いじめられっ子はクラス転移でざまぁを開始する。

第1章 クラス転移で

第2話 ダンジョンへ1

召喚から数日が過ぎて、俺は城の人間みんなから邪魔者
扱いされていた。

「何であんな無能が王城にいるの？」

「信じられない。」

メイド達の会話が聞こえて来る。
皆、魔物と呼ばれる、魔王の眷属を倒せるようになっていた。皆人間離れした力を手にして、異世界ライフを満喫していた。俺は一般市民ぐらいの力しか出せず、レベルも上がらず、途方に暮れていた。

「あの、大丈夫ですか？」
王女のイリーシャが声を掛けてくる。
多分コイツも俺の事を邪魔だと思っているんだろう。
普段からクズと接していたせいか、俺は、クズの臭いに敏感になっていた。

俺のセンサーが告げる。コイツはクズだ。と

「大丈夫です。お気遣いなさらず。」

「本当ですか？困った事があったら何でもいって下さいね？　あっそうだ！明日、お父様が神樹の塔攻略隊を、
編成して向かわせてくれるらしいです。コレで桐崎様も
転職出来るかもしれませんね。」

「ありがとうございます。」

「桐崎様も攻略隊の一員となるらしいですよ？」

「わかりました。行かせていただきます。」
俺は早くクズとの会話を終わらせたい一心で返事をする。

はぁ、ダンジョンかぁ面倒いなぁ。
俺は、自分の嫌な予感に気づかないままその夜を過ごした。

次の朝、ダンジョンに行くのは早い時間帯らしく、
早起きさせられる。

はぁ今日もつまらない1日が始まる。

朝はいつも憂鬱だ。

「ダンジョンへ行くゾォ」騎士団長が言う。

「「オー！！！！！！！！」」

数人のクラスメイトと、騎士団員が声をそろえる。






馬車で2時間ほど揺られ、神樹の塔。別名、
「世界樹ユグドラシル」についた。

ダンジョンの近くに行けば行くほどでかい。
てっぺんは雲よりも遥かに上の方で、とてもじゃないが見えない。

ここのてっぺんまで行けんのか？
桐崎は疑問に思った。

ユグドラシルは10000階層あるうちの、942階までしかクリアされていないらしい。

所謂無理ゲーってやつである。




しばらくして、30階層あたりについた。
そこそこ敵も強いが、まだ倒せる範囲らしい。

そして、70階層でボスモンスターが出てきた。
ヤバイ！逃げないと！

しかし、勇者の結城勇人に拒まれる。

「なぁに逃げようとしてんの？」

「はぁ！？だって逃げないと死ぬじゃねぇか！！」

「それが狙いなんじゃないか。」

は？何言ってんだ？

クスクスと兵士やクラスメイトが笑っている。

「じゃあバイバーイ」
ドン！と超人的な力を持った勇者にボスモンスターの方に押される。



クソっ！そういう事かよ！！嵌められた！意識が朦朧とする。あぁ、死ぬ。直感でわかる。来世では幸せに過ごしたい。そんな事を思いながら死のうと思った直後、

「オマエ、桐崎か？」ボスモンスターが尋ねてくる。

「あぁ、そうだ」朦朧としながらこたえた。

「なら、この転移陣使え、主の命令だ。」

「あ？」手を魔法陣にかざす。
淡い光が魔法陣からでて、俺は意識が途切れた。