高嶺の上司の優しいCommand

久乃り

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その11

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「そんなに怖がらなくて大丈夫。会社から正式に許可が下りているからね」

 芝崎課長はそう言うと、引き出しの中から一つ選んで取り出すと、山本の前で広げて見せた。男性用の下着なのだろうけれど、細い紐に、小さな布面積はいったいどこをどう隠すのか山本にはさっぱり理解ができない構造になっていた。

「さあ、その汚してしまったものを脱いで《Strip》そしてこれを履きなさい」

 出されたCommandはそこまでの強制力は感じない緩い感じのものだった。だが、拒否するつもりはどこにもなく、山本は少し頬を染めながらそのCommandに従った。動きはゆっくりではあるが、芝崎課長の目線を意識しながらゆっくりと指をかけて下におろす。なぜか山本の目線は芝崎課長の方を向いたままだ。

「上手に脱げたね《Good》ではきれいにしよう」

 そう言って芝崎課長は電子レンジで作ったホットタオルで山本の汚れを丁寧にふき取った。その手つきはとても優しく、勘違いを起こせるほどに心地よかった。

「こら、お仕置き中だ。我慢しなさい」

 思わず兆しそうになった山本をやんわりとしかりつける。当然だが、芝崎課長とて男である。程よい温かさのタオルで優しく包み込まれれば、そのような反応になることぐらい当然わかっている。もちろん、この行為がささやかなPlayであることは内緒である。

「は、い」

 山本の内ももが小刻みに震えるのを確認しながら、芝崎課長は両手で優しく支えながら丁寧に扱った。芝崎課長の顔が自分の股間に近すぎて、静かな呼吸をものすごく感じる。タオルが離れた途端、支えを失って外気を感じ取った山本は自然と縮こまる。

「素直でよろしい。さあ、履きなさい」

 差し出された下着を広げてみるが、どこがどうなってどこを隠すものなのか山本にはまったくわからなかった。山本の知識の中にある所謂紐パンと呼ばれるものは、後ろが一本の紐であるのだが、渡された下着はそのような構造にはなっていなかった。とにかく布が少なすぎて、形が分からないのだ。じっくり観察して分かったのは、小さな布がついている方が前で、縫い付けられたレースの向きだ。が、分かったところで山本には理解できなかった。

「どうした?」

 芝崎課長がじっと見つめてそんなことを言うものだから、山本は俯いてしまった。はたして山本の頭の中に浮かんだ形が正解なのか。不安な気持ちのまま、山本はそっと片足をあげ細い紐の中に足首を通した。それからゆっくりと持ち上げ、芝崎課長の顔を確認しながら紐を腰骨のあたりまで持ってきた。
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