈める。
(これで三人)
困った事に、武器を持ったのが二人いた。佐藤は軽く舌打ちをしながらも、それらを躱して重い一撃を確実に当てていく。
(あと三人か…)
少し離れたところにいた残りの三人との距離が縮んでいた。相手も本気なら走っては来るわけなのだが。
三人同時に殴りかかってきたのをこれ幸いと、狙いを一人に定めれば、中心から抜け出すのは簡単だった。倒れた一人に躊躇もした残りの動きが一瞬止まれば、そこに躊躇なく蹴りを入れればそれで終わりだ。
(見つかる前に退散だな)
置いたカバンを手に取ると、向こうから複数の足音が聞こえてきた。
駆け寄る彼らがたどり着く前に、佐藤はカバンを持ってその場を去っていた。
「あ、ああっ」
現場に着いたのは風紀委員の三人だった。
「佐藤は、いないな」
倒れた八人を見て、ひとりが呟く。
顔を一通り確認するが、風紀のラインできたターゲットの顔はなかった。
「こいつらどうします?」
「風紀のお仕置部屋に連行」
倒れている八人は、襟首を掴まれて無理矢理立たされ、そのまま風紀委員に連れていかれた。
「会長いるか?」
生徒会室の扉がたたかれ、外からでかい声がした。
「風紀委員長の声ですね」
神山が作業中の現会長の顔を見る。
「特に連絡は来ていないが」
現会長はスマホをみて、メールが来ていないこと確認する。
「開けろ、風紀の桜木だ」
「はーい、今開けますよ」
目配せをしながら神山が扉を開けた。
「連絡無しで悪かったな」
開けられた扉から、全くそうは感じさせない顔で桜木が入ってきた。
「どんな用件だ?」
現会長がそう言うと、桜木は片眉を上げて怪訝な顔をした。
「おいおい、会長様よ、自分で着火剤投げといて随分な言い様だな」
桜木の言い方に、今度は現会長が片眉を上げる。
「お前、まさかとは思うけど今日の昼休みの一件は、どうでもいいことだとでも?」
桜木の一言で、下総が顔を上げた。
「え?何があったの?」
昼休みの一件は一年の廊下で起きたため、三年生と二年生はまだ噂も届いていなかった。
「会長様よぉ、一年の廊下であれだけの騒ぎを起こしておいて、俺ら風紀に何も連絡なしとは随分なんじゃねーの?」
桜木の言い分だと、今日の昼休みに一年の廊下で現会長がなにか騒ぎを起こした。という事しか分からない。
「会長、何がありましたか?」
珍しく副会長が口を開いた。
「佐藤と」
現会長が口を開いた途端、神山が詰め寄る。
「そうだ、佐藤くんなんで来てないの?」
『「俺はもう推薦で決まっているから、寮の俺の部屋に来い」
「御遠慮します」
「引き継ぎしないつもりか?」
「べつに、そんなに急いでしなくてもいいでしょう?総会で承認されなかったら俺は会長にはならないんですから」
「どういう意味だ」
「そのままですよ」
「承認される自信がないのか?」
「逆ですよ。承認されない自信がある」
「チッ」』
桜木がスマホから音声だけを流した。
「こんなやり取りを堂々としておきながら、何も起こらないと思っていたのか?会長様は」
桜木に詰め寄られて、現会長は眉根を寄せて桜木をみた。
「佐藤君は風邪をひいたと聞きましたけど?」
下総が先ほど再生された会話の前の部分を補足する。
「え、ちょっと待ってよ。何あの会話」
神山が慌てるのを他の役員がなだめた。
「会長、こんなことを我々に報告しないのは何故ですか?それに、佐藤くんは親衛隊がいません。会長であるあなたと、こんなやり取りをしたのがあなたの親衛隊にバレたら、佐藤くんの身に危険が及ぶとは、考えませんでしたか?」
副会長が冷静に問うと、さすがに現会長の顔が曇った。
「すでに事は起こったんだよ」
桜木が、苛立ちながら言うと、生徒会役員の視線が集まった。
「え、じゃあ、佐藤くん、は?」
神山の顔から血の気が引いていく。
無表情で無気力そうに見える外見で、少々小柄な彼は、本人が否定してもこの学園ではチワワ属性だ。
「会長の親衛隊に、粛清された?」
副会長が決定的な一言を言うが、桜木は首を横に振った。
「素晴らしいことに、佐藤は無傷だ」
「え?」
「現場に駆けつけた風紀によると、会長の親衛隊八名が倒れていた。との報告が今、上がった」
桜木がスマホを見ながら話した。
「じゃあ、佐藤くんは?」
「現場には佐藤の姿はなかったらしい。ただ、走り去る生徒が一名いたそうだ」
桜木の話を聞いて、生徒会役員に安堵が広がったが、神山だけが会長の胸ぐらを掴んでいた。
「ねぇ、ちょっと説明してよ」
慌てて副会長が神山を諌めてソファーに座らせた。
「会長様よ、ちゃんと自分の親衛隊に説明しておくんだな。でないと、佐藤は風紀がもらうことになるぜ」
桜木は不敵に笑って生徒会室を後にした。
桜木が立ち去ったあと、役員の視線が現会長に集まった。
「会長、説明を求めます」
副会長が静かに告げた。
成績上位者であるので、高等部入学から寮は最上階の個室だ。部屋で朝食を済ませ、作った弁当を持って一人で登校する。入学式からずっとそうしている。
教室に入るのも、ある程度人が集まってからなので、変に誰かに絡まれるとかは全くなかった。
休み時間は一人でスマホを、いじっているため誰とも話なんてしていない。
昼休みは、弁当を持ってどこかに行ってしまうため、クラスメイトも佐藤の行動を把握はしていなかった。
そのせいで、現会長は二回も佐藤のクラスを訪問する羽目になった。
メアドか番号でも、知っていればこんなことにはならなかったのだが、初日に聞き忘れたせいだ。
「佐藤」
弁当箱を、手に教室に戻ってきた佐藤を現会長が呼び止めた。
(なんでマスク?)
佐藤の顔を見て、現会長は内心舌打ちをしたくなった。一瞬でマスクをしている理由を理解した。
「何か、御用ですか?」
佐藤は立ち止まって聞き返す。
「今日は…」
「ああ、もう少しわけないですが、風邪をひいてしまったようです。役員の皆さんは受験を控えていらっしゃるでしょうから、うつすといけないので今日は控えさせていただきます」
スラスラと言ってのけるが、とても風邪を引いているようには感じない声だった。
「俺はもう推薦で決まっているから、寮の俺の部屋に来い」
「御遠慮します」
即答だった。
「引き継ぎしないつもりか?」
少し苛立った声で現会長がいうと、周りにいる生徒たちの視線が集まった。
「べつに、そんなに急いでしなくてもいいでしょう?総会で承認されなかったら俺は会長にはならないんですから」
佐藤の言い方に、周りの空気が固まった。
「どういう意味だ」
「そのままですよ」
しっかりと現会長を見据えて佐藤は答えた。
「承認される自信がないのか?」
「逆ですよ。承認されない自信がある」
佐藤の言い方に、現会長は一瞬頭に血が登った。が、これでは昨日と同じだと思い直して軽い舌打ちにとどまった。
けれど、その舌打ちは確実に周りの生徒の耳に入った。
「もう、予鈴なってますよ」
佐藤は自分の置かれている状況が分かっていないのか、そんなことを言った。
「……分かった」
現会長はそのまま立ち去った。それを見届けると、佐藤も教室に入っていった。予鈴がなってしまった以上、佐藤に何かをしたいと思った生徒も自分の教室に戻るしかない。
教室で、自分の席に着いた佐藤に向かって、前の席の生徒が口を開いた。
「お前、会長の親衛隊に粛清されるぞ」
「それは面白いね」
表情を全く変えずに佐藤は答えると、五時間目の授業の用意を机に出した。
放課後、本当に佐藤は生徒会室に顔を出さず、寮に向かって歩いていた。しかも一人で。昼休みの突発事項であったがために、風紀委員の手配が間に合わなかったのだ。
佐藤はあえて人気のない道を選んで歩いていた。
自分の身に粛清が、来るならそれはそれで面白いと思っていたからだ。だからあえてそういう風にしてあげた。
昼休みのやり取りを知って、親衛隊でも血の気の多い連中が上への確認もせずに動いたのだろう。
佐藤は周りに誰かがいることをしっかりと把握していた。
風邪を引いた割に、佐藤は軽装だった。そもそもコートを着ていない。マフラーも手袋も身につけていないで、風邪を引いているとはなんとも無防備だ。
(七人、いや八人かな?)
前後の人数を数えながら歩いていたが、相手も急いだ割には数が揃ったものだと感心する。
呼び出しには応じないだろうから、帰宅時を狙う。
突然前に二人現れたが、佐藤は別段驚いた風もなかった。
道を塞がれた感じもしないので、そのまま無視して通り過ぎるのもありだな。と思ったのか、佐藤は立ち止まらずにそのまま進む。
「待てよ」
在り来りのセリフを言って、佐藤の肩を掴んできた。
「何か、御用で?」
恐らく先輩と推測してそれなりの言葉を返す。
「用があるから呼び止めたんだよ」
それが合図かのように、他の生徒が姿を表した。
(やっぱり八人か)
間違っていなかったと安堵して、この先の展開を素早く考える。
「お前、会長に向かって随分な態度をとっていたな」
後ろからそう言われたけれど、佐藤は振り返らなかった。
「どういう態度をとるかは、俺の自由だ」
面倒臭いな。というのが本音なのだが、分からせないと長引くのはわかっている。
仕方なく、佐藤はカバンを置くと行動を開始した。
目の前の二人はすぐに沈めた。
相手がこれに反応する前に次に近いヤツを一撃で沈める。
(これで三人)
困った事に、武器を持ったのが二人いた。佐藤は軽く舌打ちをしながらも、それらを躱して重い一撃を確実に当てていく。
(あと三人か…)
少し離れたところにいた残りの三人との距離が縮んでいた。相手も本気なら走っては来るわけなのだが。
三人同時に殴りかかってきたのをこれ幸いと、狙いを一人に定めれば、中心から抜け出すのは簡単だった。倒れた一人に躊躇もした残りの動きが一瞬止まれば、そこに躊躇なく蹴りを入れればそれで終わりだ。
(見つかる前に退散だな)
置いたカバンを手に取ると、向こうから複数の足音が聞こえてきた。
駆け寄る彼らがたどり着く前に、佐藤はカバンを持ってその場を去っていた。
「あ、ああっ」
現場に着いたのは風紀委員の三人だった。
「佐藤は、いないな」
倒れた八人を見て、ひとりが呟く。
顔を一通り確認するが、風紀のラインできたターゲットの顔はなかった。
「こいつらどうします?」
「風紀のお仕置部屋に連行」
倒れている八人は、襟首を掴まれて無理矢理立たされ、そのまま風紀委員に連れていかれた。
「会長いるか?」
生徒会室の扉がたたかれ、外からでかい声がした。
「風紀委員長の声ですね」
神山が作業中の現会長の顔を見る。
「特に連絡は来ていないが」
現会長はスマホをみて、メールが来ていないこと確認する。
「開けろ、風紀の桜木だ」
「はーい、今開けますよ」
目配せをしながら神山が扉を開けた。
「連絡無しで悪かったな」
開けられた扉から、全くそうは感じさせない顔で桜木が入ってきた。
「どんな用件だ?」
現会長がそう言うと、桜木は片眉を上げて怪訝な顔をした。
「おいおい、会長様よ、自分で着火剤投げといて随分な言い様だな」
桜木の言い方に、今度は現会長が片眉を上げる。
「お前、まさかとは思うけど今日の昼休みの一件は、どうでもいいことだとでも?」
桜木の一言で、下総が顔を上げた。
「え?何があったの?」
昼休みの一件は一年の廊下で起きたため、三年生と二年生はまだ噂も届いていなかった。
「会長様よぉ、一年の廊下であれだけの騒ぎを起こしておいて、俺ら風紀に何も連絡なしとは随分なんじゃねーの?」
桜木の言い分だと、今日の昼休みに一年の廊下で現会長がなにか騒ぎを起こした。という事しか分からない。
「会長、何がありましたか?」
珍しく副会長が口を開いた。
「佐藤と」
現会長が口を開いた途端、神山が詰め寄る。
「そうだ、佐藤くんなんで来てないの?」
『「俺はもう推薦で決まっているから、寮の俺の部屋に来い」
「御遠慮します」
「引き継ぎしないつもりか?」
「べつに、そんなに急いでしなくてもいいでしょう?総会で承認されなかったら俺は会長にはならないんですから」
「どういう意味だ」
「そのままですよ」
「承認される自信がないのか?」
「逆ですよ。承認されない自信がある」
「チッ」』
桜木がスマホから音声だけを流した。
「こんなやり取りを堂々としておきながら、何も起こらないと思っていたのか?会長様は」
桜木に詰め寄られて、現会長は眉根を寄せて桜木をみた。
「佐藤君は風邪をひいたと聞きましたけど?」
下総が先ほど再生された会話の前の部分を補足する。
「え、ちょっと待ってよ。何あの会話」
神山が慌てるのを他の役員がなだめた。
「会長、こんなことを我々に報告しないのは何故ですか?それに、佐藤くんは親衛隊がいません。会長であるあなたと、こんなやり取りをしたのがあなたの親衛隊にバレたら、佐藤くんの身に危険が及ぶとは、考えませんでしたか?」
副会長が冷静に問うと、さすがに現会長の顔が曇った。
「すでに事は起こったんだよ」
桜木が、苛立ちながら言うと、生徒会役員の視線が集まった。
「え、じゃあ、佐藤くん、は?」
神山の顔から血の気が引いていく。
無表情で無気力そうに見える外見で、少々小柄な彼は、本人が否定してもこの学園ではチワワ属性だ。
「会長の親衛隊に、粛清された?」
副会長が決定的な一言を言うが、桜木は首を横に振った。
「素晴らしいことに、佐藤は無傷だ」
「え?」
「現場に駆けつけた風紀によると、会長の親衛隊八名が倒れていた。との報告が今、上がった」
桜木がスマホを見ながら話した。
「じゃあ、佐藤くんは?」
「現場には佐藤の姿はなかったらしい。ただ、走り去る生徒が一名いたそうだ」
桜木の話を聞いて、生徒会役員に安堵が広がったが、神山だけが会長の胸ぐらを掴んでいた。
「ねぇ、ちょっと説明してよ」
慌てて副会長が神山を諌めてソファーに座らせた。
「会長様よ、ちゃんと自分の親衛隊に説明しておくんだな。でないと、佐藤は風紀がもらうことになるぜ」
桜木は不敵に笑って生徒会室を後にした。
桜木が立ち去ったあと、役員の視線が現会長に集まった。
「会長、説明を求めます」
副会長が静かに告げた。
あなたにおすすめの小説
風に立つライオン
壱(いち)
BL
BL非王道全寮制学園の生徒会役員の主人公。王道転入生によって学校内の秩序や生徒会の役割だとかが崩壊した。金、地位、名誉、名声、権力、全てを手にしている者になったつもりでいたのは誰だったのか。
王道を脇役に主人公は以前出会った生徒会長の父との再会、恋人だった義父の病んでそうなカンジに眩暈がしそうだった。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
孤独な蝶は仮面を被る
緋影 ナヅキ
BL
とある街の山の中に建っている、小中高一貫である全寮制男子校、華織学園(かしきのがくえん)─通称:“王道学園”。
全学園生徒の憧れの的である生徒会役員は、全員容姿や頭脳が飛び抜けて良く、運動力や芸術力等の他の能力にも優れていた。また、とても個性豊かであったが、役員仲は比較的良好だった。
さて、そんな生徒会役員のうちの1人である、会計の水無月真琴。
彼は己の本質を隠しながらも、他のメンバーと各々仕事をこなし、極々平穏に、楽しく日々を過ごしていた。
あの日、例の不思議な転入生が来るまでは…
ーーーーーーーーー
作者は執筆初心者なので、おかしくなったりするかもしれませんが、温かく見守って(?)くれると嬉しいです。
学生のため、ストック残量状況によっては土曜更新が出来ないことがあるかもしれません。ご了承下さい。
所々シリアス&コメディ(?)風味有り
*表紙は、我が妹である あくす(Twitter名) に描いてもらった真琴です。かわいい
*多少内容を修正しました。2023/07/05
*お気に入り数200突破!!有難う御座います!2023/08/25
*エブリスタでも投稿し始めました。アルファポリス先行です。2023/03/20
世話焼き風紀委員長は自分に無頓着
二藤ぽっきぃ
BL
非王道学園BL/美形受け/攻めは1人
都心から離れた山中にある御曹司や権力者の子息が通う全寮制の中高一貫校『都塚学園』
高等部から入学した仲神蛍(なかがみ けい)は高校最後の年に風紀委員長を務める。
生徒会長の京本誠一郎(きょうもと せいいちろう)とは、業務連絡の合間に嫌味を言う仲。
5月の連休明けに怪しい転入生が現れた。
問題ばかりの転入生に関わりたくないと思っていたが、慕ってくれる後輩、風紀書記の蜂須賀流星(はちすか りゅうせい)が巻き込まれる______
「学園で終わる恋愛なんて、してたまるか。どうせ政略結婚が待っているのに……」
______________
「俺は1年の頃にお前に一目惚れした、長期戦のつもりが邪魔が入ったからな。結婚を前提に恋人になれ。」
「俺がするんで、蛍様は身を任せてくれたらいいんすよ。これからもずっと一緒っすよ♡」
♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢
初投稿作品です。
誤字脱字の報告や、アドバイス、感想などお待ちしております。
毎日20時と23時に投稿予定です。
高塚くんと森くん
うりぼう
BL
顔だけが取り柄の高塚くん。
ごくごく普通の高校生の森くん。
「好きなんだ、オレと付き合って」
「え、嫌だ」
そこから始まる二人のお話。
基本一話完結。
本編完結済み
随時小話更新予定です。
※BL
※受け大好き
※攻め半分変態
※R15というほどR15表現はありません
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品