10 / 18
第10話 愛してるとは絶対言いません
しおりを挟む
目を覚ますと、私はベッドの中でした。
コーディは怒り顔で私を見下ろしています。
「なぜこんな事をしたんですか?なぜ自分を傷付けるような事をしたんですか!」
コーディが声を荒げる姿を初めて見ました。本気で怒っているようです。
「決まってるでしょう。ここから逃げるためです」
「まさか窓から飛び降りるとは僕の想定外でしたが、ケガして動けなくなっては本末転倒でしょう」
「ここに閉じ込めたあなたには言われたくありません」
「そんなにここが嫌ですか?」
「当たり前です!」
「だったら、僕を愛していると言ってください」
「それはもっと嫌です!」
「どうしてですか?ア・イ・シ・テ・イ・ル、たかだか6音ですよ。嘘で言っても僕には分からないし、僕さえ本気の言葉だと信じればいいだけの事です」
「もし私が愛していると言ったらどうするつもりですか?」
「どうもしないよ。僕が欲しいのは君の愛、それが手に入ればそれで終わりさ。愛は長く持ち続けると壊れてしまうものだろう?だから僕は結婚はしないし、君と過ごしたこの何ヶ月間を愛の記憶として心に刻み、僕は次の愛を求めて再出発するんだ」
うっとりと語るコーディを見て、私はこの人とは一生分かり合えないと確信しました。
「あなたを愛してるなんて言いません、絶対に!」
「僕の想像つかない大胆な行動をしたから君はすっかり心を解放できたんだと思ったけど、まだ足りなかったみたいだね…
本当の君は誰も愛していない。僕と同じで、いつでも自由でいたい人なんだ、なぜ気付かない?」
「出て行って、一人にしてください」
その夜、私は枕に顔を埋めて子供の様に泣き続けました。
* * *
それからの数日間、ナイトドレスを着替える事もなくベッドに横たわったままの私は、平穏な日々を過ごしました。
メイドのジェシーが塗ってくれた薬草は効果絶大で、五日後には何とか歩けるくらいまで右足は回復していました。
このままだとまた前の生活に戻ってしまいます。それだけは避けたい。
私は一か八かの賭けに出る事にしました。
それは、ダルトンにひとつのお願いをする事です。彼がそれを叶えてくれる保証は全くありません、これは本当に賭けでした。
ダルトンが屋敷にやってくる日、私は足首の包帯を解いて塗られた薬草を人差し指で拭い取ると、それを使ってシーツに手紙を描きました。
その部分を引きちぎって丸めると、ダルトンが窓の下を通るタイミングで落としました。
後は運を天に任せるだけです。
そして二週間後、その日はやって来ました。
コーディは怒り顔で私を見下ろしています。
「なぜこんな事をしたんですか?なぜ自分を傷付けるような事をしたんですか!」
コーディが声を荒げる姿を初めて見ました。本気で怒っているようです。
「決まってるでしょう。ここから逃げるためです」
「まさか窓から飛び降りるとは僕の想定外でしたが、ケガして動けなくなっては本末転倒でしょう」
「ここに閉じ込めたあなたには言われたくありません」
「そんなにここが嫌ですか?」
「当たり前です!」
「だったら、僕を愛していると言ってください」
「それはもっと嫌です!」
「どうしてですか?ア・イ・シ・テ・イ・ル、たかだか6音ですよ。嘘で言っても僕には分からないし、僕さえ本気の言葉だと信じればいいだけの事です」
「もし私が愛していると言ったらどうするつもりですか?」
「どうもしないよ。僕が欲しいのは君の愛、それが手に入ればそれで終わりさ。愛は長く持ち続けると壊れてしまうものだろう?だから僕は結婚はしないし、君と過ごしたこの何ヶ月間を愛の記憶として心に刻み、僕は次の愛を求めて再出発するんだ」
うっとりと語るコーディを見て、私はこの人とは一生分かり合えないと確信しました。
「あなたを愛してるなんて言いません、絶対に!」
「僕の想像つかない大胆な行動をしたから君はすっかり心を解放できたんだと思ったけど、まだ足りなかったみたいだね…
本当の君は誰も愛していない。僕と同じで、いつでも自由でいたい人なんだ、なぜ気付かない?」
「出て行って、一人にしてください」
その夜、私は枕に顔を埋めて子供の様に泣き続けました。
* * *
それからの数日間、ナイトドレスを着替える事もなくベッドに横たわったままの私は、平穏な日々を過ごしました。
メイドのジェシーが塗ってくれた薬草は効果絶大で、五日後には何とか歩けるくらいまで右足は回復していました。
このままだとまた前の生活に戻ってしまいます。それだけは避けたい。
私は一か八かの賭けに出る事にしました。
それは、ダルトンにひとつのお願いをする事です。彼がそれを叶えてくれる保証は全くありません、これは本当に賭けでした。
ダルトンが屋敷にやってくる日、私は足首の包帯を解いて塗られた薬草を人差し指で拭い取ると、それを使ってシーツに手紙を描きました。
その部分を引きちぎって丸めると、ダルトンが窓の下を通るタイミングで落としました。
後は運を天に任せるだけです。
そして二週間後、その日はやって来ました。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる