逆転機ニルヴァーシュ -朝斬りの夜明け-【バンダナコミック01】

ボス子ちゃま

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49話ー『バアさんドリルブレイク』

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「オラァッ!! 逃げんじゃねえッ!!
 ウンコついてねえ人間がぁあああああッ!!」

「お姉ちゃんの言う通りですッ!! お前もウンコになりやがれーッ!!」

 そう言ってパティとスコルが、潜水艦内を走る俺の背後からウンコ水鉄砲を発射してくる。
 連射式のサブマシンガンタイプから切り替え、照射式のレーザービームのように茶色うウンコ光線が甲板を焼く。
 次々とヒットする船乗りや観光客は、たちまち異臭を放ち始めてウンコゾンビと化してしまう。
 一人、また一人倒れて行く中、Uウンコ-ウイルスに感染した者たちは、ゾンビと化してその手にウンコ入りの水鉄砲を構え始める。

「クソなんてヤツらだ!! やめろウンコゾンビども!!
 俺にはこれから、大事な仕事があるんだ!!」

 着実に配下のゾンビを量産する、ウンコゾンビリーダーズのパティとスコル。
 彼女らは、俺が格納庫を目指して走る背後から、猛ダッシュで走ってウンコレーザーを飛ばして来ている。
 ダンジョン探索にウンコをお供につけるなど言語道断。
 ーー絶対にあってはならない緊急事態だッ!!

「酷い!! あなたウンコと仕事のどっちが大事なのッ!?」

「仕事に決まってんだろッ!!」

 ウンコと仕事のどちらが大事かなんて、言うまでもなく分かるだろう。
 もし、ウンコと仕事を比較して、ウンコに軍配が上がりそうな時があれば、それは間違いなく漏らす一歩手前ぐらいなもんだ。

「酷いです!! ターニャが私たちのことをウンコ呼ばわりしてます!! 絶対にウンコにしてやらないと気が済まないですッ!!」

 背後から迫る二人を一瞥すると、その目はウンコマークで血走っている。
 ウンコゾンビに話は通じない。
 何故ならもはや人ではなく、ただのウンコゾンビだからだ。

「クソッ!! こうなったら意地でも逃げ切ってやるぜッ!!」

 俺は、渡り廊下の近くにあった階段の手すりに手を置くと、そのままジャンプして階下へと降りる。
 ショートカットを華麗に決めた俺は、更に2階の渡り廊下を突っ走って最後の階段を探す。

「あったッ!! あそこだッ!!」

 しかし、その階段の先には、既にウンコゾンビの軍団がわらわらとしていた。

「おいッ、何でこんなところにまでウンコゾンビがッ!!」

 背後から刻一刻と迫る、パティとスコルの率いるウンコゾンビ軍団。
 このままでは、二つの軍団に挟み撃ちにされてしまう。
 しかし、

(一体どうして?)

 ウンコゾンビリーダーズは、1階から2階へと降りて来ている。
 その先にある3階のフロアは、本来なら安全地帯で無ければおかしい筈だ。
 よくよく目を凝らして、目の前の階段を占領しているウンコゾンビ軍団を眺めると、そこには見知った顔があるのを見つけてしまう。カンカンと階段を走って降りて来ている。

「アンタが落としたのは、このウンコのラクダかい?
 それともこのウンコのラクダかい?」

「どっちもウンコだクソババア!! 勝手にラクダから感染してんじゃねえよ!!」

 その声の主は、あのトイレで磔にされて気絶していた筈の水商売風のバアさんだ。
 どうやらこのバアさん、俺の使ったラクダから感染してゾンビになっちまったらしい。

「おいおい、ターニャ。アタシが感染したのは、まさにアンタが磔にして、このラクダを置いて行ったからさ!!
 つまり、この結果の責任の所在は!!」

「まさかの俺のせい!?」

 最悪だッ!!
 こんなことならバアさんを気絶させて、あの十字架になんぞ、張り付けるんじゃなかったッ!!
 もたもたしている内に、背後からはパティとスコルが階段を駆け下りてくる。

「しまったッ!! 完全に挟み撃ちにされたッ!!」

「もう観念しなさいターニャッ!! アンタに逃げ場なんてないわよッ!!」

「そうです、観念しろターニャッ!! お前も今からウンコゾンビランド・サガの仲間入りを果たすんですッ!!」

「嫌だぁッ!! それだけは、嫌だぁーッ!!」

 俺の知ってるゾンビランドは、そんなサガじゃなかった筈だッ!!
 大体ウンコに染まって冒険するなど、この俺の冒険者としてのプライドが絶対に許さんッ!!

(ーーだが、このままではもう……)

 懸命にアイディアを振り絞るが、答えは一向に出てこない。

(ーー俺は、こんなところでゲームオーバーなのか?
 いや、待てよ? まだ方法はある!!)

 俺はバアさんにマジカルチンコを発射し、再びバアさんを壁ドゥンする。

「42.195キロ!?」

 そう言って気絶したバアさんの足首をマジカルチンコで掴み、その頭から渡りの廊下の床へと直撃させる。
 名付けて、

「バアさんドリルブレイク!!」

 回転するバアさんをドリル代わりにして、俺は2階の渡り廊下に穴を開ける。
 そして、すかさず穴の中へと逃げ込む。
 装備していたバアさんを空中で投げ捨て、ジョンに託された魔導戦機ゾルガの肩に立つ。
 雪崩込むように格納庫の船床に落ちるウンコゾンビ共を横目に、俺は頭上で穴を覗き込み、目をウンコマークにして憤慨している二人の姉妹に告げる。

「楽しかったぜパティ!! それにスコルも!!
 帰って来たらまた遊ぼう!!」

 仕事も大事だが、遊ぶことも同じぐらい大事だと俺は思う。

「ちぇっ、ターニャとの遊びの時間は終了ですかぁ」 

「仕方がないわね。男の船出を見送ってあげるのが、女の役目だって、お母さんも言ってたし」

 そう言ってパティとスコルは、ついに観念したのか構えていたウンコ水鉄砲を銃口をゆっくりと下げる。

「そう悲観するなよ。一旦お別れだが、またすぐに会えるさ」

「すぐって、どのぐらい?」

「ん~。まぁ、大体1ページ先ぐらいかな?」

 そう言って俺は魔導戦機ゾルガのハッチを開けると、勢いよくコックピットへと乗り込む。
 中の形状はドーム型で、魔導戦機ネオと殆ど同じシステムだ。

「さぁ~て!! 見せて貰おうか!!」

 8番潜水艦の船乗りたちが開発した、海底探索用の新型魔導戦機の性能とやらを!!
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