3バカ、怪異に会う

夜行回

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一章、1

1、6、人のいない道

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 橋を渡り林を抜けて山道に入った。街灯とスマホのライトを頼りに歩き、あの場所まで来た。女性の立っていた街灯へと。だが、彼女の姿はなく安堵する。

 俺たちはそのままそこを抜ければ問題なく帰れるはずだった。

「そーいや、初詣行った?」

「もう2月だぞ?」

「ふふんっ、僕は大学の先輩と行ったぜ」

「あの先にさ、神社があるんだって」

 亮介が指差したのは、手入れのされてない脇道。あの女性が入って行った道だ。

「それは今でも経営してるのか?」

「たまに人来るみたい。おみくじもあるみたいだよー」

 この道を見て、とてもそうは見えなかった。だがこのあたりに住んでいる亮介が言うなら、経営しているのだろう。きっとあの女性は経営している人の親族とかで……。

「「じゃあ、レッツゴー!」」

「あ、こら2人とも!」

 隆志と亮介はズンズン進んでしまった。2人の男を引き戻すのは今の俺にはできない。自分がふらついているのが今ここで分かった。それは酔いではなく別の理由によるものなのかわからない。けど、放って置けない。

 枯れ草の脇道へと入った俺は、その荒廃ぶりを目の当たりにした。道には一切街灯がなく、ぼこぼことした整備されてない路面を歩く。つまずきそうになった亮介を支える時もあったほどだ。

 大風で木の枝に突っかかったビニール袋がそのちぎれた先端を揺らして招いているように見えた。引き返したいが、前の2人は止まることがない。スマホのライトに頼り暗闇へと歩いて行ってしまう。

 程なくして神社にたどり着く。だが、明かりなどない。巨大な木に囲まれた参道に、水が出ていない手水屋は水が溜まったまま藻が生えて澱んでいる。

 社のそばに確かにくじ引きの紙束が入った箱があった。一切減っているようには見えない、おみくじがある。
 
「なあ、引き返そう」

「平気だよー。直樹ー」

「大丈夫だ。ほら、社見てみろ。割と新しい」

 木造の社は確かに綺麗だった。まだケヤキの明るい色が残った建物で。立て直したばかりのような綺麗さだ。もしくは来訪者すらもおらず使われてないような清潔さが保たれている。

 手水屋は古いため使わず、俺たちは社の前に立った。賽銭箱も作り立てで傷ひとつない。ただお堂の扉は違った。扉にある格子が割れて中にある闇が見える。木材は新しいと言うのに。中には星の届かない深く暗い闇があった。
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