スピードスケープ2025 -ロボット暴走!調査編-

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第7話

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調査3日目、ハヤセモータース城杜しろもり工場
ふたたび工場を訪れた章生あきお丹下たんげは品質管理部の山際やまぎわに案内され構内を歩いていた。
そこに通りかかった政府の視察団が目に入る。

「‥しかし、身長4メートルとは思ったより小さかったな、ガンダーGは18メートルだぞ」
経産省の田沢副大臣はガンオタらしい発言をした。
「一般道を移動する事を考えたら、このサイズが適当なのでは?」
経産省の多部たべ事務次官は真っ当な意見を言った。
「いや、市街地での活動を考えたらこれでも大きすぎる‥動力補助服パワーアシストスーツに比べた利点は何だ」
押し殺した様に話すその男は目つきが鋭く、鍛えた体がスーツ姿でも想像できるような、他の官僚とは明らかに異質な存在だった。
ハヤセモータース広報部長の鈴木は満面の作り笑顔で語り始めた。
「そうですね、動力補助服は人体の動きを直接増幅ぞうふくするわけですが、関節部が人体とかぶる関係上、強度やモーターパワーを上げるにも限界があります。 その点、PDは人体から関節部が完全に独立していますから、関節部の強度を上げられるだけでなく、モーターもハイパワーにできるわけです。
その構造上、動力補助服より大型でにはなりますが、市街地での運用も可能な大きさにまとめ上げる事ができたと自負しております‥」
「体の動きに追従させる以上の操作性は担保されているのか?」
「それに関しましては最新の量子コンピュータによるAIによってドライバーの意志を推測し‥」
「もういい、パンフレットのキャッチコピーを聞きたい訳じゃない、PDが本当にパイロットの意志通り動くのかを聞いている」
「オイ、そこにいるのは国交省の事故調査官だろ!」
黙ってその場を去ろうとした章生を田沢は目ざとく見つけた。
「ああ、これは副大臣、視察お疲れ様です」
「調査はどうなっている?ロボット産業は日本の技術を世界に売り込む政策の柱なのだ。原因は操縦ミスなんだろう?早くそう書いた報告書を提出したまえ」
田沢は章生にプレッシャーを掛けた。
「多角的視点から調です」
章生は語気を強めて言った。
「ふん、国交省はのんびりしているな!」
嫌味を残して立ち去る田沢たち視察団、章生はその中の目つきの鋭い男と一瞬目が合った。

「モーターショー開催に合わせての視察だったんでしょうね、中止にすれば良かったのに」
視察団が見えなくなってから、章生は同行する山際に聞こえないくらいの小声で丹下にささやいた。
「偶然ばったり出会うとはついてませんな」
「多分、偶然じゃないでしょう‥それよりも 一人ひとり気になる人物がいたんですが」
「目つきの鋭い?私も只者ではないと感じましたが、あれは恐らく自衛官、それも実戦経験がありますな」
「刑事の#勘
検査棟
品質管理部の一室を仮設の分析室に使っている科捜研チームの樺島と合流する章生と丹下。
「事故機を分解してセンサー系の測定を行いましたが全て正常範囲でした。それからソフトウエア系ではシステムログとエラーログの解析を行いましたが、動作シーケンスの異常もプログラムのバグも発見できませんでした」
「そうですか‥」
明らかに落胆する章生。
「OSのソースコードを調べる事はできませんか?」
流石さすがにソースコードとなると企業秘密ですから、余程よほどの確証がないと調べるのは難しいんじゃないでしょうか」
「確証ですか‥」

検査部の山際と構内を歩いている章生と丹下。
トレーラーに積まれ工場から出荷されようとしている事故機とは色違いのPD-105を目にする。
「これは?」
章生が山際に聞く、
「量産型のPD-105です」
「えっ、もう量産型が作られていたんですか‥これはどこに運ばれるんですか?」
山際は少しばつが悪そうに答える、
「えっと、東京新宿のショールームです‥来週、発表会なので‥」
それを聞いた章生の中で、不信感はいよいよ確信へと変わったのだった。
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