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騎士見習い
身を守るため
しおりを挟む「確かに守れることは少ねえが、下賤な奴らが手が届かない所だってある。」
これからの事で、どうするのかそこを議題として話していると3つの紙包みを持ってきたギルバート。
手渡されて、中身を開ける。
「王都の魔法魔術学校、帝国の龍使い屋、それと、隣国の騎士学校。」
「この三箇所なら、お前を隠しながら学ばせる事ができる。」
神妙な顔つきで言い切った彼の言葉に、疑問を持つ。
「利用される事は……ないの?」
問題はここだ。巨大な力の前では、誰もが怯え、その力を欲する。人間の心理である。
「ないな。……詳しくは話せないが、性格的な問題や、敵対する相手がいないとか。可能性は0では無いが。」
「ふーん。」
利用されるは、やっぱり嫌だな。
______見放されたトキ、怖イもんネ
「煩いな…、黙っててよ。」
「______で、俺が特にすすめるのはココ。隣国のアブソリュート騎士学校。」
手元にあった紙を広げてみると、紋章がデカデカと書かれていた。
1匹の火龍。その生き物が、白菊の花を守っている。
「安全って言っても、王都は知っている奴が多いからな。……帝都は一番安全だが、国自体に捕まって利用される事が考えられる。」
そうなっちまったら、助けられないからな。なんて独り言のように言われて顔を青ざめた私は悪くない。
「その点隣国は、これらの心配はない。」
話によると、隣国であるリーベ共和国は海に面している事で多くの人が出入りしているそう。
木を隠すには、森の中。人を隠すには、人間の中。といえギルバートの浅はかな考えらしい。
そして、リーベ共和国は停戦国であり、民衆によって政治が執り行われる。貴族はいるが、平民も努力すれば貴族の称号を貰えるとか。
人も多い為、私が忌み子でも気にしない人も多いのでは無いか。
「うん、そこにする。」
二つ返事で承諾すると、嬉しそうに笑って頭を撫でられた。
「向こうに俺の知り合いが一人いる。気難しいやつだが、怖がらずに一緒に居てやってくれ。」
【リーベ共和国について】
大陸の西側に位置する、島国。
今は王族は居ない。貴族と平民に分かれるが、この間の差も大きくない。
これは、他国から多くの人が行き来する為だと考えられる。
【アブソリュート騎士学校について】
嘗ての王族に仕えていた騎士が創立したと言われる。
見習い、1年、2年、3年、と上がる。
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