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ミュラーリヤ第三弓騎兵隊隊長であるクラリス・ヴィアッカは、地下室に籠ってから七日目の朝、再び睡眠医療装置の厄介になっていた。
一日の内シャトリンが正気に戻る一、二刻程の間に食事を済ませ、強力な滋養強壮剤を注射し、極力休んでもいたのだが、それで追いつくはずもない。ソリュートリアンならばミー・ガンは一ヶ月近く続くそうだが、彼がムライドであるために半分の日数で終わったことは、クラリスにとって幸いだった。
ヴォーグ・クワン家誇る医務室の最新設備を利用するのは専らクラッドで、妻フェレンルイエのミー・ガン後は睡眠医療装置で疲労回復を図ると言う。時季外れ生まれのフェレンルイエだったものの、それでも二週間は続くらしい。期間は二倍で、軍人ように鍛えている訳でもない生物学者であれば、クラリス以上に消耗が激しいはずだ。
我が身のため以上に、自らより寿命の長い妻のため、クラッドはミー・ガンの中和剤開発に生涯を捧げている。実に涙ぐましい努力だ、愛は偉大だと言わざるを得ない。
適温に保たれたゼリー状養液(今度はクォーカ味だった)に浸る彼女に、諸々の説明をしてくれているのは、装置の前の椅子に座るシャトリンだ。手持ち無沙汰なクラリスに、彼は寝る前に絵本を読んでくれる親の如く……否、上官の前で報告書を読み上げる部下のように、尊敬する父母の偉業や自らの経歴、個人的嗜好を生真面目かつ簡潔に語ってくれていた。
貴方のことを知りたい、と言ったクラリスの希望にシャトリンなりに全力で応えてくれているのだ。情緒はないが、彼の生い立ちを考えれば致し方ない。それでも、かつての上官のことを語る時だけ、仄かに目元を青く染めていたのがクラリスの目には印象的に映った。
シャトリンはミュラーリヤ連合関係者として、極東のシュランの地に初めて上陸した人間だ。多種多様な民族の中、軍事力に特化した極東の小島は長年鎖国を貫いていて、その民族背景が一昔前のサリュートを思わせる。サリュートとソルケットの血を引くシャトリンは、同盟交渉役に打ってつけではあったが、同盟成立に至ったきっかけは全くの偶然だったと言う。
ユーゴス大陸東側には、連合加盟国の貴族達がこぞって別荘を構える海岸線がある。そこは夏季になると、潮の流れに乗って大小様々な緑溢れる浮島が優雅に紺碧の海洋を遊泳するのだ。その神秘的かつ美しい景色は、その地の観光産業の目玉だった。それゆえに景観を守るため、如何なる者であろうとも浮島への上陸は禁じられている。
けれども、とある生物学者が最大規模の浮島、オメガフロルに不法侵入……更に厄介なことに、未知の人類生息の痕跡を発見してしまったらしい。その一報を受けて、連合極東支部は調査のために第一竜騎兵隊を派遣するに至ったのだ。それは十三年前、シャトリンがまだ副長だった頃のことだ。
* * *
ミュラーリヤ第一竜騎兵隊副長であるシャトリン大尉は、オメガフロルの密林に足を踏み入れた途端、心の中で盛大に溜息を吐いた。
人の背丈を優に超える植物の茂る密林に覆われた浮島は、空からの視界も利かない。また、水草等植物の遺骸が積み重なって泥炭化したらしい足場は、ゾーイ達の体重を支えるにはやや心許なかった。それゆえに飛竜は上空に残し、上陸した人間も隊長副長の二人だけだ。大勢で押し掛け、(本当に存在するかさえ)未知の新人類を警戒させるような下手は打てない。
極北の国サリュートは永久凍土の地で寒さへの耐性は人一倍あったが、湿気の多いじっとりとした暑さは苦手だ。熱帯独特の樹木はきつい臭気を放っていて、嗅覚も巧く働かなくなった。五感の内一つを潰されると言うのは、随分と憂鬱なものだ。
ただし、浮島群の中でも最大規模と言っても、精々小さな漁村程度の大きさだ。足場の強度を鑑みても、人口が三桁を超えることはないだろう……体力温存のために余計な口を開かず、シャトリンは頭の中でそう分析していた。
そして、鬱蒼とした森に分け入って半刻程経った頃、サリュートリアンと比べても群を抜いて鋭い彼の聴覚が、微かな異音を拾った。
「ブリングルト隊長、右斜め前方に人類らしき気配があります」
前を行く上官の元へ滑るように歩み寄ったシャトリンは、その耳元で囁くように警告する。
「ぉっ……と。いやはや、何の構えもなくお前の声を聞くとヒヤッとするな」
盛大に上げそうになった声をどうにか噛み殺した第一竜騎兵隊隊長、マチュー・ブリングルトは立ち止まって周囲を窺った後、ゆっくりと自らを振り返る。
「それは大変申し訳ありません。未知の人類を刺激したくなかったもので」
口元に苦笑を浮かべた十歳近く年嵩な上官に対し、シャトリンは至って無表情に謝罪した。
ファミロン人であるマチューは、どんな状況下でも笑顔を絶やさない非常に社交的な人物だ。身体能力的には、サリュート人はおろか一般的なムライドにも今一歩及ばないが、外交手腕に長けていた。神懸かり的な読心術も持っていて、人語を喋れない飛竜の良き理解者であり、情緒に乏しいムライドが多い隊を取り纏めるのにも彼程の適任者はいない。
要するに、シャトリンとは正反対な人間なのだ。
「分かってるよ。だがな、シャトリン。俺が女だったらヤバかったぞ……きっと落ちてた」
「隊長が女性だった場合、筋肉量は今よりも減るはずですから、足場が抜けることはないと思われますが?」
己より頭半分背の低いマチューが伸び上がってそう耳打ちしてきて、シャトリンは右眉を僅かに上下させる。
年若い己の能力を買って副長に推挙してくれたことには感謝しているし、自分にはない人間的魅力に溢れた彼を尊敬もしていた……だが、時折不可解かつ非論理的な会話を仕掛けてくるのには、辟易させられていた。
「まったく、図体ばかりデカい融通の利かない坊ちゃんめ。言葉通りに捉えるんじゃない、お前の低音は腰に響くって言ってるんだ。今みたいに誰彼構わず耳元で囁くんじゃないぞ、女はお前が思ってる以上に肉食だからな」
五年の付き合いで分かったことだが、彼は無類の女好きだった。いつも半ば強引に会話に異性を絡めようとする所も苦手である。御婦人方の食の嗜好と自分の声に、一体何の関連性があると言うのだ。
「ブリングルト隊長、私は先月で十七になりました。サリュートでは立派な成人です。坊主呼ばわりは適切でありません。今後は侮辱として受け取ると、前回そう呼ばれた時にも申し上げたはずですよ」
「よーく分かった、新成人のシャトリン君。この議題については後で呑みながらゆっくり話そう……で、何だって? この先にいるのは待望の新人類で間違いないのか?」
あくまでシャトリンの口調は淡々として、表情筋も固まったままだったが、裏に潜んだ不機嫌を得意の読心術で読み取ったらしいマチューは、さっさと話を元に戻す。煙に巻かれている気もしなくはないが、この頭の切り替えの早さは嫌いではない。
「断言は出来ませんが、少なくとも二足歩行の生命体が十体はいます。体格は我々と同等かそれ以上かと」
「俺には全く分らんが、お前が言うならそうなんだろう。学者先生の勘違いだと思ってたが、マジか……話の通じる連中であればいいんだがなぁ」
木々の遥か先から漏れ聞こえてくる物音からの推察を述べたシャトリンに対し、疑う素振りも見せないマチューから、自身に対する信用の厚さが窺い知れた。誰に対しても嘘は吐かないシャトリンではあるものの、手放しの信頼を実感するにつけて心がざわついてしまう。
リーサレク・ハロルド条約やスーシエとの取引で秘密事項の多い己には、ここまで絶対的な信頼を置かれる価値があるのかと……誰を相手にも効率化、論理的を信条として行動するシャトリンを煙たがる者は騎兵隊内に一定数存在する。厄介なことに、その大半が上級士官だった。
スーシエからヴォーグ・クワン家を名乗ることを禁じられたシャトリンは、母が神族の事実を秘匿する引き換えにソルケット移住許可を得ており、後ろ盾なぞ無きに等しい。マチューも言った通り、生粋のサリュート人以上に融通の利かない彼は、組織に所属する者にとって、ある意味では身体能力以上に必要不可欠な社交性及び協調性に欠けていた。
「……ったく、本当にまだまだ坊ちゃんだな」
「それは侮辱ですっ……」
溜め息交じりに吐き捨てるマチューに、不意を突かれたシャトリンは微かに語気を乱すが……。
「隊長が副長を信用出来なくって、どうするんだ?」
珍しく真顔で続けられた台詞に、二の句が告げられなくなる。
「お前がどんな複雑な生い立ちかは知らないが、想像くらいつく。口に出したことに嘘がないことだって分かってる。仕事の上で知らなきゃならないことが、他にあるか? ないないっ、今まで上手くやってこられたんだ。行き当たりばったりな俺にとって、お前ほど良い副長……女房役はいないよ」
そう言いながら、まるで犬か何かのように頭を掻き混ぜてくる。遠慮のない爪先が頭皮に刺さり、決して快いとは言えない感触ではあったが、不思議と振り解こうと言う気にならなかった。何となく、離れて暮らす実父の手を思い起こさせる。
「おいおい、俺はまだ三十六だぞ。お前みたいなデカい息子を作った覚えはない」
「……時折、隊長が本当はハルカン人ではないかと思うことがあります」
細かな考えまで読み取って揶揄してくる隊長に、シャトリンは半ば戦慄した。
「あんな怪しげな連中と一緒にするな、俺のは経験と洞察力だ。それにだな、ただ無表情なだけで存外分かり易いよ、お前って」
納得いかないが、実際問題そうなのだろう。胸の内側を掻き毟るような不快感は、不慣れな大陸東海岸気候のためだけではない。サリュートリアン以上に感情を制御抑制出来るように努めてきたのに、こうも易々と動揺を誘われてしまうことが悔しかった。どうにも心がかき乱されるのを止められない。
非論理的な悪態が口を衝きそうになって、シャトリンはぐっと奥歯を噛み締めた。同時に蟀谷を汗が伝い、更なる不快感を煽られる。
「おい、そこは目をキラキラさせて『さすがは隊長、男前なだけでなく超有能ですね』って言うとこだぞ、シャトリン……まあ、それ言えたらとっくに追い抜かれてたか。上司に対する上手いヨイショも、夜呑みながら教えてやるよ」
「不要です。一体、いつ酒宴を設けることに同意して」
「しっ……何か聞こえた」
ついムキになり掛けたところで、マチューが口元に指を立てて制される。また流された……と思ったのは一瞬で、シャトリンの耳にもパチリと何かが弾けるような音が届いた。マチューの肩越しに視線を投げると、少し先に群生する銀葉樹の隙間から、宙にキラキラと黄色い飛沫が上がっている。
「リューカコリーナ」
シャトリンは僅かに瞠目し、思わずそう呟いた。
「何だアレっ……、もがっ?」
そして、同じくそれに気付いて呟き、そちらに向かおうとするマチューの口を塞ぎ、すぐ側の木陰に引きずり込む。
「今から手を放しますから、絶対に騒がないでください」
目を白黒させて手足をバタつかせる上官の背を巨木に縫い付け、常に増して厳めしい表情と言葉で制すると、彼はようやく口を塞いでいた手を放す。
「……ぷはっ、一体何なんだっ?」
「先程の破裂音はリューカコリーナの実が弾け、胞子を飛ばす音です。リューカコリーナが『何』の主食かは、隊長もご存知でしょう?」
己を睨みつけながら、それでも囁き声で抗議してくるマチューに、シャトリンも抑えた声で答えると、その顔色が変わった。
「ここに奴らがいるって言うのかっ? あいつらは、エジンサハラにしかいないんじゃなかったのかっ……!」
「そう思っていましたが、同じ熱帯です。生息地としては適しています。この暑苦しさと木々の臭いで思考力と嗅覚を鈍らされ、今の今までその存在に気付けませんでしたが、二足ではなく一足歩行の可能性が高い」
「……おい、お前さっき『二足歩行の生物が十体』って言ってなかったか? 奴らが二十体とか、勘弁してくれよ……こっちを気取られてないだろうな?」
シャトリンの今の言葉に、前に告げた推察からさっと計算し直して問うて彼に頷き掛けたが、再び耳に届いた物音と微かな足場の振動に右眉を跳ね上げる。
「どうも気付かれたようです。こちらに向かってきます……ですから、隊長はこのフショアの木に登ってください。あの高機能社会不適合生物達は、木に登れませんから」
「俺はって、お前はどうするつもりだ?」
「囮になります」
「おいっ、ふざけんなよ。隊長がそんな格好悪いことさせられるかっ……」
迷わず答えたシャトリンに、憤慨した様子でマチューは首を横に振る。
「失礼を承知で申し上げるが、足手纏いです。貴方の方が身軽だから頼んでいるのです、木に登ったら飛竜を呼んでください。それが論理的です」
しかし、シャトリンも首を横に振り、きっぱり言い返した。
「くぅっ……お前ってば、本当に可愛げしかない坊ちゃんだよ」
「皮肉は後で幾らでも聞きます、急いでください」
「わあっ……もう、後で覚えてろよ! 呑みながら上司に対する正しい口の利き方について、朝まで説教だっ」
四の五の言い募ろうとするマチューの身体を反転させ、巨木に押し付けると、彼は更にぶつくさ言いながら手足をその幹に掛けた。己に比べれば身体能力は今一つでも、外交的な性格以外にその身軽さもファミロン人の取り柄の一つだ。木登りには不向きな騎兵ブーツでも、猿のように器用にスルスルとフショアの大木を登っていく。
その姿が枝葉の陰で見えなくなったのを確認すると、シャトリンは視線を前に戻す。既に大地を揺るがす振動はビリビリと空気を震わせて彼の胸を衝き、上下に震える木々の間からは、黒々とした一本足の多毛生物の姿が見えていた。
* * *
ミュラーリヤ第三弓騎兵隊隊長であるクラリス・ヴィアッカは、睡眠医療装置の中で小首を傾げた。
「君の推察通り、そこにいたのは新人類ではなくオオヒトモドキだった。恐らく数年前にあった大洪水の時だろう……浮島群の一部は、遥々南国から潮の流れに乗って東海岸に到達したようだ。元々の気候が似通っていて同じような浮島もあったから、気付かれることなく奴らがそこに居つくことを許してしまったのだ」
目の前のシャトリンは、クラリスの顔が見える窓からやや視線を外側に外しながら説明してくれる。装置の前面には、中に入っている人間の心拍数や血圧、脳の働きを表す数値が表示されるパネルが備えられていた。それらの数値を読み解けば、口を開かなくとも頭で考えていることがおおよそ分かるらしく、実際彼の答弁は的確だった。科学サマサマである。
しかし、自分はサリュートと負けず劣らず神秘の国であるシュランと同盟に至るきっかけ話を聞いていたはずなのだが?
「……実は、オオヒトモドキ達は東海岸の先にある極東の島シュランにも接岸していた。奴らは上陸したシュランで神獣とされるパンダを襲い、住処である浮島に攫っていた」
そう言えば、クロエスドイルが押し掛けて来た時にパンダについてはイエニスタスが説明してくれていた。白黒の毛皮に覆われた熊のような動物で、目元が黒いところがクラリスに似ているとかどうとか……。
「そうだ。厄介なことに、パンダの外見はオオヒトモドキの雌に良く似ているのだそうだ」
ちょっと待て、それはおかしい。自分が知る限り、オオヒトモドキとはあの規模の生物として実に稀な雌雄同体の草食動物だったはずだ。それに、毛色も黒一色であると、接近禁止危険動物の項目に記されていた。
「ああ、その時まではずっとそう信じられていたし、今でも一部生物学者にしか知られていない。奴らの集合体には各一体の雌がいて、群れを構成する雄達の子を産んでいるのだそうだ」
何だそれは、まるで女王蜂と働き蜂だ。
「ああ、全くその通りの関係性らしい。未曽有の大洪水で流されたせいで、あの浮島の群れには雌がいなくなってしまったようだ……何かしらの事故や病気で雌が死んだ場合、他の集合体から奪ってくる習性もあるのだと、後に分かった」
それで、偶然接岸したシュランに生息していたパンダを雌だと思い込んで、自分達の群れに連れ去ったと言う訳か……シュラン人達にとっては、実に迷惑な偶然である。
と言うことは、囮を買って出たシャトリンがそのパンダを保護し、シュランに返したのだろうか?
「やはり君は鋭いな。隊長の木から引き離すために森の奥に誘き寄せようとした先で見つけた奴らの巣に、毛色の違う小さな個体を見つけたのだ。隊長が呼んでくれた飛竜で島を脱出する際、どうも気になって一緒に連れ出した。不幸中の幸いと言うべきか、そのパンダは雄で……幼獣だったために気付かなかったのだろうが、無理に交……いや、何の危害も加えられる前に保護出来、東海岸に捜索にやって来たシュラン人には大層感謝された」
女性である自らの手前、直接的な物言いをしそうになって少し考え、言い直したらしいシャトリンに、クラリスは少なからず安堵する。
神獣とされる無垢な動物の子供、しかも雄であるのに汚されなくて本当に良かった。自然界には性別取り違えもままあるらしいが、それでも被害に遭えば盛大なトラウマとなっただろう。何よりも雄だとバレたら、殺されていたかもしれない。
「後にある種の被害者であるオオヒトモドキの浮島を、南国に戻す手立てを考え出したのはシュラン人だ。彼の国との同盟で連合側が得るものは、今後も多大だろう」
全ての顛末を語り終えたシャトリンは、若干誇らしそうに見えた。
不法侵入は決して褒められたものではないが、件の生物学者には感謝である。オオヒトモドキに混じったパンダを不審に思い、保護したシャトリンの判断も実に素晴らしい。マチュー・ブリングルト隊長も、部下を見捨てるような人物でなくて良かった。
それに、やや無味簡素な説明口調の中で、彼の人物描写だけが突出して生き生きと感じられたことは、クラリスの思い違いではないだろう。マチューが副長であるシャトリンを信頼していたのと同じように、彼もまた隊長を深く尊敬していたに違いない。彼の実に人間らしいところを知ることが出来て、ほんのり嬉しくなる。
「……今のは分からなかった」
パネルに目を走らせたシャトリンは、不可解そうに少しだけ右眉を上げた。少し複雑な思考になると、さすがに数値の組み合わせからは読み取れないようだ。
今はまだ秘密でいい。面と向かっているとは言え、ガラス一枚隔てられたこの状況で知られるなんて味気ない。装置から出たら、ちゃんと自分の言葉で伝えたい。
貴方のことを、心から好きになり始めています。
一日の内シャトリンが正気に戻る一、二刻程の間に食事を済ませ、強力な滋養強壮剤を注射し、極力休んでもいたのだが、それで追いつくはずもない。ソリュートリアンならばミー・ガンは一ヶ月近く続くそうだが、彼がムライドであるために半分の日数で終わったことは、クラリスにとって幸いだった。
ヴォーグ・クワン家誇る医務室の最新設備を利用するのは専らクラッドで、妻フェレンルイエのミー・ガン後は睡眠医療装置で疲労回復を図ると言う。時季外れ生まれのフェレンルイエだったものの、それでも二週間は続くらしい。期間は二倍で、軍人ように鍛えている訳でもない生物学者であれば、クラリス以上に消耗が激しいはずだ。
我が身のため以上に、自らより寿命の長い妻のため、クラッドはミー・ガンの中和剤開発に生涯を捧げている。実に涙ぐましい努力だ、愛は偉大だと言わざるを得ない。
適温に保たれたゼリー状養液(今度はクォーカ味だった)に浸る彼女に、諸々の説明をしてくれているのは、装置の前の椅子に座るシャトリンだ。手持ち無沙汰なクラリスに、彼は寝る前に絵本を読んでくれる親の如く……否、上官の前で報告書を読み上げる部下のように、尊敬する父母の偉業や自らの経歴、個人的嗜好を生真面目かつ簡潔に語ってくれていた。
貴方のことを知りたい、と言ったクラリスの希望にシャトリンなりに全力で応えてくれているのだ。情緒はないが、彼の生い立ちを考えれば致し方ない。それでも、かつての上官のことを語る時だけ、仄かに目元を青く染めていたのがクラリスの目には印象的に映った。
シャトリンはミュラーリヤ連合関係者として、極東のシュランの地に初めて上陸した人間だ。多種多様な民族の中、軍事力に特化した極東の小島は長年鎖国を貫いていて、その民族背景が一昔前のサリュートを思わせる。サリュートとソルケットの血を引くシャトリンは、同盟交渉役に打ってつけではあったが、同盟成立に至ったきっかけは全くの偶然だったと言う。
ユーゴス大陸東側には、連合加盟国の貴族達がこぞって別荘を構える海岸線がある。そこは夏季になると、潮の流れに乗って大小様々な緑溢れる浮島が優雅に紺碧の海洋を遊泳するのだ。その神秘的かつ美しい景色は、その地の観光産業の目玉だった。それゆえに景観を守るため、如何なる者であろうとも浮島への上陸は禁じられている。
けれども、とある生物学者が最大規模の浮島、オメガフロルに不法侵入……更に厄介なことに、未知の人類生息の痕跡を発見してしまったらしい。その一報を受けて、連合極東支部は調査のために第一竜騎兵隊を派遣するに至ったのだ。それは十三年前、シャトリンがまだ副長だった頃のことだ。
* * *
ミュラーリヤ第一竜騎兵隊副長であるシャトリン大尉は、オメガフロルの密林に足を踏み入れた途端、心の中で盛大に溜息を吐いた。
人の背丈を優に超える植物の茂る密林に覆われた浮島は、空からの視界も利かない。また、水草等植物の遺骸が積み重なって泥炭化したらしい足場は、ゾーイ達の体重を支えるにはやや心許なかった。それゆえに飛竜は上空に残し、上陸した人間も隊長副長の二人だけだ。大勢で押し掛け、(本当に存在するかさえ)未知の新人類を警戒させるような下手は打てない。
極北の国サリュートは永久凍土の地で寒さへの耐性は人一倍あったが、湿気の多いじっとりとした暑さは苦手だ。熱帯独特の樹木はきつい臭気を放っていて、嗅覚も巧く働かなくなった。五感の内一つを潰されると言うのは、随分と憂鬱なものだ。
ただし、浮島群の中でも最大規模と言っても、精々小さな漁村程度の大きさだ。足場の強度を鑑みても、人口が三桁を超えることはないだろう……体力温存のために余計な口を開かず、シャトリンは頭の中でそう分析していた。
そして、鬱蒼とした森に分け入って半刻程経った頃、サリュートリアンと比べても群を抜いて鋭い彼の聴覚が、微かな異音を拾った。
「ブリングルト隊長、右斜め前方に人類らしき気配があります」
前を行く上官の元へ滑るように歩み寄ったシャトリンは、その耳元で囁くように警告する。
「ぉっ……と。いやはや、何の構えもなくお前の声を聞くとヒヤッとするな」
盛大に上げそうになった声をどうにか噛み殺した第一竜騎兵隊隊長、マチュー・ブリングルトは立ち止まって周囲を窺った後、ゆっくりと自らを振り返る。
「それは大変申し訳ありません。未知の人類を刺激したくなかったもので」
口元に苦笑を浮かべた十歳近く年嵩な上官に対し、シャトリンは至って無表情に謝罪した。
ファミロン人であるマチューは、どんな状況下でも笑顔を絶やさない非常に社交的な人物だ。身体能力的には、サリュート人はおろか一般的なムライドにも今一歩及ばないが、外交手腕に長けていた。神懸かり的な読心術も持っていて、人語を喋れない飛竜の良き理解者であり、情緒に乏しいムライドが多い隊を取り纏めるのにも彼程の適任者はいない。
要するに、シャトリンとは正反対な人間なのだ。
「分かってるよ。だがな、シャトリン。俺が女だったらヤバかったぞ……きっと落ちてた」
「隊長が女性だった場合、筋肉量は今よりも減るはずですから、足場が抜けることはないと思われますが?」
己より頭半分背の低いマチューが伸び上がってそう耳打ちしてきて、シャトリンは右眉を僅かに上下させる。
年若い己の能力を買って副長に推挙してくれたことには感謝しているし、自分にはない人間的魅力に溢れた彼を尊敬もしていた……だが、時折不可解かつ非論理的な会話を仕掛けてくるのには、辟易させられていた。
「まったく、図体ばかりデカい融通の利かない坊ちゃんめ。言葉通りに捉えるんじゃない、お前の低音は腰に響くって言ってるんだ。今みたいに誰彼構わず耳元で囁くんじゃないぞ、女はお前が思ってる以上に肉食だからな」
五年の付き合いで分かったことだが、彼は無類の女好きだった。いつも半ば強引に会話に異性を絡めようとする所も苦手である。御婦人方の食の嗜好と自分の声に、一体何の関連性があると言うのだ。
「ブリングルト隊長、私は先月で十七になりました。サリュートでは立派な成人です。坊主呼ばわりは適切でありません。今後は侮辱として受け取ると、前回そう呼ばれた時にも申し上げたはずですよ」
「よーく分かった、新成人のシャトリン君。この議題については後で呑みながらゆっくり話そう……で、何だって? この先にいるのは待望の新人類で間違いないのか?」
あくまでシャトリンの口調は淡々として、表情筋も固まったままだったが、裏に潜んだ不機嫌を得意の読心術で読み取ったらしいマチューは、さっさと話を元に戻す。煙に巻かれている気もしなくはないが、この頭の切り替えの早さは嫌いではない。
「断言は出来ませんが、少なくとも二足歩行の生命体が十体はいます。体格は我々と同等かそれ以上かと」
「俺には全く分らんが、お前が言うならそうなんだろう。学者先生の勘違いだと思ってたが、マジか……話の通じる連中であればいいんだがなぁ」
木々の遥か先から漏れ聞こえてくる物音からの推察を述べたシャトリンに対し、疑う素振りも見せないマチューから、自身に対する信用の厚さが窺い知れた。誰に対しても嘘は吐かないシャトリンではあるものの、手放しの信頼を実感するにつけて心がざわついてしまう。
リーサレク・ハロルド条約やスーシエとの取引で秘密事項の多い己には、ここまで絶対的な信頼を置かれる価値があるのかと……誰を相手にも効率化、論理的を信条として行動するシャトリンを煙たがる者は騎兵隊内に一定数存在する。厄介なことに、その大半が上級士官だった。
スーシエからヴォーグ・クワン家を名乗ることを禁じられたシャトリンは、母が神族の事実を秘匿する引き換えにソルケット移住許可を得ており、後ろ盾なぞ無きに等しい。マチューも言った通り、生粋のサリュート人以上に融通の利かない彼は、組織に所属する者にとって、ある意味では身体能力以上に必要不可欠な社交性及び協調性に欠けていた。
「……ったく、本当にまだまだ坊ちゃんだな」
「それは侮辱ですっ……」
溜め息交じりに吐き捨てるマチューに、不意を突かれたシャトリンは微かに語気を乱すが……。
「隊長が副長を信用出来なくって、どうするんだ?」
珍しく真顔で続けられた台詞に、二の句が告げられなくなる。
「お前がどんな複雑な生い立ちかは知らないが、想像くらいつく。口に出したことに嘘がないことだって分かってる。仕事の上で知らなきゃならないことが、他にあるか? ないないっ、今まで上手くやってこられたんだ。行き当たりばったりな俺にとって、お前ほど良い副長……女房役はいないよ」
そう言いながら、まるで犬か何かのように頭を掻き混ぜてくる。遠慮のない爪先が頭皮に刺さり、決して快いとは言えない感触ではあったが、不思議と振り解こうと言う気にならなかった。何となく、離れて暮らす実父の手を思い起こさせる。
「おいおい、俺はまだ三十六だぞ。お前みたいなデカい息子を作った覚えはない」
「……時折、隊長が本当はハルカン人ではないかと思うことがあります」
細かな考えまで読み取って揶揄してくる隊長に、シャトリンは半ば戦慄した。
「あんな怪しげな連中と一緒にするな、俺のは経験と洞察力だ。それにだな、ただ無表情なだけで存外分かり易いよ、お前って」
納得いかないが、実際問題そうなのだろう。胸の内側を掻き毟るような不快感は、不慣れな大陸東海岸気候のためだけではない。サリュートリアン以上に感情を制御抑制出来るように努めてきたのに、こうも易々と動揺を誘われてしまうことが悔しかった。どうにも心がかき乱されるのを止められない。
非論理的な悪態が口を衝きそうになって、シャトリンはぐっと奥歯を噛み締めた。同時に蟀谷を汗が伝い、更なる不快感を煽られる。
「おい、そこは目をキラキラさせて『さすがは隊長、男前なだけでなく超有能ですね』って言うとこだぞ、シャトリン……まあ、それ言えたらとっくに追い抜かれてたか。上司に対する上手いヨイショも、夜呑みながら教えてやるよ」
「不要です。一体、いつ酒宴を設けることに同意して」
「しっ……何か聞こえた」
ついムキになり掛けたところで、マチューが口元に指を立てて制される。また流された……と思ったのは一瞬で、シャトリンの耳にもパチリと何かが弾けるような音が届いた。マチューの肩越しに視線を投げると、少し先に群生する銀葉樹の隙間から、宙にキラキラと黄色い飛沫が上がっている。
「リューカコリーナ」
シャトリンは僅かに瞠目し、思わずそう呟いた。
「何だアレっ……、もがっ?」
そして、同じくそれに気付いて呟き、そちらに向かおうとするマチューの口を塞ぎ、すぐ側の木陰に引きずり込む。
「今から手を放しますから、絶対に騒がないでください」
目を白黒させて手足をバタつかせる上官の背を巨木に縫い付け、常に増して厳めしい表情と言葉で制すると、彼はようやく口を塞いでいた手を放す。
「……ぷはっ、一体何なんだっ?」
「先程の破裂音はリューカコリーナの実が弾け、胞子を飛ばす音です。リューカコリーナが『何』の主食かは、隊長もご存知でしょう?」
己を睨みつけながら、それでも囁き声で抗議してくるマチューに、シャトリンも抑えた声で答えると、その顔色が変わった。
「ここに奴らがいるって言うのかっ? あいつらは、エジンサハラにしかいないんじゃなかったのかっ……!」
「そう思っていましたが、同じ熱帯です。生息地としては適しています。この暑苦しさと木々の臭いで思考力と嗅覚を鈍らされ、今の今までその存在に気付けませんでしたが、二足ではなく一足歩行の可能性が高い」
「……おい、お前さっき『二足歩行の生物が十体』って言ってなかったか? 奴らが二十体とか、勘弁してくれよ……こっちを気取られてないだろうな?」
シャトリンの今の言葉に、前に告げた推察からさっと計算し直して問うて彼に頷き掛けたが、再び耳に届いた物音と微かな足場の振動に右眉を跳ね上げる。
「どうも気付かれたようです。こちらに向かってきます……ですから、隊長はこのフショアの木に登ってください。あの高機能社会不適合生物達は、木に登れませんから」
「俺はって、お前はどうするつもりだ?」
「囮になります」
「おいっ、ふざけんなよ。隊長がそんな格好悪いことさせられるかっ……」
迷わず答えたシャトリンに、憤慨した様子でマチューは首を横に振る。
「失礼を承知で申し上げるが、足手纏いです。貴方の方が身軽だから頼んでいるのです、木に登ったら飛竜を呼んでください。それが論理的です」
しかし、シャトリンも首を横に振り、きっぱり言い返した。
「くぅっ……お前ってば、本当に可愛げしかない坊ちゃんだよ」
「皮肉は後で幾らでも聞きます、急いでください」
「わあっ……もう、後で覚えてろよ! 呑みながら上司に対する正しい口の利き方について、朝まで説教だっ」
四の五の言い募ろうとするマチューの身体を反転させ、巨木に押し付けると、彼は更にぶつくさ言いながら手足をその幹に掛けた。己に比べれば身体能力は今一つでも、外交的な性格以外にその身軽さもファミロン人の取り柄の一つだ。木登りには不向きな騎兵ブーツでも、猿のように器用にスルスルとフショアの大木を登っていく。
その姿が枝葉の陰で見えなくなったのを確認すると、シャトリンは視線を前に戻す。既に大地を揺るがす振動はビリビリと空気を震わせて彼の胸を衝き、上下に震える木々の間からは、黒々とした一本足の多毛生物の姿が見えていた。
* * *
ミュラーリヤ第三弓騎兵隊隊長であるクラリス・ヴィアッカは、睡眠医療装置の中で小首を傾げた。
「君の推察通り、そこにいたのは新人類ではなくオオヒトモドキだった。恐らく数年前にあった大洪水の時だろう……浮島群の一部は、遥々南国から潮の流れに乗って東海岸に到達したようだ。元々の気候が似通っていて同じような浮島もあったから、気付かれることなく奴らがそこに居つくことを許してしまったのだ」
目の前のシャトリンは、クラリスの顔が見える窓からやや視線を外側に外しながら説明してくれる。装置の前面には、中に入っている人間の心拍数や血圧、脳の働きを表す数値が表示されるパネルが備えられていた。それらの数値を読み解けば、口を開かなくとも頭で考えていることがおおよそ分かるらしく、実際彼の答弁は的確だった。科学サマサマである。
しかし、自分はサリュートと負けず劣らず神秘の国であるシュランと同盟に至るきっかけ話を聞いていたはずなのだが?
「……実は、オオヒトモドキ達は東海岸の先にある極東の島シュランにも接岸していた。奴らは上陸したシュランで神獣とされるパンダを襲い、住処である浮島に攫っていた」
そう言えば、クロエスドイルが押し掛けて来た時にパンダについてはイエニスタスが説明してくれていた。白黒の毛皮に覆われた熊のような動物で、目元が黒いところがクラリスに似ているとかどうとか……。
「そうだ。厄介なことに、パンダの外見はオオヒトモドキの雌に良く似ているのだそうだ」
ちょっと待て、それはおかしい。自分が知る限り、オオヒトモドキとはあの規模の生物として実に稀な雌雄同体の草食動物だったはずだ。それに、毛色も黒一色であると、接近禁止危険動物の項目に記されていた。
「ああ、その時まではずっとそう信じられていたし、今でも一部生物学者にしか知られていない。奴らの集合体には各一体の雌がいて、群れを構成する雄達の子を産んでいるのだそうだ」
何だそれは、まるで女王蜂と働き蜂だ。
「ああ、全くその通りの関係性らしい。未曽有の大洪水で流されたせいで、あの浮島の群れには雌がいなくなってしまったようだ……何かしらの事故や病気で雌が死んだ場合、他の集合体から奪ってくる習性もあるのだと、後に分かった」
それで、偶然接岸したシュランに生息していたパンダを雌だと思い込んで、自分達の群れに連れ去ったと言う訳か……シュラン人達にとっては、実に迷惑な偶然である。
と言うことは、囮を買って出たシャトリンがそのパンダを保護し、シュランに返したのだろうか?
「やはり君は鋭いな。隊長の木から引き離すために森の奥に誘き寄せようとした先で見つけた奴らの巣に、毛色の違う小さな個体を見つけたのだ。隊長が呼んでくれた飛竜で島を脱出する際、どうも気になって一緒に連れ出した。不幸中の幸いと言うべきか、そのパンダは雄で……幼獣だったために気付かなかったのだろうが、無理に交……いや、何の危害も加えられる前に保護出来、東海岸に捜索にやって来たシュラン人には大層感謝された」
女性である自らの手前、直接的な物言いをしそうになって少し考え、言い直したらしいシャトリンに、クラリスは少なからず安堵する。
神獣とされる無垢な動物の子供、しかも雄であるのに汚されなくて本当に良かった。自然界には性別取り違えもままあるらしいが、それでも被害に遭えば盛大なトラウマとなっただろう。何よりも雄だとバレたら、殺されていたかもしれない。
「後にある種の被害者であるオオヒトモドキの浮島を、南国に戻す手立てを考え出したのはシュラン人だ。彼の国との同盟で連合側が得るものは、今後も多大だろう」
全ての顛末を語り終えたシャトリンは、若干誇らしそうに見えた。
不法侵入は決して褒められたものではないが、件の生物学者には感謝である。オオヒトモドキに混じったパンダを不審に思い、保護したシャトリンの判断も実に素晴らしい。マチュー・ブリングルト隊長も、部下を見捨てるような人物でなくて良かった。
それに、やや無味簡素な説明口調の中で、彼の人物描写だけが突出して生き生きと感じられたことは、クラリスの思い違いではないだろう。マチューが副長であるシャトリンを信頼していたのと同じように、彼もまた隊長を深く尊敬していたに違いない。彼の実に人間らしいところを知ることが出来て、ほんのり嬉しくなる。
「……今のは分からなかった」
パネルに目を走らせたシャトリンは、不可解そうに少しだけ右眉を上げた。少し複雑な思考になると、さすがに数値の組み合わせからは読み取れないようだ。
今はまだ秘密でいい。面と向かっているとは言え、ガラス一枚隔てられたこの状況で知られるなんて味気ない。装置から出たら、ちゃんと自分の言葉で伝えたい。
貴方のことを、心から好きになり始めています。
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