7 / 10
指導者
しおりを挟む
まさか、この年で大嵐を使うとはな⋯⋯
俺は息子の才能に驚いている。
それは妻である深冬も同じ気持ちだ。
今はスヤスヤと寝ている息子だが、数分前までは天災級魔法である大嵐を発動させていたのだ。
「なぁ⋯⋯どうする?」
俺は具体的な言葉も含めず、深冬に問いかけた。
「どうする?って言われても⋯⋯」
俺達は絶賛悩み中だ。
それは、息子が天才過ぎてどうすればいいか分からないという贅沢な悩みだ。
「俺が魔法を指導したい気持ちはやまやまなんだが、如何せん体質上教える事が厳しいからな⋯⋯」
「私だって教えたいけど、風魔法に適正無いし⋯⋯」
俺達夫妻は、魔法を教えたくても教えられないという立場だった。
それに深夜はまだ二歳だ。ろくに言葉も話せないのに指導をするのは、厳しいと言わざるを得ないだろう。
「家庭教師でも雇ってみるか?」
深夜は二歳児とは思えない程しっかりしている。他人に指導を任せる事に心配は無かった。
それに指導するプロならば、あまり言葉が話せない子供相手でも、教える事が出来るだろう。
だが、家庭教師を雇うのには一つ問題があった。
「紅夜?天災級魔法を扱える家庭教師の人ってどのくらい居ると思う?」
そう、これが問題なのだ。
深夜が使った魔法は天災級魔法なのだ。天災級魔法を扱える人間は、基本的に裏に存在している。
家庭教師という表舞台に立っている人間に、天災級魔法を扱える人は居なかった。
「「はぁ〜」」
俺と深冬はついついため息をついてしまった。
俺はふと、とある事を思った。
深夜には魔法が見えている。これはもう揺るぎない事実だ。
俺も魔法を見る事は出来るが、魔法の本質までは見抜けない。
俺が深夜に見せた魔法は確かに大嵐だが、本質は見せていなかった。
しかし深夜が使った大嵐は、俺の使った本質を隠す様な大嵐ではなく、紛れもなく本物の大嵐だった。
魔法の知識を持っていない子供が見た目に騙されること無く、しつかりと本物の大嵐を発動したのだ。
つまり、深夜には魔法を見る事だけではなく、魔法の本質を見抜く事も出来るのではないのかと俺は思う。
おそらくだが深夜は、贈り物を持っている。
だからこそ、幼少期に魔法の扱い方を叩き込まなくてはいけない。
ならば俺は腹を括ろう。
奴らも贈り物持ちだと知れば、興味を持つだろう。
「なぁ深冬」
俺は先程の表情とは一変させ、真剣な眼差しで妻の名前を呼んだ。
「んー?⋯⋯どうしたの?」
俺の表情の変化に気付き、深冬の表情も変わった。
「裏の人間に深夜の指導を頼もうと思う」
「⋯⋯本気で言ってる?」
俺は何も答えず無言で深冬の目を見続けた。
「はぁ〜どうせ駄目って言っても聞かないでしょ?なら私も腹を括るよ」
深冬は裏の人間を指導者として雇う事を渋々ながら、了承してくれたようだ。
「アテはもちろんあるよね?」
「もちろんだ」
俺は間髪入れずにそう答えた。
「なら、私からは言う事はもう何も無いよ」
深冬はそう言い、寝ている深夜を撫で始めた。
俺は息子の成長が楽しみであるが、心配でもある。
この年で裏に関わらせてしまう事もそうだが、俺の家事情の事にも巻き込まれそうな気がしてならなかった。
だからこそ俺は守る力を手に入れなくてはならない⋯⋯どんな手を使ってもだ。
俺は改めて大切な人達を何としてでも守ると決意した。
俺は息子の才能に驚いている。
それは妻である深冬も同じ気持ちだ。
今はスヤスヤと寝ている息子だが、数分前までは天災級魔法である大嵐を発動させていたのだ。
「なぁ⋯⋯どうする?」
俺は具体的な言葉も含めず、深冬に問いかけた。
「どうする?って言われても⋯⋯」
俺達は絶賛悩み中だ。
それは、息子が天才過ぎてどうすればいいか分からないという贅沢な悩みだ。
「俺が魔法を指導したい気持ちはやまやまなんだが、如何せん体質上教える事が厳しいからな⋯⋯」
「私だって教えたいけど、風魔法に適正無いし⋯⋯」
俺達夫妻は、魔法を教えたくても教えられないという立場だった。
それに深夜はまだ二歳だ。ろくに言葉も話せないのに指導をするのは、厳しいと言わざるを得ないだろう。
「家庭教師でも雇ってみるか?」
深夜は二歳児とは思えない程しっかりしている。他人に指導を任せる事に心配は無かった。
それに指導するプロならば、あまり言葉が話せない子供相手でも、教える事が出来るだろう。
だが、家庭教師を雇うのには一つ問題があった。
「紅夜?天災級魔法を扱える家庭教師の人ってどのくらい居ると思う?」
そう、これが問題なのだ。
深夜が使った魔法は天災級魔法なのだ。天災級魔法を扱える人間は、基本的に裏に存在している。
家庭教師という表舞台に立っている人間に、天災級魔法を扱える人は居なかった。
「「はぁ〜」」
俺と深冬はついついため息をついてしまった。
俺はふと、とある事を思った。
深夜には魔法が見えている。これはもう揺るぎない事実だ。
俺も魔法を見る事は出来るが、魔法の本質までは見抜けない。
俺が深夜に見せた魔法は確かに大嵐だが、本質は見せていなかった。
しかし深夜が使った大嵐は、俺の使った本質を隠す様な大嵐ではなく、紛れもなく本物の大嵐だった。
魔法の知識を持っていない子供が見た目に騙されること無く、しつかりと本物の大嵐を発動したのだ。
つまり、深夜には魔法を見る事だけではなく、魔法の本質を見抜く事も出来るのではないのかと俺は思う。
おそらくだが深夜は、贈り物を持っている。
だからこそ、幼少期に魔法の扱い方を叩き込まなくてはいけない。
ならば俺は腹を括ろう。
奴らも贈り物持ちだと知れば、興味を持つだろう。
「なぁ深冬」
俺は先程の表情とは一変させ、真剣な眼差しで妻の名前を呼んだ。
「んー?⋯⋯どうしたの?」
俺の表情の変化に気付き、深冬の表情も変わった。
「裏の人間に深夜の指導を頼もうと思う」
「⋯⋯本気で言ってる?」
俺は何も答えず無言で深冬の目を見続けた。
「はぁ〜どうせ駄目って言っても聞かないでしょ?なら私も腹を括るよ」
深冬は裏の人間を指導者として雇う事を渋々ながら、了承してくれたようだ。
「アテはもちろんあるよね?」
「もちろんだ」
俺は間髪入れずにそう答えた。
「なら、私からは言う事はもう何も無いよ」
深冬はそう言い、寝ている深夜を撫で始めた。
俺は息子の成長が楽しみであるが、心配でもある。
この年で裏に関わらせてしまう事もそうだが、俺の家事情の事にも巻き込まれそうな気がしてならなかった。
だからこそ俺は守る力を手に入れなくてはならない⋯⋯どんな手を使ってもだ。
俺は改めて大切な人達を何としてでも守ると決意した。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。
辰巳 蓮
ファンタジー
「転生して好きに暮らしてください。ただ、不便なところをちょっとだけ、改善していってください」
とゆうことで、多少の便宜を図ってもらった「ナッキート」が転生したのは、剣と魔法の世界でした。
すいません。年表書いてたら分かりにくいところがあったので、ちょっと加えたところがあります。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる