6 / 59
6・コロッケハンバーグどら焼き牛丼生のブリ他、ミートボール追加
しおりを挟む
「ぐわぁぁぁぁ」
だが悲鳴を上げたのは血を吸ったキングの方だった。
「げぇぇぇぇ、ゴホッゴホッ」たった今吸ったばかりの血を床に吐き出し、苦しそうに咳き込んでいる。
当の俺は何が起きたのか分からず当惑しながら噛みつかれた首を押えていた。
「な、何なんだお前は・・こんなに不味い血を飲んだのは初めてだ!」
「なっ・・それより何だよ! 襲わないって約束したじゃないか!」
「ハァ・・ハァ・・。ふん、命の保証はすると言っただけで襲わないとは言っておらん」
「ひっでぇ~~。鬼! 悪魔! まじ、痛かったぞ。うわぁ気持ち悪りぃ」首を押えていた手を見ると血がべっとりと付いていた。
「あっ、しかも絨毯に血を吐いちゃってどうすんだよぉ。責任とって掃除してもらうぞ」
(絨毯にこんなでっかいシミなんて作ったら母さんにどやされるよ、まったく・・)
青いポリバケツに水を入れてブラシとスポンジを持って来た俺は「我が掃除などありえん!」と突っぱねるキングに無理やり掃除を任せた。
(ヴァンパイアキングが這いつくばって絨毯をブラシで掃除するとか面白すぎる。でも俺こんなに血を吸われて大丈夫なの? 肉とか食った方がいいかも・・)
もう明け方近かったが冷蔵庫を開けて血になる物はないかと物色した。
「あ~マルシンミートボールしかないなぁ。でも肉は肉だからいいか」
俺はフライパンを熱してミートボールを炒め始めた。――俺は炒めてソースとケチャップでハンバーグみたいな味付けにするのが好きなんだよねぇ。ついでにピーマンも一緒に炒めてっと。
「おい、掃除が終わったぞ」
いつの間にかキングが青いバケツを持って立っていた。
「洗面所に置いといてくれ」まだムッとしていた俺はぶっきらぼうに洗面所の方向を指さした。
キングが洗面所へ行く気配がしたが俺はそのまま調理を続け、熱々のミートボールを皿へ移した。ダイニングテーブルへ皿を置こうと振り返るとキングがちゃっかりテーブルについていた。
「まさか食う気?」
「腹が減ったと言っただろう。いい匂いがする。早く食わせろ」
しぶしぶ取り皿を出してキングにもミートボールをよそってフォークを添えた。キングはフォークでぶっすりとミートボールを突き刺し口に放り込んだ。
「美味いぞ! これは一体何の肉なのだ?」
「これは豚肉だよ」
「何っ豚だと?! この世界ではオークを食するのか?」
「いやいや、ファンタジーじゃあるまいし。オークじゃなくて顔だけ似てる豚っていう家畜がいるんだよ」
納得したような、してないような難しい顔をしてミートボールを眺めていたキングはそのまま食事を再開した。ついでに皿に盛ったピーマン炒めも綺麗に食べつくしたキングは満足そうに言った。
「うむ。明日もこの『ミートボール』を所望する」
「はいはい、分かりましたよ。あ、皿をシンクに持ってって洗っといて。俺はあんたの部屋を用意してくるから」
2階には3部屋あった。一つは俺の部屋。もう一つは使っていない物置代わりの部屋。そしてもう一つは・・。
――物置の部屋でいいな。一応ベッドもあるし。
この家に引っ越してからベッドを新調した俺は古いベッドを捨てずに置いてあったのだ。友達や親せきの子が遊びに来た時はそれを使って貰っていた。だから物置の部屋と言っても綺麗に掃除してある。
新しいシーツと枕カバーに取り換え、タオルケットを敷いて終わり。今日は暑いからこんなもんだろ。
「おーい、ベッドの用意が出来たからもう寝ろよ」そう言いながらふと思った。ヴァンパイアって夜行性?
振り返るとまたキングが真後ろに立っていた。「うぉっつぁ~なんで音もなく忍び寄るんだよ心臓が止まるかと思ったよ」
「そういう習性だ。仕方あるまい」キングはベッドを見下ろした。「ヴァンパイは棺桶で寝るものだが?」
「そんな物、普通の家にないよ。寝てみろって、フカフカで気持ちいいぞ」
――父さんの会社が取引してるポーランド産羽毛の高級羽毛布団だ。サンプルで貰ったやつだけど安物の羽毛布団とは雲泥の差だからな。
キングは上着を脱ぎだした。
「あ、パジャマ忘れてた。俺のスエット上下でいいよな」俺は隣の自分の部屋に取りに行った。
グレーのありふれたスエット上下を持って戻ると♡イヤァァ~~ン♡すっぽんぽんのキングがベッドに入ろうとしていた。
「うわっちょちょ、何で裸? 王様は裸で寝るのかっ?!」
「お前は服を着たままで寝るのか?」
「何気にあっちもキングサイズだな・・じゃなくて、俺はパジャマ着て寝るよ!」
「ではそれを寄越せ」
「ここ置いとく。あ! 朝まで大人しくしてるんだぞ。外へ出て人を襲ったりするなよ!」
「大丈夫だ、腹は満たされた」
俺も隣の部屋に引き上げた。明日は学校だ、しかも細かい事にうるさい教授の授業が一番初めにある。居眠りなんかしてたら単位を落とされかねない。夜更かしは出来ないのだ。
(しっかし俺の血ってそんなにまずいわけ? 腹減ってるヴァンパイアならまずくても飲むんじゃないの? 俺の血を吐き出しておいてミートボールは食べるってどういう事?)
ベッドの中で悶々としながら俺は眠りについた。
だが悲鳴を上げたのは血を吸ったキングの方だった。
「げぇぇぇぇ、ゴホッゴホッ」たった今吸ったばかりの血を床に吐き出し、苦しそうに咳き込んでいる。
当の俺は何が起きたのか分からず当惑しながら噛みつかれた首を押えていた。
「な、何なんだお前は・・こんなに不味い血を飲んだのは初めてだ!」
「なっ・・それより何だよ! 襲わないって約束したじゃないか!」
「ハァ・・ハァ・・。ふん、命の保証はすると言っただけで襲わないとは言っておらん」
「ひっでぇ~~。鬼! 悪魔! まじ、痛かったぞ。うわぁ気持ち悪りぃ」首を押えていた手を見ると血がべっとりと付いていた。
「あっ、しかも絨毯に血を吐いちゃってどうすんだよぉ。責任とって掃除してもらうぞ」
(絨毯にこんなでっかいシミなんて作ったら母さんにどやされるよ、まったく・・)
青いポリバケツに水を入れてブラシとスポンジを持って来た俺は「我が掃除などありえん!」と突っぱねるキングに無理やり掃除を任せた。
(ヴァンパイアキングが這いつくばって絨毯をブラシで掃除するとか面白すぎる。でも俺こんなに血を吸われて大丈夫なの? 肉とか食った方がいいかも・・)
もう明け方近かったが冷蔵庫を開けて血になる物はないかと物色した。
「あ~マルシンミートボールしかないなぁ。でも肉は肉だからいいか」
俺はフライパンを熱してミートボールを炒め始めた。――俺は炒めてソースとケチャップでハンバーグみたいな味付けにするのが好きなんだよねぇ。ついでにピーマンも一緒に炒めてっと。
「おい、掃除が終わったぞ」
いつの間にかキングが青いバケツを持って立っていた。
「洗面所に置いといてくれ」まだムッとしていた俺はぶっきらぼうに洗面所の方向を指さした。
キングが洗面所へ行く気配がしたが俺はそのまま調理を続け、熱々のミートボールを皿へ移した。ダイニングテーブルへ皿を置こうと振り返るとキングがちゃっかりテーブルについていた。
「まさか食う気?」
「腹が減ったと言っただろう。いい匂いがする。早く食わせろ」
しぶしぶ取り皿を出してキングにもミートボールをよそってフォークを添えた。キングはフォークでぶっすりとミートボールを突き刺し口に放り込んだ。
「美味いぞ! これは一体何の肉なのだ?」
「これは豚肉だよ」
「何っ豚だと?! この世界ではオークを食するのか?」
「いやいや、ファンタジーじゃあるまいし。オークじゃなくて顔だけ似てる豚っていう家畜がいるんだよ」
納得したような、してないような難しい顔をしてミートボールを眺めていたキングはそのまま食事を再開した。ついでに皿に盛ったピーマン炒めも綺麗に食べつくしたキングは満足そうに言った。
「うむ。明日もこの『ミートボール』を所望する」
「はいはい、分かりましたよ。あ、皿をシンクに持ってって洗っといて。俺はあんたの部屋を用意してくるから」
2階には3部屋あった。一つは俺の部屋。もう一つは使っていない物置代わりの部屋。そしてもう一つは・・。
――物置の部屋でいいな。一応ベッドもあるし。
この家に引っ越してからベッドを新調した俺は古いベッドを捨てずに置いてあったのだ。友達や親せきの子が遊びに来た時はそれを使って貰っていた。だから物置の部屋と言っても綺麗に掃除してある。
新しいシーツと枕カバーに取り換え、タオルケットを敷いて終わり。今日は暑いからこんなもんだろ。
「おーい、ベッドの用意が出来たからもう寝ろよ」そう言いながらふと思った。ヴァンパイアって夜行性?
振り返るとまたキングが真後ろに立っていた。「うぉっつぁ~なんで音もなく忍び寄るんだよ心臓が止まるかと思ったよ」
「そういう習性だ。仕方あるまい」キングはベッドを見下ろした。「ヴァンパイは棺桶で寝るものだが?」
「そんな物、普通の家にないよ。寝てみろって、フカフカで気持ちいいぞ」
――父さんの会社が取引してるポーランド産羽毛の高級羽毛布団だ。サンプルで貰ったやつだけど安物の羽毛布団とは雲泥の差だからな。
キングは上着を脱ぎだした。
「あ、パジャマ忘れてた。俺のスエット上下でいいよな」俺は隣の自分の部屋に取りに行った。
グレーのありふれたスエット上下を持って戻ると♡イヤァァ~~ン♡すっぽんぽんのキングがベッドに入ろうとしていた。
「うわっちょちょ、何で裸? 王様は裸で寝るのかっ?!」
「お前は服を着たままで寝るのか?」
「何気にあっちもキングサイズだな・・じゃなくて、俺はパジャマ着て寝るよ!」
「ではそれを寄越せ」
「ここ置いとく。あ! 朝まで大人しくしてるんだぞ。外へ出て人を襲ったりするなよ!」
「大丈夫だ、腹は満たされた」
俺も隣の部屋に引き上げた。明日は学校だ、しかも細かい事にうるさい教授の授業が一番初めにある。居眠りなんかしてたら単位を落とされかねない。夜更かしは出来ないのだ。
(しっかし俺の血ってそんなにまずいわけ? 腹減ってるヴァンパイアならまずくても飲むんじゃないの? 俺の血を吐き出しておいてミートボールは食べるってどういう事?)
ベッドの中で悶々としながら俺は眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる