不老不死になって一億年が経った

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異世界

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 俺とメアリはリーザの案内で王都の最高級ホテルでとりあえずは腰を据えることにした。
 リーザ曰く、最高級なだけあってセキュリティはもちろんのこと、風呂やキッチンなど、日常生活において必要なものはすべて揃っており、まず庶民が考え得る範囲で困ることは無いという。
 受付のエルフと思われる金髪のお姉さんが、慣れない俺たちを丁寧に部屋まで案内してくれた。部屋の前まで来ると優雅なお辞儀をして去っていく。その後ろ姿でさえも俺のような庶民を恍惚とさせる。

「……」

 とりあえずボーッとしてみる。まだその金色に輝くずっしりとした質量を感じさせるドアノブを握ってはいない。
 ドアノブに手をかけ、そして捻る。

「ん?」

 やけに重たいドアだ、そう思ったのも束の間、先ほど俺たちを案内してくれたクールなエルフお姉さんが慌てふためいた様子で走ってくるのが見えた。

「ももも、申し訳ございません~! 鍵を渡すのを忘れておりましたぁ~!」

 そのギャップに思わずに笑いが洩れる。
 あわわと何度も頭を下げた後、少し早歩きでお姉さんは去っていった。

「……悪くないな」

 俺が顎に手を当ててふむふむと頷いていると、メアリが俺の手から少々乱暴に鍵をぶんどる。
 カチッと、解錠の音。メアリが躊躇なくドアノブを捻り、その扉を開けた。

「おお」

 まず視線を奪われたのが天井にぶら下がる巨大なシャンデリア。一つ一つの電球にいくらかけているのだと心配になるくらいに豪華なものが数十とついている。部屋の隅にはベッド、天井付きである。気になるのはベッドが一つしかないところだろうか。大きさ的には五人は川の字に寝られるが……。
 と、ベッドに気を取られていると、リーザの叫び声。トイレからだ。

「和人! トイレで寝られるね!」

 寝られるかっ。とマニュアル通りのツッコミを入れたい所だが、覗いてみると当たり前のようにツッコめるものもそうではなくなる。
 部屋単位で備え付けられているのだから便器は一つポツンと設置してあるのが俺の中での常識だった。しかし王都の最高級ホテルなるところのトイレにはテレビやエアコン(みたいなもの)が設置してあった。

「ほう、これは確かに華美だな」

 メアリの感嘆が聞いてとれる。って……

「メアリ、お前見えるのか?」
「このホテルに入った時、神石が復活した。おそらくこのホテル内の異常な魔力が歪みを打ち消したのだろう」

 よくわからんが、とりあえずここにいればメアリは本来の力を発揮できるってことか。つまり、メアリの仕事が遂行できるということか?

「リーザ、お前の願いを二つ叶えてやろう」

 唐突に仕事にとりかかりやがった。メアリのことだ、仕事が終わればすぐに帰る気なのだろう。せっかく異世界に来たのにな、もう帰るのは少し寂しい気がする。リーザにも詳しいことは何も話してないし、混乱するだろうな。


「リーザの、願い……?」

 まんまるの目でポカーンとするリーザ。自分の願いが叶えられることはこの上ない喜びだが、急に聞かれてもすぐには出てこないのがあるあるだな。俺の場合は自分の願いではなく、おおよそ人類の願い、といったところか。リーザは何を願うんだろうな。やはりテッパンなのが大富豪かな。リーザは盗賊をやっていたって言ってたし、お金には目がないだろう。俺もお金持ちにしてもらえればよかったな。

「私は……」

 頬を赤らめて俺を見つめる。眉をくいっとあげ、俺に向かって人差し指を伸ばして答えた。


「和人と、結婚する」

 もし一分ほど過去に戻れるのだとしたら、俺は仕事にとりかかろうとするメアリを止めていただろう。もはや俺は洩れる声すらも洩れないほどに喉を詰まらせていた。
 俺の記憶だと、メアリが願い事を断ることは決してなかった。メアリ自身も、断ることのないよう無難そうな客を選んでいたに違いない。
 俺の母親の願い事とはいえ、メアリは俺に惚れている。普通ならばリーザの願いは叶えたくないものだろう、俺との二万年を超える付き合いでは越えられなかった壁をたった一言の願いで越えようとしているのだから。

「分かった。その願い、叶えてやろう」

 調子を乱すことなくその言葉を発したのは他になくメアリ。
 でも、結婚って、どんな風に叶うんだ?

「一つ目の願いは叶えた」
「ほんとに!?」

 この「願い事」というのは単純ではない。例えば一生かけても返しきれない多額の借金を背負っている人間が願う「大金持ちになりたい」という願いの根本は、実は「借金を返済し、自由で人並みの生活がしたい」というものだったりする。もちろん例外もあるが、メアリはその願いの根本を見定める能力がありその心を読んでいるのだ。
 俺の場合は中身が詰まっていなさすぎて根本が読めなかったから言葉通りにしてやったと言われたが。
 リーザの「結婚したい」という願いの根本は一体……。

 「リーザの願いの根本は和人、お前と共にいたいという思いだ。悪いがしばらくお前はこの世界から出られない」
「出られないって、どのくらい」
「リーザが願うまでだ。帰ってほしいと願うまで」

 ゲートを開くには神石の力が必要。しかし願いのコントロールをしているのは神石。つまり帰れないってわけか。
 幸いなことにまだこの世界には飽きていない。しかしあと一つの願いをリーザがとっておかなければ俺は一生ここで暮らすことになる。ここには忘れかけていたものがたくさんあるし、いい場所ではあるが、一生となると旅行気分で来ただけに不安だな。

「あと一つ、叶えられる願いが残っているが」
「リーザ、あと一つは残しておいてもいいんだぞ? ほら、もしお前が俺のことを嫌いになった時、この世界から追い出せるわけだし……」

 っていっても、彼女は俺が異世界から来たってこと知らないんだっけ……。
 考え込んでいたリーザが吹っ切れたようにぼーっと顔を上げて俺とメアリを見つめる。
 何を願うつもりだ?
 笑うでも睨むでもない顔で口を開く。

「メアリは、和人のことを嫌いになる」

 ……は? 今なんて言ったんだ?
 メアリが俺のことを嫌いに?
 なんだそれ……無茶苦茶だろ……。
 冷静に考えれば無茶苦茶なんかじゃない。俺に対してなんの感情も抱いていなかったメアリが願い事ひとつで一瞬にして俺に惚れたんだ。その逆ができないはずがない、それを勘づいていたからこそ、俺の喉は震えた。

「リーザ……何言ってるんだよ」

 声が震える。リーザはもしかしたら、俺達がふざけて願い事がどうのこうの言っているのだと思っているのかもしれない。

「リーザ、真面目に思ってるから」

 願いの根本は何だ……? 
 メアリと共に過ごして二万年超……彼女が俺を愛して二万年超……嘘だろ、こんな一瞬で?
 もしかしたら願いの根本はもっと軽いものなのかもしれない。このあまりにもストレートな言葉が、どういう表現に変換されるかなんて俺には想像もつかない。
 俺はただメアリを背後に、リーザの無表情などんぐり眼を見つめて彼女のお決まりの言葉を待った。

「あぁ……あ……ああぁぁあァアアぁぁああアァアアぁあぁあぁあァアアァアアーー!!!!!!!」

 一瞬何が起こったか分からなかったが、これは聞いたこともないメアリの悲鳴……いや、絶叫。
 初めてのメアリの取り乱し方に俺は咄嗟に彼女に振り向く。

「え……?」

 泣いている、あのメアリがしゃがみこみ頭を抱えて震えているのだ。
 何かに恐怖している?
 すぐにメアリの肩に手を置き、呼びかける。

「神石が……私を和人から遠ざけようとしている……嫌だ……」

 なるほど、願いを叶えていたのはメアリではなく、全く神石だったわけか。願い事を叶えてやる客の選定はメアリだとしても、申し出された願いを叶えるのは神石。メアリが今まで願いを断らなかったわけだ。まさか断れない状況にあったなんてな。それでも人間の願いを叶えなければならない理由があるのだろう。
 しかも今回の場合はメアリが事前に選定しておいた客ではない。今思えばリーザはなんの査定もなしに、出会って一日も経たない人間だ。俺もだが、メアリはリーザのことを必要以上に信用してしまっていたのだろう。

「メアリ、落ち着け。何とかできないのか」
「できない……神石は死神を監視している……私は和人を嫌いにならなければならない……」
「神石の力なんて覆しちまえよ! 二万年以上も俺達は一緒だったろ!?」
「うるさい!! 神石は最初から私に愛など与えてはいない! 私はあの時からお前には微塵も好意を寄せてはいなかった、 人間の分際で……つけあがるな」

 その目は、まだ俺の知っている彼女の目だ。実はまだ正気が残っているのではないだろうか。
 ……いや、その可能性は信頼しきれない。もし彼女が言った「神石は最初から私には愛など与えてはないない」という言葉が本当なのだとしたら、俺が今まで見てきた、好意の目だと思っていた彼女のそれは、ただひとりの人間を見る目だったのだろう。
 それなら納得が行く。今も昔も、彼女は俺のことが好きではなかった。
 メアリ自身、本心では俺の勘違いっぷりに二万年我慢してきたのだろう。二万年も、俺の母親の願いに付き合わせてしまったということだ。

 リーザの願いは、もしかしたらメアリの本心でもあったのだろうな。何とも思っていない人間に二万年以上も好きなフリをしてきたのだから。勘違いしてる俺を見て嫌っていてもおかしくはない。

 実は願いを叶えるも叶えないも、神石でなくメアリが判断できるのかもしれない。ただ、願いが叶うまでは、神石の前ではあくまでも俺のことが好きだという演技をしておかなければならない、それに歯向かえばペナルティが課せられる、といったところか。
 神石が死神を監視しているというのが本当だとしたら、それは納得出来る。

「ははは」

 気がつけば俺の膝は地面に着き、視界は青い空で覆われていた。
 そうか、二万年も……。
 おそらくメアリがいなければ不老不死になったとて俺はここまで生きてはいない。
 メアリが俺のことを好きならば、おそらくこの先もずっと息をし続けることが出来ただろう。
 リーザが俺のことを好きなのは間違いないだろう……いや、また俺の勘違いか? 仮に勘違いじゃなかったとしても、俺はここまでだ。もう、生きる理由が見つかりそうにない。
 今では生理的に受け付けられないものを見るような目で俺を睨みつけているメアリが、俺が一歩近づくとその分、後ずさるほどに素直に心持ちを態度で示してくれていた。
 そりゃそうなるよな、好きでもない男に寄り添わなきゃいけないのが二万年以上も続いたんだから。

「メアリ、俺の母親の願いは今どうなってる?」
「消え失せた。重複要素のある願いに対しては、神石は常に新しい願いを優先する」
「そうか」

 俺に残っている願いはあと一つ。まさに、こういう時のためにとっておいたのだ。終わらせよう、このバカなほどに大往生な人生を。
 俺は立ち上がり、力強く言い放つ。

「メアリ、俺の最後の願いだ」

 また俺を愛してくれ。そんなことを願ってしまえばまたメアリは途方もなく俺を愛するフリをしなくてはならない。神石に監視されながら。
 名前を呼んだだけで睨みつけてくるほど俺のことが嫌いらしい。
 さっさと終わらせよう。この、最高な人生を。

「俺の人生を、終わらせ……」

 俺の言葉を遮ったのは、目尻に涙を浮かべるメアリが伸ばしかけた右手。すぐに風が涙をさらっていくと、彼女は冷酷な表情で口を開く。

「どうした、早く願いを言え」
「お、おう」

 願いの根本は、俺が終わること。はるか昔に、普通の人間としてやり忘れていたこと。
いくつもの時代を見て、普通の人間より少しくらい多く笑って、寝て食って、悲しんだと思う。今となっては寝ると食うはしてないが。
 死んだ後の世界なんていくらでも考えてみたが、これだけ長く生きていても結局答えが出なかった。もし生まれ変わるのだとしたら、猫にでもなれたらいいな。猫好きだし。
 リーザは何がなんだか、という今更な顔をしているが、メアリが後で適当に説明してくれる事だろう。
 最後に、俺は笑った。

「俺を終わらせてくれ、メアリ」

 表情の揺らぐことないメアリにむかって、嘘偽りのない笑顔で。

「……っ」

 身体が急に重くなる。心臓を鉄球に変えられたのではないかと思うくらいに。
 これが死ぬってやつか……。
 




 金髪を二つに結わえた少女の目の前で、一人の少年が言い放った。

「俺を終わらせてくれ、メアリ」

 即座に彼女が持つ神石が黒く光りだす。神石が願いを決行した瞬間だ。
傍からは、メアリと同じく美麗な金髪を持つ少女が唖然とした面持ちで様子を見ている。

 不老不死である者の人生を終わらせる際、神石はすべてその者の姿を鉄にし、溶かしてしまう。鉄を溶かすほどの高熱を発するわけでもない彼……和人の身体が、足から徐々に鉄化し、溶けていく。

「今までごめんな、メアリ。これからは自由に生きるんだ。二万年間、お疲れ。じゃあな」

 和人が言い切った時、彼は地面で頭ほどになってり、最後は目を閉じて溶け消えていった。

「……」

 沈黙が、高級ホテルの一室を包んだ。

「ふぇ……? 何が、起きたの? 和人は? ね、ねぇメア……リ?」

 リーザの目には、先程までの無表情なメアリの姿は無かった。
 膝から崩れ落ち、口を半開きにして、その見開かれた目からは大量の涙が流れていた。

「ぁ……だぁ……くぁ……ぁう……いぃっ……あ……あっ……」

 嗚咽とも取り難い上ずった声で跡形もなくなった床を眺めている。
 リーザは苦笑いでメアリに近づき、話しかける。

「あ、メアリ? よくわかんないんだけど……私の願い叶えたから和人のこと嫌いなんだよね? なんか和人、いなくなっちゃったけど……す、すごい魔法知ってるんだねメアリは」

 メアリは微動だにせず、ただ流れていく涙が床に落ちていく。

「ご、ごめ……」
「謝るな」

 謝ろうとしたリーザに、初めてメアリが口を開く。その口調は憎悪など感じない、何か、ふっきれたように思えた。
 メアリは立ち上がり、目の前に人ひとり入れるくらいの穴を生成する。

「仕事は終わった。私は自宅に帰るとする。では」

 高級ホテルの一室に残されたリーザは胸を抑えその場にへたりこんだ。





 久しぶりな気がしないでもない、全く見覚えのある部屋。今では珍しい畳敷き、ちゃぶ台、ヒモが垂れ下がっている手動の電灯。窓は障子で隠されている。

「ただいま」

 無論、返ってくる言葉はない。

「遺影すら残さず消えて逝くのかお前は……」

 メアリはさっきまでいた異世界の高級ホテルとは、打って変わったその狭く空っぽな部屋を見回して呟く。
 玄関へ行き、靴を履いて外に出る。玄関から外に出たのはいつぶりだろうか、メアリは家の前の風景に懐かしさを感じていた。

 メアリは、和人が学生の頃、毎朝この庭の砂利を踏みしめる音を聞いたものだ。

 ジャリっ……

 二万年以上が経とうとも、その音を記憶から拾い上げるのは造作もなかった。

 今度は無意識に、彼女の目から涙が流れ出す。

「神石は私に愛を与えてはくれなかった。しかし、なぜ私はこんなにも哀しい……?」

 石ころを拾い上げ、太陽にかざす。

「なるほど、私が愛を拾ってしまったのか ……」

 拾い上げた石ころを、力いっぱい投げた。何万年ぶりかの投球で痛めたのか肩を抑える。

「うぅ……だが神石よ、お前の罪はそんなことではない。お前が犯した大罪は、私から愛を奪わなかったことだ」

 青い空には鳥が優雅に羽根を広げて飛んでいた。

「私もあの鳥のように、何も考えず自由に飛んでいたい。……いや、もしかしたら、あの鳥は私を見て同じことを思っているのかもしれない。ああやって、何も考えずに地面に立っていたいと」

 今度は庭に生えている松の木の隙間から白猫が出てくる。野良猫とは思えないほどに毛並みが整っており、尻尾をくねくねと動かしながらメアリに近づいてきた。

「そういえば、あいつは猫が好きだったな」

 メアリはしゃがんで、猫に手を差し伸べた。
 猫はメアリの手をくんくんと嗅いだ後、頭突きするかのように頭を擦り付ける。
 なんとも愛嬌のある仕草だ。メアリは思わず微笑んでしまう。

「ニャー」

 猫が可愛らしく鳴くと、喉をゴロゴロさせる。
 メアリは前後左右をクマなく見渡し、人がいないことを確認すると猫の頭を撫でながら口を小さく開く。

「にゃ、にゃぁ~……」

 メアリはまた辺りを見回し、誰もいないことを確認するとほっと息を吐く。
 相変わらずゴロゴロ鳴らす猫の目をじっと見つめ、思い立ったように神石を取り出した。
 その黒い神石に刻まれた魔法陣を見つめて。

「お前に歯向かってみようか」

 すぅっと息を吸って、数秒ほど沈黙、そして。

「和人を返せぇえええええぇえぇええ!!!」

 メアリの声が辺りに響き渡り、猫は驚いて俊敏な動きで距離を取る。
 その言葉の根本は和人への「愛」。
 死神メアリは「和人を嫌いになる」という制約ねがいに対して神石に歯向かった。

「仕事をしないお前が悪い。私に嫌悪を与えなかった……お前が悪い……」

 今日何度目かの涙、地面に泣き崩れた彼女は、空を見上げた。

「ああ、やはりそういうやり方か……」

 空が赤く染まる。亀裂が入り、そして欠ける。

「こんな世界、終わってしまえ……」

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