灯火

水無月 かんな

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異空間ーはざまー

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ピッシャ……ピッシャーー

水が落ちる音がする。その音に目を覚ました少女はゆっくり起き上がる。そして、1面真っ黒なことに驚いて少女は立ち上がった。恐る恐る少女は1歩踏み出す。すると、波紋が出る。地面には微かな水があるらしい。少女は怖いのか歩く速度をあげる。

『灯火よ。』『灯火よ。』

光が道になって少女を導く。少女は光の道に沿って歩く。するとそこには一本の黒い角を持ち、耳先とんがっていて、白髪の男がいた。

「灯火よ余の目となりて、伝えよ。すべての感情を……思いを悲しみを愛しさを。なぁに、恐れることなどあるまい。灯火には心暖かき者がおるであろう。」

少女はその話を聞き走った。この先自分に待ち受けているものを想像し、恐怖し、ひたすら走った。

「灯火よ。強くあれ。また素直であれ。自分を持ち続けたまえ。さすれば道は開かれん。さぁ灯火よ生き抜くすべをやろうぞ。」


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