9 / 124
一章、1
1、9家で休まる
しおりを挟む
リビングに集まりこたつに足を入れながら俺たちは呆然とこたつの真ん中を見ていた。亮介は普段は出さないお菓子の包をいくつか取り出してこたつの上に乗せる。
「さっきは、ありがとう。2人とも」
「見捨てられなかっただけだ。友達だからな」
「ふふんっ。僕はビビってなかったが直樹が逃げないなら逃げないぜ。それはそれとして……」
「「「飲もう」」」
寒い中走った上にあんな恐ろしい体験をした俺たちの酔いはすっかりさめていた。朧げな視界など気にならない。体の動きもふらつく有様なのに、頭だけ冴えている。
「取り敢えず水を飲んでからにしろ」
俺は袋から取り出した3本の水のペットボトルを並べて置いた。
「なんだー、直樹? もう飲めないってか?」
「違うし! 2人とも酔いすぎてたから体調を心配してだな」
「おお、本当に母親だった?」
「違うって。水飲んだら台所からワイン持ってきてやるから」
「「はーい。お母さん」」
「はぁ……。からかいやがって」
3人で買ってきたお酒におつまみを並べた。全員が水を飲んだのを確認して俺は席を立つ。
台所はリビングにとを1つ隔てた隣の部屋にある。亮介のお母さんはキッチン用具一式に家電まで揃えてくれている。使うのはほぼレンジと流し台コンロくらいか。そのほかの未使用道具は仕舞われたままだろう。
戸を開けて台所の電気をつけたその時だった。物音がした。しかし、明かりの下には何の変わりもない。
出かける前と同じ台所。崩れかかった段ボールに詰められたパスタやレトルトカレー、カップ麺。物がぎゅうぎゅうに詰められた棚に電気ケトル。調理道具の入っている引き出しにも変化はない。
ビュウと強い風が吹いた。外の木々が揺れている。その中に大きい黒い影が蠢いた気がした。
「直樹ー。寒いから戸を閉めてくれ」
「あ、ああ」
戸を閉めるのが怖い。でも、平気であると思いたかったから俺は戸を閉めた。俺は窓から目を離しつつ、手を洗う。顔を上げるのが恐ろしく、下を見たまま棚を探りワイングラスと亮介のワインの瓶を2つとってリビングへと戻った。
「さっきは、ありがとう。2人とも」
「見捨てられなかっただけだ。友達だからな」
「ふふんっ。僕はビビってなかったが直樹が逃げないなら逃げないぜ。それはそれとして……」
「「「飲もう」」」
寒い中走った上にあんな恐ろしい体験をした俺たちの酔いはすっかりさめていた。朧げな視界など気にならない。体の動きもふらつく有様なのに、頭だけ冴えている。
「取り敢えず水を飲んでからにしろ」
俺は袋から取り出した3本の水のペットボトルを並べて置いた。
「なんだー、直樹? もう飲めないってか?」
「違うし! 2人とも酔いすぎてたから体調を心配してだな」
「おお、本当に母親だった?」
「違うって。水飲んだら台所からワイン持ってきてやるから」
「「はーい。お母さん」」
「はぁ……。からかいやがって」
3人で買ってきたお酒におつまみを並べた。全員が水を飲んだのを確認して俺は席を立つ。
台所はリビングにとを1つ隔てた隣の部屋にある。亮介のお母さんはキッチン用具一式に家電まで揃えてくれている。使うのはほぼレンジと流し台コンロくらいか。そのほかの未使用道具は仕舞われたままだろう。
戸を開けて台所の電気をつけたその時だった。物音がした。しかし、明かりの下には何の変わりもない。
出かける前と同じ台所。崩れかかった段ボールに詰められたパスタやレトルトカレー、カップ麺。物がぎゅうぎゅうに詰められた棚に電気ケトル。調理道具の入っている引き出しにも変化はない。
ビュウと強い風が吹いた。外の木々が揺れている。その中に大きい黒い影が蠢いた気がした。
「直樹ー。寒いから戸を閉めてくれ」
「あ、ああ」
戸を閉めるのが怖い。でも、平気であると思いたかったから俺は戸を閉めた。俺は窓から目を離しつつ、手を洗う。顔を上げるのが恐ろしく、下を見たまま棚を探りワイングラスと亮介のワインの瓶を2つとってリビングへと戻った。
0
あなたにおすすめの小説
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/3:『おかのうえからみるけしき』の章を追加。2026/1/10の朝8時頃より公開開始予定。
2026/1/2:『そうしき』の章を追加。2026/1/9の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/1:『いえい』の章を追加。2026/1/8の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/31:『たこあげ』の章を追加。2026/1/7の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/30:『ねんがじょう』の章を追加。2026/1/6の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/29:『ふるいゆうじん』の章を追加。2026/1/5の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/28:『ふゆやすみ』の章を追加。2026/1/4の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
短い怖い話 (怖い話、ホラー、短編集)
本野汐梨 Honno Siori
ホラー
あなたの身近にも訪れるかもしれない恐怖を集めました。
全て一話完結ですのでどこから読んでもらっても構いません。
短くて詳しい概要がよくわからないと思われるかもしれません。しかし、その分、なぜ本文の様な恐怖の事象が起こったのか、あなた自身で考えてみてください。
たくさんの短いお話の中から、是非お気に入りの恐怖を見つけてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる