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一話 魔獣使い
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今から約百年前。東京に謎の超巨大生物が突如現れる。
その超巨大生物は東京のビルや家々を次々と崩壊させ、東京を半壊へと陥りさせてから、眠るように倒れた。
最初こそ世間をひどく騒がせたが、その物は専門研究チームに部分部分で渡され、研究が行われた。まず分かったのが、この生き物がこの世の生物ではないこと。
DNAがまるで荒れ狂う火のように動いていたのだ。本来ならあり得ない出来事。研究チームはさらに研究を進めた。
そして研究が始まってから二年後。次は埼玉に違うタイプの超巨大生物が現れる。
被害こそ少なかったものの、無傷とは言い難い。その超巨大生物は勿論研究チームへと引き渡された。
それからさらに二年後に、物事は大きく動く。
二つの超巨大生物の部位から取れたその物質から、電波に似たような反応が現れたのだ。
しめた、研究チームがその物質をもとにある物を作り始めた。それと同時に、その超巨大生物達のことを世界は《魔獣》と呼び始めるようになった。
研究チームが作ったもの……それは《魔獣》と非論理的な契約をし、操ることができる《契約結晶》だったのだ。
それは、瞬く間に大量に生産され、まるでそれに呼応するかのように、または対抗するかのように魔獣も小さいタイプから大きいタイプ。
いろいろなタイプの魔獣が現れ始めたのだ。
しかし、《契約結晶》には欠点がある。
それは、誰もが使えるという都合のいい物ではなかったからなのだ。
世界から応募でアメリカ、日本、イギリスに集められた約一億人の応募者達はその《契約結晶》を手に入れようと胸を躍らせていたが。
……実際に手に入れられ、その性能を引き出すことができたのは約九百万人だけだったのだ。
そう《契約結晶》は、適合……つまり、《契約結晶》に認められた人物しか使えないというものであり……そして、その魔獣を操れる者を世界は《魔獣使い》と呼んだのだった。
そして今に至る。
西暦2200年。科学も圧倒的進化を遂げたこの時代に、一人の少年がまた……《魔獣使い》としての道を歩むことになる。
◇
「だりぃ……」
今日、七月五日。東京は猛暑に襲われた。
汗をダラダラ流しながら、一塚(いちづか)クロトは目的地へ向け歩を進める。
《アストラリア学園》
その学園を知っているかと人々に問うと、ほぼ全員が首を縦に降る。
まあ、こんなにも敷地が広い学園を知らない人は余程の田舎人かそこらへんだろう。
しかし、この学園が全国各地から認知されている理由はこれだけではなかった。そう。
もう一つ、理由があった。
現在、編入生という形で何故か学園の端にある校長室で手続きを済ませ、その学門の前に立っている一塚クロトは深い溜息を吐く。
視線を前方にやり、クロトは頭をがくりとさせる。その視線の先には、生徒達などが謎の生物を操り、戦いを繰り広げている様子が映っていた。
状況確認の為、もう一回言わせてくれ。
《アストラリア学園》
その学園を知っているかと問うと。ほぼ全員が首を縦に降る。
しかし、そこで一つの疑問が生まれる。
……何故ほぼ全員が首肯するのか。
「魔獣使いが集まる学園……か」
吐息と共にそう呟く。
『魔獣(まじゅう)』それは、特定の人物が持つ《契約結晶》により封印し仲間に出来るという一つの獣(けもの)。
百年前に存在が確認されて以来。どうも人間と共存するという選択を選んだらしい。
まず、《契約結晶》自体に適応する人物が少ないため、全員が全員、魔獣を操作する事は不可能だ。追記すると、魔獣の召喚の仕方は色々あるらしいが、それらをまとめて《術獣使い》とも呼ばれたりする。
そして、東京に造られた《アストラリア学園》に世界から 《契約結晶》に適応する人物が集められる。
それが、全国に認知される理由の一つである。
しかし、なぜ日本(ここ)なのか。クロトも疑念を抱く場所だが、あまり深く考えない事にした。
ただ一つ分かることはこの《アストラリア学園》が『普通』じゃないということだろう。
「アンタ、待ちなさいよ」
と、その時。可愛らしい声がクロトの鼓膜を震わせる。
「なんだよ……」
重い頭をその声の主に向けると、そこには気強さそうに腰に手を当て、左右均等に結ばれたツインテールを揺らしている少女がいた。
身長は百五十がギリギリあるかな、というぐらいでどう見たって、小学生か中学生の容体だった。
そう、ここ《アストラリア学園》は《契約結晶》に適応する者ならば“何歳でも入学が、可能である。
「……小学生か?」
毒づくように言ってやると、そのツインテールの少女は肩をビクンッ!と震わせ、声音を低くし口を開いた。
「私は十六よ! 十六歳っ!」
あまりの大声に、玄関に向かっている生徒達がクロトとツインテール少女を痛々しい目で見ていた。
そのことに気付いたのか、屈辱と羞恥が混じったような表情を浮かべ、目に涙を浮かべている。
「まぁ、いいよ。で、俺に何の用だ」
と、多少ながら面倒臭くなったクロトは本題に入るため、ツインテール少女へと問うた。
「そ、そうよ! で……なんで、アンタは契約反応が無いのよ」
思い出したように、ツインテール少女が叫ぶ。クロトはその発せられた言葉に狼狽を隠せなかった。
《契約反応》というのは、二種類ありいわゆる魔獣と契約している者、もしくは《契約結晶》に適合している者から発せられる一種の気配である。
まず一つ目は、《小反応》と呼ばれる《契約結晶》だけに適合し、まだ魔獣と契約できていない者から発せられる小さな反応。
そして二つ目は、《大反応》と呼ばれる《契約結晶》に適合しており、さらに魔獣とも契約している者から発せられる大きな反応。
つまり、《契約反応》が無いと言う事はこの学園に存在するはずがないのだ。
運悪く、《契約反応》があるかどうか分かる人と出会ってしまった……だが、こんなところで足を止める訳にはいかない。
「ジュギョー二オクレルー」
羞恥を覚悟に、臭い演技をし、無心でダッシュを試みる。
その時、思考を行動に移したと同時に謎の違和感がクロトを襲う。
「凍り尽くせ、《氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)》っ!」
「え……ちょ!」
いきなりの事に脳の整理が追いつかない、今このツインテール少女は……。
……魔獣を召喚した。
その事実が、どうも現実味を帯びない。なんだってここはこの学園の生徒達が主に利用する広場であり、そんな所で魔獣を召喚するのは、よほどの問題児か……。
しかし、そんな思考を巡らしている時間もないらしい。召喚された《氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)》はその巨大な目をギョロリと動かしクロトへと向ける。
「おいおい、嘘だろ……」
絶望したようにクロトが口を開く。しかし、そんな考えなど知らない、まるで心ここに在らずと言わんばかりに《氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)》はクロトへと歩を進めている。
「……どうするよ……」
思わず歯噛みをし、記憶のアーカイブの中から適切なものを引き出そうと試みる。
だが、どうしても。どう足掻いても……答えは一つしか無かった。
「死にたくなかったら、アンタも魔獣を出しなさい!」
急かすようにツインテール少女が声を上げる、クロトは何度も視線を泳がし。決心したように目を鋭くする。
「あぁ……クソっ!」
迫り来る氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)を横ステップの要領で避け、その言葉を口にした。
「力を貸してくれ……俺の魔獣ッ!」
……瞬間。
クロトの魔獣を見た、生徒全員が驚愕の顔を浮かべた。
通常、《魔獣》というのはその呼び名通り獣なので絶対的に『生き物』なのだが。
クロトの魔獣は……《剣》だったのだ。
持ちやすいように調節された柄、鋭利な刃は動かすたびに確かに空気を切っていた。
「……全く、初日から何なんだよッ!」
一斬、一斬を確実に入れていく。確かな感覚と自信がが連続で迫り来る氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)の攻撃を避ける精神的な手助けとなった。
そして、幾度の斬撃を繰り返し、氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)はが力尽きたのか、 その場に倒れ伏し重低音を辺りに響かせた。
その事実を理解した瞬間、クロトは激しい後悔に襲われた。
……やってしまった。
「アンタ……」
ツインテール少女は先程行ったクロトの行動に目を見開き、口を開く。
「……いいわ、その実力。認めてあげる」
また……五年前と同じことが……。
あの時の事件が、繰り返される恐怖感がクロトを襲う。
「だから、しばらくは私のパートナーになりなさい、アンタに拒否権はないわ」
ツインテール少女に指を指され、クロトは本日三回目の溜息を吐く。
「俺は……『普通』じゃないぞ」
その超巨大生物は東京のビルや家々を次々と崩壊させ、東京を半壊へと陥りさせてから、眠るように倒れた。
最初こそ世間をひどく騒がせたが、その物は専門研究チームに部分部分で渡され、研究が行われた。まず分かったのが、この生き物がこの世の生物ではないこと。
DNAがまるで荒れ狂う火のように動いていたのだ。本来ならあり得ない出来事。研究チームはさらに研究を進めた。
そして研究が始まってから二年後。次は埼玉に違うタイプの超巨大生物が現れる。
被害こそ少なかったものの、無傷とは言い難い。その超巨大生物は勿論研究チームへと引き渡された。
それからさらに二年後に、物事は大きく動く。
二つの超巨大生物の部位から取れたその物質から、電波に似たような反応が現れたのだ。
しめた、研究チームがその物質をもとにある物を作り始めた。それと同時に、その超巨大生物達のことを世界は《魔獣》と呼び始めるようになった。
研究チームが作ったもの……それは《魔獣》と非論理的な契約をし、操ることができる《契約結晶》だったのだ。
それは、瞬く間に大量に生産され、まるでそれに呼応するかのように、または対抗するかのように魔獣も小さいタイプから大きいタイプ。
いろいろなタイプの魔獣が現れ始めたのだ。
しかし、《契約結晶》には欠点がある。
それは、誰もが使えるという都合のいい物ではなかったからなのだ。
世界から応募でアメリカ、日本、イギリスに集められた約一億人の応募者達はその《契約結晶》を手に入れようと胸を躍らせていたが。
……実際に手に入れられ、その性能を引き出すことができたのは約九百万人だけだったのだ。
そう《契約結晶》は、適合……つまり、《契約結晶》に認められた人物しか使えないというものであり……そして、その魔獣を操れる者を世界は《魔獣使い》と呼んだのだった。
そして今に至る。
西暦2200年。科学も圧倒的進化を遂げたこの時代に、一人の少年がまた……《魔獣使い》としての道を歩むことになる。
◇
「だりぃ……」
今日、七月五日。東京は猛暑に襲われた。
汗をダラダラ流しながら、一塚(いちづか)クロトは目的地へ向け歩を進める。
《アストラリア学園》
その学園を知っているかと人々に問うと、ほぼ全員が首を縦に降る。
まあ、こんなにも敷地が広い学園を知らない人は余程の田舎人かそこらへんだろう。
しかし、この学園が全国各地から認知されている理由はこれだけではなかった。そう。
もう一つ、理由があった。
現在、編入生という形で何故か学園の端にある校長室で手続きを済ませ、その学門の前に立っている一塚クロトは深い溜息を吐く。
視線を前方にやり、クロトは頭をがくりとさせる。その視線の先には、生徒達などが謎の生物を操り、戦いを繰り広げている様子が映っていた。
状況確認の為、もう一回言わせてくれ。
《アストラリア学園》
その学園を知っているかと問うと。ほぼ全員が首を縦に降る。
しかし、そこで一つの疑問が生まれる。
……何故ほぼ全員が首肯するのか。
「魔獣使いが集まる学園……か」
吐息と共にそう呟く。
『魔獣(まじゅう)』それは、特定の人物が持つ《契約結晶》により封印し仲間に出来るという一つの獣(けもの)。
百年前に存在が確認されて以来。どうも人間と共存するという選択を選んだらしい。
まず、《契約結晶》自体に適応する人物が少ないため、全員が全員、魔獣を操作する事は不可能だ。追記すると、魔獣の召喚の仕方は色々あるらしいが、それらをまとめて《術獣使い》とも呼ばれたりする。
そして、東京に造られた《アストラリア学園》に世界から 《契約結晶》に適応する人物が集められる。
それが、全国に認知される理由の一つである。
しかし、なぜ日本(ここ)なのか。クロトも疑念を抱く場所だが、あまり深く考えない事にした。
ただ一つ分かることはこの《アストラリア学園》が『普通』じゃないということだろう。
「アンタ、待ちなさいよ」
と、その時。可愛らしい声がクロトの鼓膜を震わせる。
「なんだよ……」
重い頭をその声の主に向けると、そこには気強さそうに腰に手を当て、左右均等に結ばれたツインテールを揺らしている少女がいた。
身長は百五十がギリギリあるかな、というぐらいでどう見たって、小学生か中学生の容体だった。
そう、ここ《アストラリア学園》は《契約結晶》に適応する者ならば“何歳でも入学が、可能である。
「……小学生か?」
毒づくように言ってやると、そのツインテールの少女は肩をビクンッ!と震わせ、声音を低くし口を開いた。
「私は十六よ! 十六歳っ!」
あまりの大声に、玄関に向かっている生徒達がクロトとツインテール少女を痛々しい目で見ていた。
そのことに気付いたのか、屈辱と羞恥が混じったような表情を浮かべ、目に涙を浮かべている。
「まぁ、いいよ。で、俺に何の用だ」
と、多少ながら面倒臭くなったクロトは本題に入るため、ツインテール少女へと問うた。
「そ、そうよ! で……なんで、アンタは契約反応が無いのよ」
思い出したように、ツインテール少女が叫ぶ。クロトはその発せられた言葉に狼狽を隠せなかった。
《契約反応》というのは、二種類ありいわゆる魔獣と契約している者、もしくは《契約結晶》に適合している者から発せられる一種の気配である。
まず一つ目は、《小反応》と呼ばれる《契約結晶》だけに適合し、まだ魔獣と契約できていない者から発せられる小さな反応。
そして二つ目は、《大反応》と呼ばれる《契約結晶》に適合しており、さらに魔獣とも契約している者から発せられる大きな反応。
つまり、《契約反応》が無いと言う事はこの学園に存在するはずがないのだ。
運悪く、《契約反応》があるかどうか分かる人と出会ってしまった……だが、こんなところで足を止める訳にはいかない。
「ジュギョー二オクレルー」
羞恥を覚悟に、臭い演技をし、無心でダッシュを試みる。
その時、思考を行動に移したと同時に謎の違和感がクロトを襲う。
「凍り尽くせ、《氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)》っ!」
「え……ちょ!」
いきなりの事に脳の整理が追いつかない、今このツインテール少女は……。
……魔獣を召喚した。
その事実が、どうも現実味を帯びない。なんだってここはこの学園の生徒達が主に利用する広場であり、そんな所で魔獣を召喚するのは、よほどの問題児か……。
しかし、そんな思考を巡らしている時間もないらしい。召喚された《氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)》はその巨大な目をギョロリと動かしクロトへと向ける。
「おいおい、嘘だろ……」
絶望したようにクロトが口を開く。しかし、そんな考えなど知らない、まるで心ここに在らずと言わんばかりに《氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)》はクロトへと歩を進めている。
「……どうするよ……」
思わず歯噛みをし、記憶のアーカイブの中から適切なものを引き出そうと試みる。
だが、どうしても。どう足掻いても……答えは一つしか無かった。
「死にたくなかったら、アンタも魔獣を出しなさい!」
急かすようにツインテール少女が声を上げる、クロトは何度も視線を泳がし。決心したように目を鋭くする。
「あぁ……クソっ!」
迫り来る氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)を横ステップの要領で避け、その言葉を口にした。
「力を貸してくれ……俺の魔獣ッ!」
……瞬間。
クロトの魔獣を見た、生徒全員が驚愕の顔を浮かべた。
通常、《魔獣》というのはその呼び名通り獣なので絶対的に『生き物』なのだが。
クロトの魔獣は……《剣》だったのだ。
持ちやすいように調節された柄、鋭利な刃は動かすたびに確かに空気を切っていた。
「……全く、初日から何なんだよッ!」
一斬、一斬を確実に入れていく。確かな感覚と自信がが連続で迫り来る氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)の攻撃を避ける精神的な手助けとなった。
そして、幾度の斬撃を繰り返し、氷(アイス)の絶壁(ドラゴン)はが力尽きたのか、 その場に倒れ伏し重低音を辺りに響かせた。
その事実を理解した瞬間、クロトは激しい後悔に襲われた。
……やってしまった。
「アンタ……」
ツインテール少女は先程行ったクロトの行動に目を見開き、口を開く。
「……いいわ、その実力。認めてあげる」
また……五年前と同じことが……。
あの時の事件が、繰り返される恐怖感がクロトを襲う。
「だから、しばらくは私のパートナーになりなさい、アンタに拒否権はないわ」
ツインテール少女に指を指され、クロトは本日三回目の溜息を吐く。
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