婚約破棄したいんでしょう?って、何を勝手に決めつけてるんですか

NoBorder

文字の大きさ
14 / 18

第14話 俺は丘の上に立つ屋敷に来た

しおりを挟む
俺は、とある屋敷の前に立っていた。ここは領主ランバートの息子、コーディの屋敷だ。

俺の名はエドワード、この国の第一王子だ。いや、だったと言うべきか…おれの王位継承権はおそらく抹消されたはずだ。

あの舞踏会の夜、置手紙を残して消えたエレーヌ。
父王、母王妃、ハバロッティ伯爵、伯爵夫人、皆がエレーヌをなじり、婚約を解消すると言った。

でも俺は信じなかった、きっとこれには何か事情があるはずだ。
協力してくれる者はいない、俺は周囲の反対を押し切ってエレーヌを探す旅に出た。
父王は「お前は王位継承者、失格だ」と言った。上等だ、もう周囲の人間に愛想笑いをふりまく事にもウンザリしていた。

いくつもの町や村を訪れたが、エレーヌの足取りはまるで掴めなかった。そのことが逆にエレーヌの身に何か起こっている事を想像させた。

俺は裏社会のギルドに接触し、ある有力な情報を入手する事に成功した。
それは『地方領主の息子が密偵組織を作り、その組織が城から伯爵令嬢を誘拐した』というものだった。

俺は確信した。そして、ここにやって来た。

正門を手で押すとギギギ…と音を立てて開いた、カンヌキは掛けられていなかった。
(罠かもしれない)夕日で赤く染まる屋敷はまるで燃えているようで、これから起こる事を予感させた。

屋敷に鍵は掛かっておらず、建物内は静まり返っていた。
俺は剣を抜くと部屋の扉をひとつずつ開けていった…

二階のある部屋の前に来た時、俺はただならぬ殺気を感じて立ち止まった。

俺は剣を握り直すと、思い切りドアを蹴り開けた。

逆光でシルエットしか判らないが、それは若い男だった。

「コーディ・ランバートだな?」

返事はない。目が慣れてくるとその男の顔が見えた、やつれているが眼光は鋭い。

「エレーヌはどこだ、返答次第では…お前を切る!」

「なぜここに来た…君はエレーヌに振られたんだ、諦めろよ」

「お前の悪だくみだという事はもう分かっているんだ。さあ、エレーヌを返せ」

「君にはいくらでも代わりがいるじゃないか、なんでエレーヌに拘るんだ?」

「お前に俺とエレーヌの何が分かる?俺が愛を伝えたのはエレーヌだけだ!」

 * * *

学院の食堂、俺はクラスの悪友たちと昼食を食べていた。

「じゃあ昼飯代を誰が払うかジャンケンしようぜ!」

ジャックが言い出した、まあ、いつもの事だ。

「たまには飯代以外のものを賭けないか?」

ビルがいたずらっぽく言った。

「面白そうだな、何を賭ける?」

俺は話に乗った。

「負けた奴が女子に告白するってのは?」

ビルの提案に俺達は賛成した。

「じゃあいくよ。ジャーンケーン…ポン!」

俺はグー、他の奴らはパーだった。

「…はめたな?」

「そんな事はないさ、偶然だよ」

ビルは笑いをこらえながら言った。

「さあ、王子様は誰がお好きなのかな?」

ジャックが俺をからかった。

ここで怒って無かった事にしてしまうのも無粋というものだ、かと言って俺もそれなりに女子人気がある、特定の女子に告白すれば大騒ぎになるのは目に見えていた。

さて、どうしたものか?俺は考えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

《完結》悪女と噂されたわたくしのざまぁ

ヴァンドール
恋愛
悪女と噂のわたくしとの結婚なら、どれほど軽んじても問題はないと思っていた旦那様。 ところが……。

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜

百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。 「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」 ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!? ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……? サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います! ※他サイト様にも掲載

【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。

かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。 謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇! ※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

処理中です...