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一章、1
1、10、酔いの夢なら
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リビングは暖房により温かくなっていた。けれど隆志と亮介はまだ、寒そうに体を丸めてこたつに足を入れている。俺も持ってきたワインやグラスをこたつに置くとこたつに入った。
そこから無言となった。暖房やこたつの駆動音が聞こえるほどの静寂。ここには車の走る音や人々の声など聞こえない。山の中の家なのだから。
「直樹、隆志。今日泊まって行かない?」
「確かに、今日は僕外に出たくないな」
「賛成。亮介に悪いが泊まらせてもらおうぜ」
「良かった。2人が心配だからさー」
「亮介が怖がってるだけじゃね?」
「何でだよー! 家の中なんだし大丈夫だってば!」
「いや。そうとも限らないかも」
「なぜだ、直樹?」
「さっきな、台所に行った時外に動く影が居たんだ」
「怖い話やめてよもー!」
「いやいや。今回は亮介の言うとおりだろ。中まで入ってきてない」
「これからって事はないか?」
俺の言葉に2人とも顔を引き攣らせた。
「「「飲もっか……」」」
俺は母さんに連絡。泊まる許可を得た。明日の仕事は一旦自宅に帰ってから行く。隆志は1人暮らしなので良しとして。再びこたつに入り、3人分のワインを注ぐとグラスの半分ほど飲んだ。
程よい酔いが来て、おつまみを食べつつ漫画についての話などをしながら過ごす。
「僕はさー。激しい葛藤が描きたいわけよ。なのに現代は明るい作品のが受けてるし、どうすれば良いのかなー」
「えー。明るいの面白いじゃーん。普通に冒険していっぱい仲間に囲まれてさー。幸せを描いた方が楽しいのに」
「でも読者を楽しませるには幸福と不幸のコントラストが大事だし。なー、直樹」
「難しい所だな。俺は好きなのを描いてみてただけだし」
「直樹はそれで良いもんなー。上手いから」
「やれるようにやれば良いんだよ。隆志も亮介も頑張ってるのを俺は知ってるから」
「やっぱりみんなでいるの良いなー! さっきのなんて酔っ払いの夢だったんだよ!」
「「そうだな」」
ワインをあおりながら自分たちの描きたいものについて会話をしていく。一時でも先ほどのことを忘れられた。
「あ。俺トイレ行ってくるわ」
亮介がこたつから出た。
「「りょうかーい」」
「留守は任せろ。ワインは残らないかもしれないがな!」
「俺のワインなんですけどー。直樹たまに意地悪だよなー」
「これ買ったの俺と隆志だからな」
「そうだっけ。いただいてます!」
亮介はフラフラと廊下へと出た。倒れないか不安だったが、トイレのドアが閉まる音が聞こえたので大丈夫だろう。
俺と隆志がワインを飲んでいるとドタドタと走ってくる音がした。戸を開けた亮介は腕をまくっている。その腕にはあざのような物が。
「直樹ー! こっこれ」
「見せてみろ」
俺は立ち上がり亮介の腕を見た。圧迫されたことによるあざだ。それも大きな手形の。
そこから無言となった。暖房やこたつの駆動音が聞こえるほどの静寂。ここには車の走る音や人々の声など聞こえない。山の中の家なのだから。
「直樹、隆志。今日泊まって行かない?」
「確かに、今日は僕外に出たくないな」
「賛成。亮介に悪いが泊まらせてもらおうぜ」
「良かった。2人が心配だからさー」
「亮介が怖がってるだけじゃね?」
「何でだよー! 家の中なんだし大丈夫だってば!」
「いや。そうとも限らないかも」
「なぜだ、直樹?」
「さっきな、台所に行った時外に動く影が居たんだ」
「怖い話やめてよもー!」
「いやいや。今回は亮介の言うとおりだろ。中まで入ってきてない」
「これからって事はないか?」
俺の言葉に2人とも顔を引き攣らせた。
「「「飲もっか……」」」
俺は母さんに連絡。泊まる許可を得た。明日の仕事は一旦自宅に帰ってから行く。隆志は1人暮らしなので良しとして。再びこたつに入り、3人分のワインを注ぐとグラスの半分ほど飲んだ。
程よい酔いが来て、おつまみを食べつつ漫画についての話などをしながら過ごす。
「僕はさー。激しい葛藤が描きたいわけよ。なのに現代は明るい作品のが受けてるし、どうすれば良いのかなー」
「えー。明るいの面白いじゃーん。普通に冒険していっぱい仲間に囲まれてさー。幸せを描いた方が楽しいのに」
「でも読者を楽しませるには幸福と不幸のコントラストが大事だし。なー、直樹」
「難しい所だな。俺は好きなのを描いてみてただけだし」
「直樹はそれで良いもんなー。上手いから」
「やれるようにやれば良いんだよ。隆志も亮介も頑張ってるのを俺は知ってるから」
「やっぱりみんなでいるの良いなー! さっきのなんて酔っ払いの夢だったんだよ!」
「「そうだな」」
ワインをあおりながら自分たちの描きたいものについて会話をしていく。一時でも先ほどのことを忘れられた。
「あ。俺トイレ行ってくるわ」
亮介がこたつから出た。
「「りょうかーい」」
「留守は任せろ。ワインは残らないかもしれないがな!」
「俺のワインなんですけどー。直樹たまに意地悪だよなー」
「これ買ったの俺と隆志だからな」
「そうだっけ。いただいてます!」
亮介はフラフラと廊下へと出た。倒れないか不安だったが、トイレのドアが閉まる音が聞こえたので大丈夫だろう。
俺と隆志がワインを飲んでいるとドタドタと走ってくる音がした。戸を開けた亮介は腕をまくっている。その腕にはあざのような物が。
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