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指導者との邂逅
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俺の頬を優しく抓る感覚がした。
俺はこの感覚を知っている。母親が俺の事を起こす時に取る行動だ。
「んん⋯⋯」
俺は眠い目を擦りながら起床した。
体が重い⋯⋯まだ疲労が抜けていないようだ。
「おはよう深夜」
母親は優しい微笑みを浮かべながらそう言った。
「おはよう」
俺もしっかりと言葉を返した。
「深夜⋯⋯起こして早々悪いけど大事な話があるの」
おそらく⋯⋯いや、絶対に魔法を使った事だろう。
正直に話すか誤魔化して話すかどちらにしようか⋯⋯誤魔化すか。
「深夜に魔法を教える先生を雇う事にしたの」
俺はどんな言葉を使い弁明しようか考えていたが、母親の一言によってその努力は無駄に終わった。
「え?」
俺は母親の予想外の言葉に、気の抜けた返事をしてしまった。
無理も無い事だ。
俺はてっきり尋問紛いな事をされると思っていたからだ。
「えっーと先生と言うのは⋯⋯」
母親は俺が先生の意味が分からず、気の抜けた返事をしたのかと勘違いして、先生の意味を説明しようてしていた。
「明日来るからその時先生が何か分かるよ」
⋯⋯言える立場ではないが、本当に説明するのが下手くそだな。
まぁ百聞は一見にしかずとは言うが、全く説明しないのはどうかと思う。
それより、明日魔法を教えてくれる先生が来るのか⋯⋯所謂家庭教師と言うやつか。
なんとも思いがけないタイミングで魔法が学べる機会が訪れた。
おそらく父親と母親は、魔法をコントロール出来るようにさせようと思って、家庭教師を雇ったんだと思う。
俺は家庭教師の人が可愛い女性が良いなとか、十代の人が良いなとか思いを馳せながら一日を過ごした。
――
俺は今ベットに倒れ込んでいる。
一歩も動ける気がしない。
こんな状態になっているのは、件の家庭教師のせいだ。
俺はあの糞野郎を絶対に許さない。
なぜこのような状況になっているかというと、それは数時間程前に遡る。
――
俺は気持ちの良い朝を迎えた。
今日は魔法を教えてくれる家庭教師が来る日だ。テンションも自然と上がってくるものだ。
「おはよう」
俺はいつも通りの挨拶をし、部屋に入って行った。
部屋は父親と母親以外の人物が居た。
その人物の特徴はまず、その容姿だ。
目には縦に一線の傷が入り、腕には無数の火傷の様な傷跡。
そして、何よりも特徴的なのは首に付けているチョーカーだ。
あれは、只のチョーカーではない。とても禍禍しい雰囲気を漂わせいる。
この人は相当な実力者だと思うと同時に、この人が俺の家庭教師だと判断した。
「おいおい、このガキに魔法を教えるのかよ⋯⋯」
家庭教師の人が俺を見て開口一番に言った言葉は、俺を馬鹿にするような言葉だった。
俺は仕方ないと思った。
二歳児が魔法を使うなど普通は信じられない筈だ。
この言葉が出てくるのも当然だ。
「てか、こいつ言葉話せるのか?大嵐ってしっかり言えんの?」
「大丈夫だ。しっかりと話せる」
父親は間髪入れずにそう答えた。
すると、この家庭教師の男はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「なら、俺に撃ってみろ」
何の躊躇いもなく、家庭教師の男はそう言った。
おそらく俺の事を舐めているのだろう。
無理もない事だ、二歳児の魔法など高が知れていると思う筈だ。俺が家庭教師の立場でもまずは撃ってみろと言うだろう。
⋯⋯しかし、自分に撃てと言った事にはビックリした。
「お前は隔離空間を使えるのか?」
「もちろん使えるが、使う必要もないと思うがな」
「使わないと家が崩壊するから使ってくれ」
父親の言葉に家庭教師の男は、怠そうに言葉を返した。
「分かった分かった使えばいいんだろ⋯⋯隔離空間」
家庭教師の男が魔法を使った瞬間、俺は謎の空間に立たされていた。
「脳内疎通」
困惑している俺に、男は再度別の魔法を使った。
『 さて、これでお前と話せるわけだが⋯⋯まずはお前の名前を言ってみろ 』
俺は男の言葉に疑問を持ったが、すぐに理解した。
男が使った魔法は脳内疎通だ。つまり、こういう事だろう。
俺は口ではなく、脳内で言葉を発した。
『 俺の名前は、深夜だ』
上手くいったか分からないが、取り敢えず自己紹介をしてみた。
『 ちゃんと魔核使えてんじゃん⋯⋯俺の名前は教えなくてもいいよな?』
どうやら俺の言葉は伝わっていたようだ。
コイツの言葉は無視するとして、隔離空間とは何か聞こう。
『 隔離空間とは一体何なんだ? 』
『 おいおい、無視かよ⋯⋯隔離空間はこの世界から隔離された空間だ。もう聞くなよ? 』
どうやらこの家庭教師は、自分が教師だという自覚が無いようだ。
まるで説明が成っていない。
『 それと勘違いしないように言っとくけど、俺は家庭教師ではないからな? 』
(⋯⋯なるほど、ならばこの態度もありえるのか?まて、家庭教師ではないのならコイツは一体⋯⋯)
『 家庭教師ではないのならお前は何者だと思ったかもしれないが、それは聞くな 』
聞こうと思った所で釘を刺された。
『 あーさっさと大嵐撃ってくれないか? 』
この男は随分と自分勝手極まりないな。
「大嵐」
俺は会話するだけ無駄だと思い、大嵐を男目掛けて発動した。
『 はぁーんやるじゃねーか。まさか本当に大嵐を使えるとはな 』
対する男は、面白い玩具を見つけた様な目をしていた。
「大嵐」
男も大嵐を発動させた。
男が大嵐を発動させた瞬間、俺の発動していた大嵐は消え去った。
前も見た光景だが、俺にはどんな原理で消えているか分からなかった。
⋯⋯この男に聞いてみるか。
『 何で大嵐に大嵐をぶつけると消えるの?』
『 何でかは知らんが、同じ魔法をぶつけると消えるみたいだ。一般的には相殺レジストと言われてる』
答えてくれないと思っていたが、存外まともな答えが返ってきた。
『 それと、俺はお前に魔法を教える事に決めた。今までは教える気は無かったが気が変わった 』
それは良かった、教える気になってくれたか⋯⋯いやいや、この男はさっきまでは教える気が無かったと言った。
家庭教師ではないにしろ教える為にここに来た筈だが⋯⋯
なんという自分勝手極まりない性格だろう。
まず、この男はちゃんと教えてくれるのだろうか⋯⋯とても不安だ。
『 お前は俺に何を教えてくれるの? 』
教えてくれる人間にお前呼びは無いだろと思われるかもしれないが、名前を知らないのでは仕方がないだろう。
それに、名前を聞いても教えてくれなさそうだし⋯⋯
『 まずは、魔法の強弱の付け方だな。それと、使えそうな魔法を片っ端に詰め込んでやるよ。あと、俺の事は凛耶りんやと呼べ 』
期待出来そうな回答が返ってきた。
それと、前言撤回しよう。この男は自分の名前を自ら言ってくれた。
意外と、気分が乗ってくればいいひとなのかもしれない。
俺の中でこの男への期待値が上がった。
(これで遂にまともに魔法が使えるのか)
俺はワクワクしながら魔法トレーニングに臨んだ。
――
そして、トレーニングに臨んだ結果がこのザマである。
具体的に何をしたかというと、大嵐をぶっ倒れるまで使い続けるという単純なトレーニングだった。
だが、これで終わらないのがあの糞野郎だ。
俺が起き上がるなり、大嵐を使えと指示してきた。
ちなみに、拒否権は無かった。
それを夜までぶっ続けでやった。
俺は正直二度とやりたくないと思っているが、今日のトレーニングを通して俺には目標が出来た。
その為にはこのトレーニングを乗り越えなくてはならないと分かっている。
俺は目標の為に何としてでもトレーニングを乗り切ってやると、自分自身に誓った。
斯くして、俺の魔法トレーニング初日は終わりを告げた。
俺はこの感覚を知っている。母親が俺の事を起こす時に取る行動だ。
「んん⋯⋯」
俺は眠い目を擦りながら起床した。
体が重い⋯⋯まだ疲労が抜けていないようだ。
「おはよう深夜」
母親は優しい微笑みを浮かべながらそう言った。
「おはよう」
俺もしっかりと言葉を返した。
「深夜⋯⋯起こして早々悪いけど大事な話があるの」
おそらく⋯⋯いや、絶対に魔法を使った事だろう。
正直に話すか誤魔化して話すかどちらにしようか⋯⋯誤魔化すか。
「深夜に魔法を教える先生を雇う事にしたの」
俺はどんな言葉を使い弁明しようか考えていたが、母親の一言によってその努力は無駄に終わった。
「え?」
俺は母親の予想外の言葉に、気の抜けた返事をしてしまった。
無理も無い事だ。
俺はてっきり尋問紛いな事をされると思っていたからだ。
「えっーと先生と言うのは⋯⋯」
母親は俺が先生の意味が分からず、気の抜けた返事をしたのかと勘違いして、先生の意味を説明しようてしていた。
「明日来るからその時先生が何か分かるよ」
⋯⋯言える立場ではないが、本当に説明するのが下手くそだな。
まぁ百聞は一見にしかずとは言うが、全く説明しないのはどうかと思う。
それより、明日魔法を教えてくれる先生が来るのか⋯⋯所謂家庭教師と言うやつか。
なんとも思いがけないタイミングで魔法が学べる機会が訪れた。
おそらく父親と母親は、魔法をコントロール出来るようにさせようと思って、家庭教師を雇ったんだと思う。
俺は家庭教師の人が可愛い女性が良いなとか、十代の人が良いなとか思いを馳せながら一日を過ごした。
――
俺は今ベットに倒れ込んでいる。
一歩も動ける気がしない。
こんな状態になっているのは、件の家庭教師のせいだ。
俺はあの糞野郎を絶対に許さない。
なぜこのような状況になっているかというと、それは数時間程前に遡る。
――
俺は気持ちの良い朝を迎えた。
今日は魔法を教えてくれる家庭教師が来る日だ。テンションも自然と上がってくるものだ。
「おはよう」
俺はいつも通りの挨拶をし、部屋に入って行った。
部屋は父親と母親以外の人物が居た。
その人物の特徴はまず、その容姿だ。
目には縦に一線の傷が入り、腕には無数の火傷の様な傷跡。
そして、何よりも特徴的なのは首に付けているチョーカーだ。
あれは、只のチョーカーではない。とても禍禍しい雰囲気を漂わせいる。
この人は相当な実力者だと思うと同時に、この人が俺の家庭教師だと判断した。
「おいおい、このガキに魔法を教えるのかよ⋯⋯」
家庭教師の人が俺を見て開口一番に言った言葉は、俺を馬鹿にするような言葉だった。
俺は仕方ないと思った。
二歳児が魔法を使うなど普通は信じられない筈だ。
この言葉が出てくるのも当然だ。
「てか、こいつ言葉話せるのか?大嵐ってしっかり言えんの?」
「大丈夫だ。しっかりと話せる」
父親は間髪入れずにそう答えた。
すると、この家庭教師の男はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「なら、俺に撃ってみろ」
何の躊躇いもなく、家庭教師の男はそう言った。
おそらく俺の事を舐めているのだろう。
無理もない事だ、二歳児の魔法など高が知れていると思う筈だ。俺が家庭教師の立場でもまずは撃ってみろと言うだろう。
⋯⋯しかし、自分に撃てと言った事にはビックリした。
「お前は隔離空間を使えるのか?」
「もちろん使えるが、使う必要もないと思うがな」
「使わないと家が崩壊するから使ってくれ」
父親の言葉に家庭教師の男は、怠そうに言葉を返した。
「分かった分かった使えばいいんだろ⋯⋯隔離空間」
家庭教師の男が魔法を使った瞬間、俺は謎の空間に立たされていた。
「脳内疎通」
困惑している俺に、男は再度別の魔法を使った。
『 さて、これでお前と話せるわけだが⋯⋯まずはお前の名前を言ってみろ 』
俺は男の言葉に疑問を持ったが、すぐに理解した。
男が使った魔法は脳内疎通だ。つまり、こういう事だろう。
俺は口ではなく、脳内で言葉を発した。
『 俺の名前は、深夜だ』
上手くいったか分からないが、取り敢えず自己紹介をしてみた。
『 ちゃんと魔核使えてんじゃん⋯⋯俺の名前は教えなくてもいいよな?』
どうやら俺の言葉は伝わっていたようだ。
コイツの言葉は無視するとして、隔離空間とは何か聞こう。
『 隔離空間とは一体何なんだ? 』
『 おいおい、無視かよ⋯⋯隔離空間はこの世界から隔離された空間だ。もう聞くなよ? 』
どうやらこの家庭教師は、自分が教師だという自覚が無いようだ。
まるで説明が成っていない。
『 それと勘違いしないように言っとくけど、俺は家庭教師ではないからな? 』
(⋯⋯なるほど、ならばこの態度もありえるのか?まて、家庭教師ではないのならコイツは一体⋯⋯)
『 家庭教師ではないのならお前は何者だと思ったかもしれないが、それは聞くな 』
聞こうと思った所で釘を刺された。
『 あーさっさと大嵐撃ってくれないか? 』
この男は随分と自分勝手極まりないな。
「大嵐」
俺は会話するだけ無駄だと思い、大嵐を男目掛けて発動した。
『 はぁーんやるじゃねーか。まさか本当に大嵐を使えるとはな 』
対する男は、面白い玩具を見つけた様な目をしていた。
「大嵐」
男も大嵐を発動させた。
男が大嵐を発動させた瞬間、俺の発動していた大嵐は消え去った。
前も見た光景だが、俺にはどんな原理で消えているか分からなかった。
⋯⋯この男に聞いてみるか。
『 何で大嵐に大嵐をぶつけると消えるの?』
『 何でかは知らんが、同じ魔法をぶつけると消えるみたいだ。一般的には相殺レジストと言われてる』
答えてくれないと思っていたが、存外まともな答えが返ってきた。
『 それと、俺はお前に魔法を教える事に決めた。今までは教える気は無かったが気が変わった 』
それは良かった、教える気になってくれたか⋯⋯いやいや、この男はさっきまでは教える気が無かったと言った。
家庭教師ではないにしろ教える為にここに来た筈だが⋯⋯
なんという自分勝手極まりない性格だろう。
まず、この男はちゃんと教えてくれるのだろうか⋯⋯とても不安だ。
『 お前は俺に何を教えてくれるの? 』
教えてくれる人間にお前呼びは無いだろと思われるかもしれないが、名前を知らないのでは仕方がないだろう。
それに、名前を聞いても教えてくれなさそうだし⋯⋯
『 まずは、魔法の強弱の付け方だな。それと、使えそうな魔法を片っ端に詰め込んでやるよ。あと、俺の事は凛耶りんやと呼べ 』
期待出来そうな回答が返ってきた。
それと、前言撤回しよう。この男は自分の名前を自ら言ってくれた。
意外と、気分が乗ってくればいいひとなのかもしれない。
俺の中でこの男への期待値が上がった。
(これで遂にまともに魔法が使えるのか)
俺はワクワクしながら魔法トレーニングに臨んだ。
――
そして、トレーニングに臨んだ結果がこのザマである。
具体的に何をしたかというと、大嵐をぶっ倒れるまで使い続けるという単純なトレーニングだった。
だが、これで終わらないのがあの糞野郎だ。
俺が起き上がるなり、大嵐を使えと指示してきた。
ちなみに、拒否権は無かった。
それを夜までぶっ続けでやった。
俺は正直二度とやりたくないと思っているが、今日のトレーニングを通して俺には目標が出来た。
その為にはこのトレーニングを乗り越えなくてはならないと分かっている。
俺は目標の為に何としてでもトレーニングを乗り切ってやると、自分自身に誓った。
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