puppenspiel

ゆにゆに

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半透明の恋

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「ペタン子さん、今日は何色が良いと思う?」

 毎日まいにち飽きもせず同じ事を聞いてくる。私に聞かなくても、良い相談相手は他に居るだろう。そう思うのだけれど、こいつは私以外には聞かないのだろうなとも思う。
 けれど、念の為に言っておかなくてはならない。

「…どうして私に聞くの?誰かに見せるモノでもないのだから、ジーパイの好きな色にすれば良いじゃない」

「私はペタン子さんに決めてほしいの!…それに、」

 ハッとしたように口ごもると、そのまま黙ってしまった。もしかして、私は何か聞いてはいけない事を聞いてしまったのだろうか。

「それに、何?私が決めて、何かあるの?」

 首が取れるのではないかと思うくらい左右に振ると、逃げるように走り去ってしまった。これはヤバい。何がヤバいって、あいつは今ノーパンだ。
 慌ててあいつの衣装ケースから1枚のショーツを取ると、手に持っているのもどうかと思い、ポケットに入れて追いかける為に走り出した。



 部屋を出て少し行った所で、あいつはしゃがみ込んで項垂れていた。ワンピースの裾を抑えている所を見るに、どうやらノーパンだと言う事を思い出したらしい。

「ジーパイ、とりあえずショーツ履いて」

 そう声を掛けながら、ポケットからあいつのショーツを出して手渡す。真っ赤になったこいつはおずおずと手を伸ばすと、ちゃんと受け取った。きょろきょろと周りを見渡して誰も居ない事を確認すると立ち上がり、少しぎこちない動きをしながらもショーツを履いた。
 大きくため息を吐くと落ち着いたのか、こいつはごめんねと呟いた。

「私、ペタン子さんが選んでくれたショーツを履いてるんだよね…」

 何故だか妙に嬉しそうなこいつは、いつもと変わらない笑みを浮かべると、まるで恋人にするかの様に腕を組んできた。振りほどく理由もないのでそのままにするが、いつもと雰囲気が違っている様に思えた。

「次またノーパンで飛び出しても、もう追いかけないよ」

「えーっ!?追いかけてよ!」

 くすくすと笑いながら部屋へ戻る。私とこいつの、2人部屋。
 こうして2人で馬鹿な事が出来るのも、あと数年だろう。私もこいつも、きっと誰かと恋をして、結ばれて、家庭を持つ事になる。そうなると、こんな馬鹿は出来なくなる。

 中途半端な立場だからこその、この関係。全てを見せる訳にはいかないし、全てを見る訳にもいかない。こいつが私を好きだろうが、私がこいつを好きだろうが…結ばれる事は、ないのだから。



ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー



Special Thanks.
 京都在住のパワーワードの使い手
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