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第16話 俺の人権を主張する
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俺の弟の出産祝いは、ハスヴェル公爵家からと、何故か俺とジークフリートの連名で送られていた。俺はこの時点でお外の子扱いになっていたようだ。まぁ、産まれたての赤ん坊を見るのが怖くて実は実家には行っていない。シーリー様が代表としてお祝いの品を持って行ってくれたのだ。
が、さすがに一歳の誕生日ともなると、俺が行かない訳には行かないようで……
「赤ちゃんへのプレゼントなんて何も思いつかない」
俺はジークフリートと一緒に馬車に乗り、誕生日プレゼントを探しに街に出かけていた。
「無難におもちゃとか、絵本がいいと思うのだが」
ジークフリートが、最もらしいことを言ってきた。確かに、在り来りのものでいいとは思う。弟への初めてのプレゼントだ。奇を衒うよりは普通がいいと思う。
が、なんで俺とジークフリート二人で?
俺の弟だよね?なに?ジークフリートからしたら未来の義弟だから?
てか、まだ、顔も見たことがないけれど、シーリー様が言うにはアランに似ているそうだ。アランに似ているって言うことは、男らしいってことか……
「父親似の跡取り息子、ね」
俺は自然と口に出してしまった。もはや皮肉とかそんなレベルではない。俺にとっては残酷な現実なのだ。
「俺の事か?」
隣に座るジークフリートが、わかっているくせにそんなことを口にした。
「ああ、そうでしたね」
俺はジークフリートの事など見ずに答えた。わかっているくせに、そうやって聞き流すのだ。そうやって、大人の振りをして余裕のある態度を取られるとたまらないものがある。
無難に布でできたおもちゃのシリーズを買った。中に鈴や笛が入っていて音が鳴る。前世でも子どもに人気があったと思う。まだ視野が狭いから、音がなった方が刺激になるんだっけ?それでも、俺が前世で見た事のあるおもちゃより、遥かに高級な布のおもちゃであることは間違いなかった。
どうせすぐ開けるのに、綺麗な紙で包まれたプレゼントは、無駄に存在感があった。馬車の座席に載せると、嫌でも目につく。俺は視線を逸らして窓の外をみて実家までの道のりをやり過ごした。
先触れをしていたから、アランとシャロンが揃っていた。まぁ、休日だから当たり前か。
名目上、俺とジークフリートからの誕生日プレゼントは、ジークフリートからアランの手に渡された。
「わざわざありがとう」
アランはすこぶる調子のいい笑顔でジークフリートを見ているが、俺はあえてジークフリートの背中に隠れるように立っていた。約一年ほどとは言え、家の雰囲気が変わっていたから、落ち着かないのだ。
赤ちゃんがいるからか、家の匂いが変わっていた。シャロン好みのお香?の匂いが無くなって、赤ちゃんの匂い、ミルクのような優しく甘い匂いで満たされている。
「お祝いをありがとう」
そうして、赤ちゃんを抱いたシャロンが客間にやってきた。
「わざわざ御足労頂きありがとうございます。ほら、ルーク、お兄様方だよ」
そう言ってシャロンが抱いている赤ちゃんを自分の前に立たせた。シャロンの手を握り危なげない様子で立つその姿は可愛らしい。
「初めましてルーク。私はジークフリート・ハスヴェル」
ジークフリートはわざわざ目線の高さをルークに合わせるように膝をついて挨拶をした。そう言ってジークフリートが手を差し出したから、ルークは反射的にジークフリートの手を掴む。あくまでも反射だ。好意があっての行動ではない。
俺はそれを立ったまま見つめていた。
俺の弟なのに、わざわざ俺が挨拶をするのは変だよな?それに、まだ七歳の俺にとって残酷な存在であることには違いない。普通の子どもなら耐えられないよな?赤ちゃん返りって言葉を聞いたことがあるけれど、貴族だと元から乳母が育てるからそういうことはないのかな?
なんて色んなことを考えていると、ジークフリートが振り返って俺に声をかけてきた。
「どうしたセレスティン?可愛いぞ」
そんなことを言われても、俺はジークフリートのように屈んでルークに近づこうとは思わなかった。確かに可愛らしいけれど、こいつが産まれたせいで、俺は帰る場所を失ったのだ。
どうして若干七歳が、これで実家も安泰だから安心して嫁げます。なんて思う?思うわけが無い。ただ、ただ、俺の居場所を奪ったガキだ。こいつのせいで俺は追い詰められているというのに、どうして祝えるのだろう?
ジークフリートととの婚約がなければ、弟が出来て素直に喜んだだろう。けれど、父親にそっくりな姿かたちをした弟は、俺の居場所を奪い、帰る場所を無くしたのだ。
「もう、用は済んだよね?」
俺の口からは、恐ろしい程に感情のない声が出た。
自分でも驚くぐらいに。
「何を言っている?」
ジークフリートが戸惑った目を俺に向けてきた。俺の言ったことが理解できないのだろう。
「もう、用は済んだよね?帰ろう」
「セレスティン?」
俺はジークフリートの服を引っ張った。何故かそうしてまで早く立ち去りたくて仕方がなかったのだ。
「え?なに?セレスティン?お茶も飲まないつもり?」
ジークフリートが別口で渡したハスヴェル公爵家ご愛用のケーキを、ちょうどメイドが並べたところらしく、シャロンが驚いている。
「帰ろう」
俺はもう一度ジークフリートの服を引っ張った。あの美味しいケーキを食べたいと思えないのだ。あそこに座って、シャロンとアランと向かい合って、その間に座るルークを見ながらなんて想像したくない。
「どうしたんだ、セレスティン?」
そう言って、アランの手が俺の肩に触れた。
「触るなっ」
俺は反射的にアランの手を振り払った。
当然の事ながら、俺の行動にアランが驚いた顔をしている。そんなアランの顔を見て、俺の心臓がギュッとなった。
「すみません。セレスティンが疲れてしまったようなので、本日はこれで」
ジークフリートが俺の腰に手を回し、体を寄せてきた。いつもなら絶対拒否なやつなのに、俺はそのまま流れに身を任せた。
「あ、ああ、そうか……気をつけて、な」
アランが返事をしている。視界の端には俺を睨みつけるようなシャロンの顔が見えた。ソファーに腰かけるシャロンの傍らでは、ルークが不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「ケーキ、ルークくんも食べてもらえるとありがたいです」
ジークフリートはわざわざシャロンの方を向いてそう言った。一歳のルークに果たしてケーキは食べられるのかは俺には分からない。フルーツタルトのフルーツだけなら食べられるのだろうか?前世の記憶だと、離乳食は始まっているだろうから、小さくすれば食べられるのだろうか?俺は漠然とそんなことを考えた。
ジークフリートは、俺の腰に手を回したまま俺を歩かせた。情けない話、俺はどうやって歩いているのか自分でもよく分からないまま馬車に乗り込んだ。多分、いつも通りにジークフリートがエスコートしてくれて馬車に乗り込んだのだろう。
早すぎる帰宅に侍従たちが驚いているようだが、ジークフリートは見送りにでてきた執事になにか告げると直ぐに俺の隣に座った。
馬車がゆっくりと動き出し、ウィンス伯爵邸を後にする。貴族街の景色は別段面白みはない。どごかしこも高い塀に囲まれていて、その奥に整えられた木々が見えるだけだ。俺は両手を膝の上で強く握っていた。
「セレスティン、顔色が悪い横になるか?」
ジークフリートが優しく声をかけてきた。けれど俺の体は強ばっていて動かない。
「っか、えり、たい」
「今帰っている。馬を走らせると揺れが酷くなるから……」
「帰り、たい。ぃえに、帰り、たいよぉ」
自分の視界には握りしめた自分の拳だ。そこにボタボタと水滴が落ちる。
「お、俺の、家、にっ」
嗚咽のように俺の口から漏れた声は、喉に張り付くように上手く出てこなかった。けれど、それこそが俺の本音なのだ。
「セレスティン……」
ジークフリートが俺の事を抱きしめて背中をさすってきた。ジークフリートの掌はなかなか大きくて、ゆっくりと俺の背中を上下した。
「かえ、帰りた、い。帰りたいよぉ」
俺はジークフリートにすがりつき、ただ、同じ言葉を繰り返し口にし続けたのだった。
が、さすがに一歳の誕生日ともなると、俺が行かない訳には行かないようで……
「赤ちゃんへのプレゼントなんて何も思いつかない」
俺はジークフリートと一緒に馬車に乗り、誕生日プレゼントを探しに街に出かけていた。
「無難におもちゃとか、絵本がいいと思うのだが」
ジークフリートが、最もらしいことを言ってきた。確かに、在り来りのものでいいとは思う。弟への初めてのプレゼントだ。奇を衒うよりは普通がいいと思う。
が、なんで俺とジークフリート二人で?
俺の弟だよね?なに?ジークフリートからしたら未来の義弟だから?
てか、まだ、顔も見たことがないけれど、シーリー様が言うにはアランに似ているそうだ。アランに似ているって言うことは、男らしいってことか……
「父親似の跡取り息子、ね」
俺は自然と口に出してしまった。もはや皮肉とかそんなレベルではない。俺にとっては残酷な現実なのだ。
「俺の事か?」
隣に座るジークフリートが、わかっているくせにそんなことを口にした。
「ああ、そうでしたね」
俺はジークフリートの事など見ずに答えた。わかっているくせに、そうやって聞き流すのだ。そうやって、大人の振りをして余裕のある態度を取られるとたまらないものがある。
無難に布でできたおもちゃのシリーズを買った。中に鈴や笛が入っていて音が鳴る。前世でも子どもに人気があったと思う。まだ視野が狭いから、音がなった方が刺激になるんだっけ?それでも、俺が前世で見た事のあるおもちゃより、遥かに高級な布のおもちゃであることは間違いなかった。
どうせすぐ開けるのに、綺麗な紙で包まれたプレゼントは、無駄に存在感があった。馬車の座席に載せると、嫌でも目につく。俺は視線を逸らして窓の外をみて実家までの道のりをやり過ごした。
先触れをしていたから、アランとシャロンが揃っていた。まぁ、休日だから当たり前か。
名目上、俺とジークフリートからの誕生日プレゼントは、ジークフリートからアランの手に渡された。
「わざわざありがとう」
アランはすこぶる調子のいい笑顔でジークフリートを見ているが、俺はあえてジークフリートの背中に隠れるように立っていた。約一年ほどとは言え、家の雰囲気が変わっていたから、落ち着かないのだ。
赤ちゃんがいるからか、家の匂いが変わっていた。シャロン好みのお香?の匂いが無くなって、赤ちゃんの匂い、ミルクのような優しく甘い匂いで満たされている。
「お祝いをありがとう」
そうして、赤ちゃんを抱いたシャロンが客間にやってきた。
「わざわざ御足労頂きありがとうございます。ほら、ルーク、お兄様方だよ」
そう言ってシャロンが抱いている赤ちゃんを自分の前に立たせた。シャロンの手を握り危なげない様子で立つその姿は可愛らしい。
「初めましてルーク。私はジークフリート・ハスヴェル」
ジークフリートはわざわざ目線の高さをルークに合わせるように膝をついて挨拶をした。そう言ってジークフリートが手を差し出したから、ルークは反射的にジークフリートの手を掴む。あくまでも反射だ。好意があっての行動ではない。
俺はそれを立ったまま見つめていた。
俺の弟なのに、わざわざ俺が挨拶をするのは変だよな?それに、まだ七歳の俺にとって残酷な存在であることには違いない。普通の子どもなら耐えられないよな?赤ちゃん返りって言葉を聞いたことがあるけれど、貴族だと元から乳母が育てるからそういうことはないのかな?
なんて色んなことを考えていると、ジークフリートが振り返って俺に声をかけてきた。
「どうしたセレスティン?可愛いぞ」
そんなことを言われても、俺はジークフリートのように屈んでルークに近づこうとは思わなかった。確かに可愛らしいけれど、こいつが産まれたせいで、俺は帰る場所を失ったのだ。
どうして若干七歳が、これで実家も安泰だから安心して嫁げます。なんて思う?思うわけが無い。ただ、ただ、俺の居場所を奪ったガキだ。こいつのせいで俺は追い詰められているというのに、どうして祝えるのだろう?
ジークフリートととの婚約がなければ、弟が出来て素直に喜んだだろう。けれど、父親にそっくりな姿かたちをした弟は、俺の居場所を奪い、帰る場所を無くしたのだ。
「もう、用は済んだよね?」
俺の口からは、恐ろしい程に感情のない声が出た。
自分でも驚くぐらいに。
「何を言っている?」
ジークフリートが戸惑った目を俺に向けてきた。俺の言ったことが理解できないのだろう。
「もう、用は済んだよね?帰ろう」
「セレスティン?」
俺はジークフリートの服を引っ張った。何故かそうしてまで早く立ち去りたくて仕方がなかったのだ。
「え?なに?セレスティン?お茶も飲まないつもり?」
ジークフリートが別口で渡したハスヴェル公爵家ご愛用のケーキを、ちょうどメイドが並べたところらしく、シャロンが驚いている。
「帰ろう」
俺はもう一度ジークフリートの服を引っ張った。あの美味しいケーキを食べたいと思えないのだ。あそこに座って、シャロンとアランと向かい合って、その間に座るルークを見ながらなんて想像したくない。
「どうしたんだ、セレスティン?」
そう言って、アランの手が俺の肩に触れた。
「触るなっ」
俺は反射的にアランの手を振り払った。
当然の事ながら、俺の行動にアランが驚いた顔をしている。そんなアランの顔を見て、俺の心臓がギュッとなった。
「すみません。セレスティンが疲れてしまったようなので、本日はこれで」
ジークフリートが俺の腰に手を回し、体を寄せてきた。いつもなら絶対拒否なやつなのに、俺はそのまま流れに身を任せた。
「あ、ああ、そうか……気をつけて、な」
アランが返事をしている。視界の端には俺を睨みつけるようなシャロンの顔が見えた。ソファーに腰かけるシャロンの傍らでは、ルークが不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「ケーキ、ルークくんも食べてもらえるとありがたいです」
ジークフリートはわざわざシャロンの方を向いてそう言った。一歳のルークに果たしてケーキは食べられるのかは俺には分からない。フルーツタルトのフルーツだけなら食べられるのだろうか?前世の記憶だと、離乳食は始まっているだろうから、小さくすれば食べられるのだろうか?俺は漠然とそんなことを考えた。
ジークフリートは、俺の腰に手を回したまま俺を歩かせた。情けない話、俺はどうやって歩いているのか自分でもよく分からないまま馬車に乗り込んだ。多分、いつも通りにジークフリートがエスコートしてくれて馬車に乗り込んだのだろう。
早すぎる帰宅に侍従たちが驚いているようだが、ジークフリートは見送りにでてきた執事になにか告げると直ぐに俺の隣に座った。
馬車がゆっくりと動き出し、ウィンス伯爵邸を後にする。貴族街の景色は別段面白みはない。どごかしこも高い塀に囲まれていて、その奥に整えられた木々が見えるだけだ。俺は両手を膝の上で強く握っていた。
「セレスティン、顔色が悪い横になるか?」
ジークフリートが優しく声をかけてきた。けれど俺の体は強ばっていて動かない。
「っか、えり、たい」
「今帰っている。馬を走らせると揺れが酷くなるから……」
「帰り、たい。ぃえに、帰り、たいよぉ」
自分の視界には握りしめた自分の拳だ。そこにボタボタと水滴が落ちる。
「お、俺の、家、にっ」
嗚咽のように俺の口から漏れた声は、喉に張り付くように上手く出てこなかった。けれど、それこそが俺の本音なのだ。
「セレスティン……」
ジークフリートが俺の事を抱きしめて背中をさすってきた。ジークフリートの掌はなかなか大きくて、ゆっくりと俺の背中を上下した。
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