3バカ、怪異に会う

夜行回

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一章、1

1、12迫り来るもの

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 夜も遅くなり家の中の静けさが増していく。3人とも風呂を終えて、リビングへと戻った。暖房は付けっぱなしだしこたつもそのままだ。こたつの上に並べられたつまみにワインも散らかっている。

「亮介、冷蔵庫に入れられるものは入れてきてくれ」

「戸は開けっぱなしで良いです?」

「いいぞ。今日は集団行動しよう」

「学生の時みたい」

「「そうなー」」

 俺はつまみの袋を袋留めで蓋しつつ、空袋をゴミに入れる。生っぽいものは袋に入れて縛る。ワインと、使った食器などを片付けて綺麗になった。

「隆志。いつでも出られるように、俺たちの荷物もまとめとこうぜ」

「ああ、そうする」

「えー。俺また1人になるのー?」

「亮介。僕たちにも生活があるんだ。帰らないと」

「それは明日だから安心しろ。それに来る回数を増やす。亮介のお母さんにも連絡しとく」

 この怪奇現象が続くようなら、亮介が危険かもしれない。俺たちに何が出来るか分からないが。

「今、お母さん海外出張なんだよね」

「そうなのか。心配になって来るな。なら……」

「よせよせ、直樹。亮介だって困れば父親も頼れる。僕らがやらずともいい。それに、直樹は稼がないと困るんだろ?」

「ああ。5人の兄弟の学費もある。父さんと母さんだけじゃとても払いきれない」

「そうだよな。無理言ってごめん。俺の父さんは遠くにいるけどスマホで連絡取れるし」

「困ったら電話しろよ」

「はーい、お母さん」

「違うからなー!」

 リビングの片付けを終えて、俺たちは2階へと上がった。勇者パーティーのように列をなして先頭は俺、真ん中に亮介、最後尾は隆志。

「来客用の布団が2階にあるんだよね」

「つくづく金持ちだな、僕らには無縁だ」

「ありがたいことだろう。社会人になってからプライベートでお泊まりなんて滅多にできないし」

「ふふんっ。僕は漫画喫茶とかで一夜漬けしまくっているがな」

「えー、ずるー! 俺も行きたい」

「良いぞ、亮介に金があればな。奢らないぞ?」

「えー。けちー!」

 亮介の家の2階にたどり着く。2階ら部屋が3つありほとんど誰も使っていない。そのうちの1つに亮介が入り戸棚を開けた。

「ひぇー!」

 亮介は尻餅をついた。心配で駆け寄った俺たち。

「直樹ー! 手、手がぁ!」

 戸棚の中には手などなかった。だが、入れられた布団の上に手形が残されている。大きな手形が。
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