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第18話
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ディープスペース内 ハヤセモーターススタッフルーム
「誰だお前ら!どうやって入ったんだ!」
大声に驚いて章生が振り返ると、怒りに震える黒崎が立っていた。
「黒崎さん、どこに行っていたんですか?」
「受付から呼び出されたんだよ、お前らの仕業だろ!勝手に入って何をしてた?」
「OSを修正しました、これでPD-105の暴走は止まります」
綾可は冷静に言った。
「暴走だと、何を言ってる?」
「黒崎さん、あたたはアルファを使うべきではなかった。何故自分の力でOSを作ろうとせず、博士のアルファに頼ってしまったのですか」
「うるさい、アルファは奇跡なんだ、たまたま桐生森雄には奇跡が起きて、僕には起きなかった、そんなの不公平じゃないか!」
「あの、一体何が起こっているのか説明していただけませんか」
二人の会話が理解できずに章生はぼんやりと話を聞いていた。
「それよりも、急がないとまた事故が起こるのではありませんか」
綾可の言葉で章生は我に返った、
「そうでした、早く現実世界の105を止めないと!」
* * *
現実世界のロボットモーターショー会場
『突然ではございますが、ハヤセモータースとホンマ技研のロボットによるデモンストレーションバトルを中断させていただきます‥』
アナウンスが流れ、ざわつく観衆。
「中断ってどういうことよ!」
思わず声を上げるろんり。その時、携帯が鳴った。
(え、アヤカ?)
* * *
現実世界 ハヤセモーターススタッフルームの前
章生の連絡を受けてやって来た丹下がドンドンとドアを叩いた。
「黒崎さんドアを開けてください」
ドアが開き、いらいらした表情の黒崎が現れた。
「うるさい!忙しいんだ、後にしてくれ」
「そのコンピューターを調べさせて頂きます」
一瞬にして黒崎の顔色が変わった。
「こ、このPCには企業秘密が詰まってるんだ、勝手に触るのは許さないぞ!」
「事故の捜査にご協力願います」
科捜研の樺島は机のノートPCに駆け寄ると、コンソール画面でアクセス状態を確認した。
「やはりPD-105はこのPCを中継器にして管理サーバー以外のコンピュータと通信していますね」
「黒崎さん、説明していただけますかな?」
丹下が問い詰める。
「そ、それは開発用のサーバーさ‥PDの制御に使っているのは管理サーバーだけって訳じゃないんだ」
「それなら、なぜ調査の時にはそのサーバーの存在を隠したんですか!」
そこに開発本部長の三田がやってくる、
「何の騒ぎです?国交省だけでなく警察まで我が社の重要イベントを邪魔なさるんですか?」
「先日の事故に関係する情報を、故意に隠していた可能性が出て来ましたので‥」
「故意に隠したですと?黒崎君、誤解が無い様にちゃんと説明して差し上げなさい」
「‥ああ!ばからしい」
激高していた黒崎の表情が急に冷笑へと変わった、
「じゃあ、どうすれば良かったんだ?
桐生森雄が残していったラムダOSは子供だましもいいとこだった‥そんな訳ないんだ!きっと別のOSを作っていた筈だ、そう思った僕はあらゆる手段を使って探しまくった‥そして見付けたんだ」
「それがアルファだったんですね?」
ディープスペースから戻って駆け付けた章生が言った。
『アルファは存在しません!あれは廃棄されたんですから』
三田がヒステリックに言った。
「これから話す事は、ある筋から聞いた話に私の想像を加えたものですので、訂正できる方がいればお願いします」
そう前置きしてから章生は話し始めた。
「アルファはラムダOS以前に開発されたロボット制御システムで、桐生森雄博士が発明した自動開発システム『ADS』が生み出した最初のプログラムでした。
その特徴は、AI補助による自在な操縦性にあります。しかし、完成したアルファは暫くすると全くドライバーの操作を受け付けなくなった。
原因を調べる為にアルファのAIに対して様々なテストを実施しましたが、その過程で思わぬ人身事故が発生した。そして、この事故をきっかけにアルファの使用は危険だと判断され‥」
「解体して廃棄された、だからアルファが存在する訳がない。だろ‥バカが!みんな桐生森雄に騙されたんだよ」
黒崎が吐き捨てる様に言った。
「誰だお前ら!どうやって入ったんだ!」
大声に驚いて章生が振り返ると、怒りに震える黒崎が立っていた。
「黒崎さん、どこに行っていたんですか?」
「受付から呼び出されたんだよ、お前らの仕業だろ!勝手に入って何をしてた?」
「OSを修正しました、これでPD-105の暴走は止まります」
綾可は冷静に言った。
「暴走だと、何を言ってる?」
「黒崎さん、あたたはアルファを使うべきではなかった。何故自分の力でOSを作ろうとせず、博士のアルファに頼ってしまったのですか」
「うるさい、アルファは奇跡なんだ、たまたま桐生森雄には奇跡が起きて、僕には起きなかった、そんなの不公平じゃないか!」
「あの、一体何が起こっているのか説明していただけませんか」
二人の会話が理解できずに章生はぼんやりと話を聞いていた。
「それよりも、急がないとまた事故が起こるのではありませんか」
綾可の言葉で章生は我に返った、
「そうでした、早く現実世界の105を止めないと!」
* * *
現実世界のロボットモーターショー会場
『突然ではございますが、ハヤセモータースとホンマ技研のロボットによるデモンストレーションバトルを中断させていただきます‥』
アナウンスが流れ、ざわつく観衆。
「中断ってどういうことよ!」
思わず声を上げるろんり。その時、携帯が鳴った。
(え、アヤカ?)
* * *
現実世界 ハヤセモーターススタッフルームの前
章生の連絡を受けてやって来た丹下がドンドンとドアを叩いた。
「黒崎さんドアを開けてください」
ドアが開き、いらいらした表情の黒崎が現れた。
「うるさい!忙しいんだ、後にしてくれ」
「そのコンピューターを調べさせて頂きます」
一瞬にして黒崎の顔色が変わった。
「こ、このPCには企業秘密が詰まってるんだ、勝手に触るのは許さないぞ!」
「事故の捜査にご協力願います」
科捜研の樺島は机のノートPCに駆け寄ると、コンソール画面でアクセス状態を確認した。
「やはりPD-105はこのPCを中継器にして管理サーバー以外のコンピュータと通信していますね」
「黒崎さん、説明していただけますかな?」
丹下が問い詰める。
「そ、それは開発用のサーバーさ‥PDの制御に使っているのは管理サーバーだけって訳じゃないんだ」
「それなら、なぜ調査の時にはそのサーバーの存在を隠したんですか!」
そこに開発本部長の三田がやってくる、
「何の騒ぎです?国交省だけでなく警察まで我が社の重要イベントを邪魔なさるんですか?」
「先日の事故に関係する情報を、故意に隠していた可能性が出て来ましたので‥」
「故意に隠したですと?黒崎君、誤解が無い様にちゃんと説明して差し上げなさい」
「‥ああ!ばからしい」
激高していた黒崎の表情が急に冷笑へと変わった、
「じゃあ、どうすれば良かったんだ?
桐生森雄が残していったラムダOSは子供だましもいいとこだった‥そんな訳ないんだ!きっと別のOSを作っていた筈だ、そう思った僕はあらゆる手段を使って探しまくった‥そして見付けたんだ」
「それがアルファだったんですね?」
ディープスペースから戻って駆け付けた章生が言った。
『アルファは存在しません!あれは廃棄されたんですから』
三田がヒステリックに言った。
「これから話す事は、ある筋から聞いた話に私の想像を加えたものですので、訂正できる方がいればお願いします」
そう前置きしてから章生は話し始めた。
「アルファはラムダOS以前に開発されたロボット制御システムで、桐生森雄博士が発明した自動開発システム『ADS』が生み出した最初のプログラムでした。
その特徴は、AI補助による自在な操縦性にあります。しかし、完成したアルファは暫くすると全くドライバーの操作を受け付けなくなった。
原因を調べる為にアルファのAIに対して様々なテストを実施しましたが、その過程で思わぬ人身事故が発生した。そして、この事故をきっかけにアルファの使用は危険だと判断され‥」
「解体して廃棄された、だからアルファが存在する訳がない。だろ‥バカが!みんな桐生森雄に騙されたんだよ」
黒崎が吐き捨てる様に言った。
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