生徒会総選挙が事実上人気投票なのって誰得か説明してくれ

久乃り

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2年生始まりました

第28話 結果を見るか、これから見るか

「俺でも施錠は出来るんだが?」

 二階堂が帰って、神山と元会長を見送って、それでもまだ18時まで時間はあった。

「会長だけを残していいの?」
 佐々木が素朴な疑問を口にした。

「ダメなことはないだろ?元会長だって、結構一人で事務処理してたぞ」

 佐藤がそう言うと、何となく前年度を思い出してみんな何となく納得した。

「俺としては、藤崇さんも残る方が不安」
 相葉がそう言うと、藤崇は大袈裟に反応した。

「やだなぁ、学びの場所で変なことはしないよ」

 藤崇が笑っていうのが胡散臭いが、ここはみんな大人しく帰宅することにした。

 ───────

「相葉くんは藤崇さんと、面識があるんだ」
 下総が歩きながら相葉に問う。
「小等部の頃からいるからなぁ、月イチで会ってたよ」
「頻繁に来てくれてたんだ」
「違う、ユーヤが、悪ガキすぎて」

 相葉が、即座に否定した。しかもその内容に下総は口を開けたままになる。

「まぁ、今の感じからすると納得できるけど」
 佐々木が口を挟む。

「小等部だからさぁ、本当に退屈だったんだよ。ユーヤと昭彦が積極的に悪さして、先生が来ると俺を隠してくれてた」
「それって?」
「俺の実家が遠いの知ってるから」

 佐藤なりの優しさなのだろう。呼び出されても来るのは親ではない佐藤が怒られれば問題ないとしていたのだろう。昭彦の家だって、来るのは親ではない。それでも、佐藤が代表して怒られていた。

「なんで悪ガキ佐藤くんがあーなったの?」
「金の稼ぎ方を藤崇さんが教えたからだと思う」
「株のこと?」
「多分、そう。小六の終わりあたりから頭黒くなって、スマホを複数持ち始めたから」
 相葉が思い出しながら話す。
「そう、中等部に入ったら名前が佐藤になってた」

 思い出したように相葉が言った。中等部に上がったら黒くなってて、名前が変わってたから入学式でシレッと代表挨拶したのに気づかなかったのだ。

「会長になって再デビューかぁ」
 遠山が楽しそうに言ってきた。
「猫かぶるの辞めたんだよ。自分で稼いでるし、藤崇さんが保護者になったから」
「そんなに実家が嫌だったんだ?」
「そりゃあ、ね。何年ここに閉じ込められてると思う?」

 相葉がゆったりとした口調で言うから、遠山は改めて考えた。佐藤もだけど、相葉も実家が嫌いなんだろう。
 そんなことを話しながら、生徒会役員は寮へと帰って行った。

 ───────

「ふじくんは、生徒会室には思い出あるの?」
「当時の会長の親衛隊の在り方についてケチつけに何回かきてるってぐらいだな」

 ソファーに腰かけたまま室内を見渡して、藤崇はそう答えた。

「備品が随分変わってるよ。俺の頃はパソコンがこんなになかったし」

 書記用のノートパソコンをなでならが藤崇は言う。風紀の、緑色の腕章は変わってないそうだ。

「生徒会役員と風紀委員って仲悪いのが伝統?」
「俺の頃は露骨に良いとこの坊ちゃんが生徒会役員になって、それに反発する生徒が風紀に入る。って構図だったなぁ」
「人気投票だった?」
「うん、そう。金があって顔が良くて成績の良い奴が生徒会役員に選ばれる。持ってるやつが更に持つんだ」
「じゃあ俺は完全にイレギュラー」
「裕哉は自分で手に入れたのを持ってるだろ?」

 藤崇が頭を撫でてくれた。
 居場所をくれたのはふじくんだけどね。

 ───────

「新歓の鬼ごっこ、佐藤も参加するぞ」
 進学祝いの車のドアを開けてから、言ってきた。

「佐藤くんは去年の勝者だからね」
 神山が付け足してきて、ようやく理解出来た。

「逃げる方?」
「そう、生徒会役員は逃げる方で参加するの」
「役員自体が景品みたいなもんだ」
 言われて、自分の兄が逃げる姿を想像した。

「三年間、逃げきれた奴はいない。俺みたいにデカいと目立つからな」
「二階堂はチワワちゃんたちに取り囲まれてたもんね」

 なるほど、ひ弱なチワワたちに囲まれては、力技で逃げられないということか。

「あ、司会してたから不参加だよ」

 神山が付け足してきて、納得した。役員でも参加しなくていい。それはつまり、風紀の二、三年は参加しないということだ。

「お前は、俺のせいでハンデがあるだろうけれど、風紀になったのなら逃げ切るんだな」

 大きな手のひらが頭を撫でた。久しぶりの感触が気恥しい。

「佐藤の事だから、面白い景品を用意するだろうな」

 景品は当日発表される。毎年食券五万円分があるそうだ。その他に用意する物にその年の生徒会役員のセンスが問われるとかで。

「次は文化祭かな?またね、文彦くん」

 当たり前のように助手席に座る神山のために、ドアを閉める兄を見て、佐藤が言っていたのを思い出した。

「だからモテる、か」

 既に運転席に、座った兄には聞こえなかったらしい。助手席の神山が手を振るので頭を下げたら車が走り出した。

 ───────

「凄いなこのベッド」

 当たり前に佐藤の部屋にやってきて、藤崇は元会長が、無理やり押し付けて言ったベッドに腰掛けていた。

「デカすぎて邪魔だし、変なオマケも置いていかれた」
「ああ、コレ?」

 露骨に積まれた小箱を持ち上げる。その隣には所謂小瓶もあった。

「使えばいいじゃないか」

 藤崇は小箱を置いて、今度は小瓶に書かれた文字をよむ。

「ちゃんと用意してんだから、悪いやつじゃないよな」

 風紀としての経験から言っているのか、藤崇は妙に感心していた。

「誰に対して使うんだよ」
「下総くんにつけてもらう?」
「何言ってんの」

 佐藤は藤崇の口を手のひらで押した。

「タチも、ネコもつけた方がいいけどな」
「何の話?」
「うん?だからね、旦那も嫁もコレつけた方がいいんだよ、色々」
「防水シーツがなくても汚れない?ってこと?」
「まぁ、そーゆー事。感染防止としてもつけた方がいい」

 何気に藤崇が真面目なことを言うから、佐藤も真面目にきいてしまった。

「解す時も指にはめた方がいいんだけどね。内蔵だし」

 そう言って、藤崇が指にはめたりするから、佐藤は若干引いてしまった。だって、指の動きが。

「付け方教えてやるよ」

 そんなことを言って、佐藤をベッドに引き倒す。

「いらないっ」

 拒否をしたかったのに、佐藤はシーツの上にいた。嬉しそう藤崇が佐藤を転がす。抵抗してもいいけれど、どのみち負けるのはわかっているからあえてしない。そもそも、こんなこと教えてくれる人なんて普通はいない。知っておいて損はない。むしろ知らない方が後々恥かく可能性があるだろう。

「妊娠しないからって、男同士でつけないのは良くない」

 藤崇は楽しそうに小袋を一つ、佐藤の鼻先にチラつかせた。

「ある程度大きくならないと付けられないんだけど」
 そう言って、あっさりと佐藤を脱がしにかかる。

「ちょっ、また…そーゆー」

 佐藤も一応、そこは抵抗してみた。けど、寝ているからあっさりと下は脱がされた。

「ふふ、期待してる?」
 藤崇の手がやんわりと佐藤自身を掴んだ。

「…しってないっ」

 声が跳ねたのは、藤崇が手を動かしたから。大きな手が、下から全体をすくい上げるように動いた。重量に従いたいモノを、それに逆らうように指が支えている。しかも撫でるように動くではないか。

「今日もかわいい」

 うえから眺める藤崇は、嬉しそう笑って近づいてきた。何となく分かってしまったので、佐藤は首を横にした。
「あ、コラ」
 佐藤に落ちないように腕を着いているから、藤崇は手が使えない。限界まで近づいて入るけれど、横を向かれて到達点がズレた。

 それでも

「っ…うっ」

 ゾワゾワとした感じと、くすぐったい感じが同居している。横を向けは短くした髪から耳が晒される。唇を落とす場所が変わっただけで、藤崇は特に気にしない。

 柔らかな部分を甘噛みして、舌を這わせて軽く吸う。輪郭に沿って舐めたあとは、入れられる穴に舌を射し込むだけだ。むしろこっちの方がいい。
 ゆっくりと身体全体で押さえつけてから、仕事のなくなった片手を、後頭部からゆっくりと下へと動かす。パーカーのフードが邪魔だけど、そのせいで一度項に手が止まる。軽くなぞれば小さく身動ぎするのがよく見えた。

 今度は、首と顎の境目辺りから、舌を這わせる。全体で舐めとるのではなく、少し尖らせて輪郭をなぞるようにすれば、小さな身体が更に小さくなった。
 しばらく項を撫でていた手を止めて、腰の辺りからパーカーの中に滑り込ませる。鍛えているから腰周りもしっかりと筋肉がある。細すぎない代わりにそのラインに沿って滑らかに手が動く。

「…っん……んん」

 輪郭に沿った舌を、そのまま耳の穴へとゆっくり射し込む。最後にグッと押し込むと、逃げるように首を竦めるのが見えた。逃げ場などないのに。
 それを何度も繰り返していると、手の中にいる佐藤がしっかりと反応を示してきた。腰を撫で回していた手を背骨に沿って上へと動かす。

「ひゃあああああっ」

 不意打ちにあったのか、背中を弓なりに反らせてきたから、藤崇の手に強く押し付ける結果になってしまった。

「いい反応」

 手のひらにしっかりとした反応を得て、藤崇は満足そうに笑った。
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