灯火

水無月 かんな

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3話 「迷わない」

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ーー火雪視点ーー

「あぁ、起きたかい?おじさん心配したんだよ。」
「?おじ様?私……」

……!?おじ様って私クルリラに向かって何言ってるの!? 

……あぁ良かった。もうだめかと思っていたよ。」
「心配かけてごめんなさいおじ様。もう大丈夫です。」

どういう状況か分からないのに口から驚くような言葉がずらりと並んでいく。

「大丈夫ではないだろう。背中に酷い傷が出来ていたよ。」
「ご……ごめんなさい。」
「まぁ良いさ。ゆっくり直していこう。」

ーーリュー視点ーー

俺は正直、彼女が敵なのか分からなくなってきた。考えれば考えるほど不審な点もあれば彼女の話しに納得出来るところも多数あるのだ。

「おれは……」

彼女を信じると言った。だが、どうして何も言わず去っていったんだ?分からない。ただそこだけが分からず俺は迷っていた。

「リュー!やっと見つけた。なぁ、明日俺と一緒に来いよ。」
「何で……俺今考え中なんだって。」
「あの娘のこと?」
「うーん。まぁな……」

グアーは火雪が悪者という考えは全くしてないため、あまり参考にならない気がしていた。

「何でユキは何も俺らに言わず去ったんだろうってさ……」
「リオもリューもどっか抜けてるよね。彼女話してる言語が違うんだよね?だとすると置き手紙とか書いても文字が違ったら僕たちには伝わらないでしょ。そう過程してみると答えは2択でしょ?クルリラの敵なら彼女は知らずにはまったか、知っててはまったか………もしそれも嘘だと言えるなら彼女は敵なんじゃないかな?」

やっぱりグアーの話は信憑性がある。だが疑問が増えた。

「何故クルリラについって行ったんだ?」
「ここからは僕の完璧な推測なんだけど…彼女にちょっとでもクルリラの話ししたりした?」

………寝ていたときに喋ったりしたがそれは話したには入るのだろうか?

「リオが初対面の時に…」
「ほかには?独り言のつもりで言ってたことが彼女は聞いてたかもしれないし。」
「俺が独り言で喋った。彼女が寝ていると思い込んでた。」
「そしたらそれが理由になるよ。リュー。」
「あぁ。」

どこまで聞いていたのか分からないけど、でもそれが理由なら俺のせいだ。俺が彼女の近くでそんな話をしたからいけないんだ。

「グアーありがとうな。」
「もう迷うなよ」
「あぁ、もう迷わない。」

グアーに相談したお陰で頭にあったモヤモヤがスッと消えた。彼女は敵なんかじゃないんだ。

「リュー、グアー会議を始めるぞ。」
「「了解」」

俺とグアーは顔を見合せ頷いた。

「彼女を助けようリュー」
「あぁ。」


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すみません。短くなりました!

2話の題名「騙し合いましょ」から「揺らぎ」にしました。

どんなことでも良いので感想をお待ちしております!

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