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4話「騙し合いましょ」
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ー火雪ー
クルリラに色々治療やら実験される日々が続いていた。中々外に出してくれない。ここ数日私は冷たい地下室でベッドにはりつけられ閉じ込められていた。それにしても、だ。あの治療された日から自分では思っていない言葉がずらずらと口から出る。これも、クルリラが仕組んだことなのだろうか?
「ルシファ調子はどうだい?」
喋るのも億劫なくらいとてもだるい、体の力が入らないような状態でしかも汗をかいて気持ち悪い。
「あぁ、ルシファよ。これも君の病気を治すための一環なんだ。許しておくれ。すまない。」
治す?どっからどう見てもこんなの治療じゃない。手足は鎖でつながれ、部屋からはでられないのに治療?…あり得ない。
「また、様子を見に来るからね。」
そう言ってクルリラは背を向けて去った。
私、どうなるんだろう。
ここで実験台として死ぬのか?それとも、リュー達に裏切り者として殺されるのか?この世界に来てからもう、何日目だろうか。軽く3週間は過ぎているはずだ。
実験のせいか私は眠る事が多くなった。長いときは数日間も眠っていることだってある。
ーーーー夢ーーーーー
"灯火…灯火よ…"
温かい…髪の髪をを撫でる大きく優しい手。
"目を開けておくれ…私めにそなたの顔を見しておくれ"
誰の声?若い男性のような高くて優しい声だ。聞いたことのないはずの声なのにどこか懐かしい感じ。まだ起きたくないと思いつつ、私は声の主が気になり起きることにした。
「あぁ、やっとそなたの顔を見ることが出来た。嗚呼、美しい灯火だ。真っ直ぐな瞳といい凛々しい姿。私めの主、灯火様。」
目に一杯の白が入っただけだった。だが、声の主であろう人がすぐに起き上がらしてくれてさっきの声の主がちゃんと確認できるようになった。目に一杯の白はどうやら彼の髪の色だったららしい。
「あ、あの…」
ここは一体どこなんだろうか?そもそも灯火ってなんだ!?
一瞬その場に流され疑問に思うことを忘れていたが、忘れてはいけない。
「嗚呼、灯火様。」
白髪の男性は私を見るなり心底嬉しそうに笑い、繊細なものに触れるような手つきで私の頬を撫でた。白髪の男性は綺麗な長髪で、ザ・日本の和服を着ていた。
「私、灯火じゃないですから、人違いですから。もといた所に戻してくれませんか?」
バッサリと否定すると白髪の男性は唖然とした表情で私を見た。
「 …え、あの。人違いでは…ないでしょうか?」
何かまずいことを言ったのだろうか。白髪の男性は唖然とした表情のまま私を見て固まっている。
「 灯火様は灯火様です。私めが仕えるのは貴女様ただお一人でございます。」
真っ直ぐな瞳であってるんだと白髪の男性は言う。
「はぁ…」
多分、これ以上否定したって結果は変わらないんだろうと思うともうなにも言う気になれなかった。
「……とりあえず私の名前は、こ…!」
「灯火様言ってはなりませぬ!私めのようなモノに名を明かしてはなりませぬ。」
名前を教えようとしたら、ついさっきまでの穏やかさはひと欠片も無く必死に止めて来た。地味に白髪の男性は泣きそうな顔をして私を見ていた。
「ご、ごめんなさい。」
あまりの必死な剣幕で言われたせいか私は自然と謝っていた。
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久しぶりの投稿失礼します。書いていたのですが、更新し忘れていました。不定期更新ですがよろしくお願いします。
クルリラに色々治療やら実験される日々が続いていた。中々外に出してくれない。ここ数日私は冷たい地下室でベッドにはりつけられ閉じ込められていた。それにしても、だ。あの治療された日から自分では思っていない言葉がずらずらと口から出る。これも、クルリラが仕組んだことなのだろうか?
「ルシファ調子はどうだい?」
喋るのも億劫なくらいとてもだるい、体の力が入らないような状態でしかも汗をかいて気持ち悪い。
「あぁ、ルシファよ。これも君の病気を治すための一環なんだ。許しておくれ。すまない。」
治す?どっからどう見てもこんなの治療じゃない。手足は鎖でつながれ、部屋からはでられないのに治療?…あり得ない。
「また、様子を見に来るからね。」
そう言ってクルリラは背を向けて去った。
私、どうなるんだろう。
ここで実験台として死ぬのか?それとも、リュー達に裏切り者として殺されるのか?この世界に来てからもう、何日目だろうか。軽く3週間は過ぎているはずだ。
実験のせいか私は眠る事が多くなった。長いときは数日間も眠っていることだってある。
ーーーー夢ーーーーー
"灯火…灯火よ…"
温かい…髪の髪をを撫でる大きく優しい手。
"目を開けておくれ…私めにそなたの顔を見しておくれ"
誰の声?若い男性のような高くて優しい声だ。聞いたことのないはずの声なのにどこか懐かしい感じ。まだ起きたくないと思いつつ、私は声の主が気になり起きることにした。
「あぁ、やっとそなたの顔を見ることが出来た。嗚呼、美しい灯火だ。真っ直ぐな瞳といい凛々しい姿。私めの主、灯火様。」
目に一杯の白が入っただけだった。だが、声の主であろう人がすぐに起き上がらしてくれてさっきの声の主がちゃんと確認できるようになった。目に一杯の白はどうやら彼の髪の色だったららしい。
「あ、あの…」
ここは一体どこなんだろうか?そもそも灯火ってなんだ!?
一瞬その場に流され疑問に思うことを忘れていたが、忘れてはいけない。
「嗚呼、灯火様。」
白髪の男性は私を見るなり心底嬉しそうに笑い、繊細なものに触れるような手つきで私の頬を撫でた。白髪の男性は綺麗な長髪で、ザ・日本の和服を着ていた。
「私、灯火じゃないですから、人違いですから。もといた所に戻してくれませんか?」
バッサリと否定すると白髪の男性は唖然とした表情で私を見た。
「 …え、あの。人違いでは…ないでしょうか?」
何かまずいことを言ったのだろうか。白髪の男性は唖然とした表情のまま私を見て固まっている。
「 灯火様は灯火様です。私めが仕えるのは貴女様ただお一人でございます。」
真っ直ぐな瞳であってるんだと白髪の男性は言う。
「はぁ…」
多分、これ以上否定したって結果は変わらないんだろうと思うともうなにも言う気になれなかった。
「……とりあえず私の名前は、こ…!」
「灯火様言ってはなりませぬ!私めのようなモノに名を明かしてはなりませぬ。」
名前を教えようとしたら、ついさっきまでの穏やかさはひと欠片も無く必死に止めて来た。地味に白髪の男性は泣きそうな顔をして私を見ていた。
「ご、ごめんなさい。」
あまりの必死な剣幕で言われたせいか私は自然と謝っていた。
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久しぶりの投稿失礼します。書いていたのですが、更新し忘れていました。不定期更新ですがよろしくお願いします。
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