GOD

ファインド アウト！

　畜生！畜生！あいつら、今に見ていろ！
　お願いの手紙を破り捨てた奴らを、見返してやるんだ。僕には本物のプレゼント、あいつらには偽物のプレゼントだ。
　サンタへのお願いは、他の人に見られたらいけないのに。プレゼントがもらえなくなっちゃうじゃないか。せっかく『良い子』にしてたのに。
　だから、サンタに直接言いに行くんだ。僕は『良い子』だから、きちんとプレゼントを下さいって。
　でも、どこに住んでいるんだろう？
　先生に聞いてもお巡りさんに聞いても、笑って教えてくれないし。やっぱり秘密なのかな？いいや、きっと誰か知っている人がいるはずだ。
　サンタクロースっていう名前だから、外国に住んでいるんだ。だから、日本人の僕たちにはわからないのかもしれない。街で歩いている外国の人に訊けば、教えてくれるかな？それで、やっぱり外国に住んでいるって言われたら、僕は外国に行かなくちゃいけない。
　どうやって行こうかな？電車で行けるのかな？
　ポケットを見てみたけど、僕には百円しかない。百円で行ける場所だったらいいな。帰り道は歩いていくからさ。
　台所から盗んできた食パンがあるから、ご飯は大丈夫。でも、今日はどこで寝ればいいんだろう？外はとても寒いから、毛布があればいいのにな。
　今もとても寒い。
マフラーをしていても、手袋をしていても、とても寒い。でも、僕は負けない。絶対にサンタに会いに行くんだ！絶対に！

　僕が本当に欲しいものは―――。