12 / 35
第一章 冒険者登録編
12話 魔道具職人マテツ
しおりを挟む
マテツという人を探し始めてから数時間後、私たちはその人が構える店を見つけた。
街の人に聞いたところ割と有名であるらしく、大体の場所はすぐ分かったのだが、場所が街の外れで目立たない場所にあったので、見つけるまで時間がかかってしまった。
「ここね、やっと見つけたわ。流石に疲れたわね」
「ふ、これぐらいで疲れるなんて情けないわ」
「普通はこんなものよ。それにしても……」
街の外れ、人通りも少ない寂れた場所に店を構えてる時点でとても不安を感じる。
「入って大丈夫かしらここ?」
「なに?もしかして怖いの? しょうがないわね、ここは臆病な従者の代わりにあたしが先に行って……」
ドォォォォン!!!
「ギャァァァ!!」
「「え?」」
店の隣にある倉庫から爆発音がしたと思うと、ドアが勢いよく開き男が吹き飛んだ。
その後男の仲間らしき人が倉庫から出てきて駆け寄る。
「おい!? 大丈夫か!?」
仲間が声をかけるが男は完全に気絶している。
「け、だから止めとけと言ったんだ」
再び倉庫から人が出てくる。
私より身長が低く、筋骨隆々で髭を生やした姿、一目で私はその人物がドワーフだと分かった。
「畜生! 二度と来るかこの野郎!」
よくある捨て台詞を吐き男たちは去って行く。
ドワーフの男、おそらくマテツも倉庫を閉め店に戻って行った。
一連の出来事を見ていた私たちは呆然とする。
「……じゃあアルテナ行くわよ?」
「……そ、そうね。あたしはあんたの後ろから付いてくわ」
「先に行くんじゃなかったの?そもそもあなたならドワーフを見て興奮してると思ったけど」
「そういう時もあるのよ。とにかくここはあんたに譲ってあげる」
うん、完全に日和ったわね。おそらくドワーフに興味津々だけど、さっきの出来事によるショックが勝ったみたい。
虎穴には入らずんば虎子を得ずと言う。
私は勇気を出して店の扉を開けた。
ガチャッ
店の中に入ると中は思ったより綺麗で、アニメやゲームなどでよく見る、剣などの武器や鎧が置かれていた。
ただ私たち以外に客は誰もおらず閑散としていた。
「中は思ったよりまともね」
「見なさいエレン! この剣とかカッコよくない!? あんたこれ使って戦いなさいよ!」
……なんか興奮したアルテナが飾ってあった剣を私に差し出してくる。
試しに私はその剣を持ってみた。
「……! 無理ね、重くて扱えそうにないわ」
「あんた、箱入り娘じゃ無いんだしこれくらい持てないわけ?」
「普通の女子高生が剣を扱えるわけないでしょう。この剣戻して来なさい」
「はいはい」
アルテナは剣を軽々持ち元の場所に戻す。
よくあんな簡単に持てるものだと思いながらも、私はあることに気づく。
「ねぇアルテナ? ここに魔法が掛かった武器とかそういうのある?」
「え? よくわかんないけど多分ないと思うわよ」
「確かマテツという人は魔道具職人だった筈……じゃあなんで無いのかしら?」
「さあ? 魔道具ってやっぱ高価だと思うし表には置いてないんじゃないの?」
「まあそう言われればそうなんだけど……」
「何だ客か?」
私達が話していると奥からさっきのドワーフが出てくる。
「あなたがマテツさんですか?」
「ああそうだが?というかさっき外にいたガキどもじゃねぇか。何しに来やがった?」
どうやら私達に向こうも気付いていた様だ。私はここに来た理由を説明する事にした。
「実はあなたに用がありまして……」
「敬語はいらん、堅苦しい。で、何の用だ?」
「実は……あ」
不味い事に気がつく。アステナからこの人を尋ねろと言われたが具体的に何をすれば良いのか分からなかっのだ。
とりあえず先程感じた疑問について聞く事にした。
「あなたは魔道具職人と聞いたのだけれど、どうしてここには魔道具がないの?」
「帰れ」
「え?」
「魔道具が欲しけりゃ別を当たれ。俺のはオメェみてぇなガキが扱えるシロモンじゃねぇんだ。分かったらとっとと帰れ」
「でも……分かったわ」
おそらくこの人は典型的な頑固職人なのだろう。今は何を言っても無駄だと思い私は一旦出直す事に決めた。
「帰るわよアルテナ……アルテナ?」
そういえばさっきから姿が見えない。私はとても嫌な予感がした。
「何よこれ!? カッコいい!! ほらエレン見なさいよこれ!!」
いつの間にか店の奥に行っていたアルテナが見せびらかす様に何かを持って来る。
何故かまたすごくテンションが上がっていた。
「テメェいつの間に!? それは売りもんじゃねぇ!! 返せ!」
マテツさんが手を伸ばすがアルテナは器用に避ける。
「何よ? 売り物じゃないの? 勿体無いわね、だったらあたしが使ってやろうじゃないの」
「バカヤロウ! そいつは扱いが難しいんだ! さっきの爆発はそれが原因だ! とっとと返しやがれ!」
マテツさんはアルテナを追いかけるが、スピードの速いアルテナに追いつけるはずもなくついに息が上がる。
「はぁ、はぁ、ちくしょうこのイタズラ小娘め……」
「扱いが難しい? クックック、我はアルテナ、いずれこの世界の覇者になる者。あたしが使いこなせないなんてあり得ないわ」
「あなた覇者になりたくてここ(異世界)に来たわけじゃないでしょう」
「そこはどうでもいいのよ!」
「貴様らぁ!!」
うん、不味いわね。マテツさんの怒りが頂点に達しようとしている。
しかも呼び方が複数形になっている。
「ああわかった! 倉庫に来い! そこで使ってみせろ! もし使いこなせたらそいつをくれてやらぁ!!」
「ふ、望むところよ!!」
私を置いてけぼりにして勝手に話が進んでいく。
本当なら頭の痛くなるところだが、今回に限り二つの理由からそうはならなかった。
一つはアルテナの気持ちが少しわかってしまったのである。
アルテナが持ってきた物、それは厨二男子(アルテナは女だが)が憧れそうな武器、“銃”だった事。
そしてもう一つは……というかこっちの理由が大部分だったのだが、この先の展開が何となくわかってしまった事にあった。
街の人に聞いたところ割と有名であるらしく、大体の場所はすぐ分かったのだが、場所が街の外れで目立たない場所にあったので、見つけるまで時間がかかってしまった。
「ここね、やっと見つけたわ。流石に疲れたわね」
「ふ、これぐらいで疲れるなんて情けないわ」
「普通はこんなものよ。それにしても……」
街の外れ、人通りも少ない寂れた場所に店を構えてる時点でとても不安を感じる。
「入って大丈夫かしらここ?」
「なに?もしかして怖いの? しょうがないわね、ここは臆病な従者の代わりにあたしが先に行って……」
ドォォォォン!!!
「ギャァァァ!!」
「「え?」」
店の隣にある倉庫から爆発音がしたと思うと、ドアが勢いよく開き男が吹き飛んだ。
その後男の仲間らしき人が倉庫から出てきて駆け寄る。
「おい!? 大丈夫か!?」
仲間が声をかけるが男は完全に気絶している。
「け、だから止めとけと言ったんだ」
再び倉庫から人が出てくる。
私より身長が低く、筋骨隆々で髭を生やした姿、一目で私はその人物がドワーフだと分かった。
「畜生! 二度と来るかこの野郎!」
よくある捨て台詞を吐き男たちは去って行く。
ドワーフの男、おそらくマテツも倉庫を閉め店に戻って行った。
一連の出来事を見ていた私たちは呆然とする。
「……じゃあアルテナ行くわよ?」
「……そ、そうね。あたしはあんたの後ろから付いてくわ」
「先に行くんじゃなかったの?そもそもあなたならドワーフを見て興奮してると思ったけど」
「そういう時もあるのよ。とにかくここはあんたに譲ってあげる」
うん、完全に日和ったわね。おそらくドワーフに興味津々だけど、さっきの出来事によるショックが勝ったみたい。
虎穴には入らずんば虎子を得ずと言う。
私は勇気を出して店の扉を開けた。
ガチャッ
店の中に入ると中は思ったより綺麗で、アニメやゲームなどでよく見る、剣などの武器や鎧が置かれていた。
ただ私たち以外に客は誰もおらず閑散としていた。
「中は思ったよりまともね」
「見なさいエレン! この剣とかカッコよくない!? あんたこれ使って戦いなさいよ!」
……なんか興奮したアルテナが飾ってあった剣を私に差し出してくる。
試しに私はその剣を持ってみた。
「……! 無理ね、重くて扱えそうにないわ」
「あんた、箱入り娘じゃ無いんだしこれくらい持てないわけ?」
「普通の女子高生が剣を扱えるわけないでしょう。この剣戻して来なさい」
「はいはい」
アルテナは剣を軽々持ち元の場所に戻す。
よくあんな簡単に持てるものだと思いながらも、私はあることに気づく。
「ねぇアルテナ? ここに魔法が掛かった武器とかそういうのある?」
「え? よくわかんないけど多分ないと思うわよ」
「確かマテツという人は魔道具職人だった筈……じゃあなんで無いのかしら?」
「さあ? 魔道具ってやっぱ高価だと思うし表には置いてないんじゃないの?」
「まあそう言われればそうなんだけど……」
「何だ客か?」
私達が話していると奥からさっきのドワーフが出てくる。
「あなたがマテツさんですか?」
「ああそうだが?というかさっき外にいたガキどもじゃねぇか。何しに来やがった?」
どうやら私達に向こうも気付いていた様だ。私はここに来た理由を説明する事にした。
「実はあなたに用がありまして……」
「敬語はいらん、堅苦しい。で、何の用だ?」
「実は……あ」
不味い事に気がつく。アステナからこの人を尋ねろと言われたが具体的に何をすれば良いのか分からなかっのだ。
とりあえず先程感じた疑問について聞く事にした。
「あなたは魔道具職人と聞いたのだけれど、どうしてここには魔道具がないの?」
「帰れ」
「え?」
「魔道具が欲しけりゃ別を当たれ。俺のはオメェみてぇなガキが扱えるシロモンじゃねぇんだ。分かったらとっとと帰れ」
「でも……分かったわ」
おそらくこの人は典型的な頑固職人なのだろう。今は何を言っても無駄だと思い私は一旦出直す事に決めた。
「帰るわよアルテナ……アルテナ?」
そういえばさっきから姿が見えない。私はとても嫌な予感がした。
「何よこれ!? カッコいい!! ほらエレン見なさいよこれ!!」
いつの間にか店の奥に行っていたアルテナが見せびらかす様に何かを持って来る。
何故かまたすごくテンションが上がっていた。
「テメェいつの間に!? それは売りもんじゃねぇ!! 返せ!」
マテツさんが手を伸ばすがアルテナは器用に避ける。
「何よ? 売り物じゃないの? 勿体無いわね、だったらあたしが使ってやろうじゃないの」
「バカヤロウ! そいつは扱いが難しいんだ! さっきの爆発はそれが原因だ! とっとと返しやがれ!」
マテツさんはアルテナを追いかけるが、スピードの速いアルテナに追いつけるはずもなくついに息が上がる。
「はぁ、はぁ、ちくしょうこのイタズラ小娘め……」
「扱いが難しい? クックック、我はアルテナ、いずれこの世界の覇者になる者。あたしが使いこなせないなんてあり得ないわ」
「あなた覇者になりたくてここ(異世界)に来たわけじゃないでしょう」
「そこはどうでもいいのよ!」
「貴様らぁ!!」
うん、不味いわね。マテツさんの怒りが頂点に達しようとしている。
しかも呼び方が複数形になっている。
「ああわかった! 倉庫に来い! そこで使ってみせろ! もし使いこなせたらそいつをくれてやらぁ!!」
「ふ、望むところよ!!」
私を置いてけぼりにして勝手に話が進んでいく。
本当なら頭の痛くなるところだが、今回に限り二つの理由からそうはならなかった。
一つはアルテナの気持ちが少しわかってしまったのである。
アルテナが持ってきた物、それは厨二男子(アルテナは女だが)が憧れそうな武器、“銃”だった事。
そしてもう一つは……というかこっちの理由が大部分だったのだが、この先の展開が何となくわかってしまった事にあった。
1
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
姫様、国を買う〜亡国の姫は己の拳で金を稼ぐ〜
アジカンナイト
ファンタジー
魔物の襲撃で滅んだベルタ王国。
襲撃から生き延びたベルタ王国の姫カリーナが選んだ祖国再興の手段は、「なんでも屋」の開業だった!
旅の途中で出会った、ギャンブル狂いの元騎士の盗賊、人語を話すオーク、龍人族の剣士という一癖も二癖もある野郎共を従えて、亡国の姫による祖国再建の物語が始まる。
「報酬は、国一つ分くらい弾んでもらうわよ?」
カリーナは今日も依頼に奔走する。
完結まで書き切っています。
カクヨム様でも投稿しております。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
5人の勇者を「500人」と報告したら、魔王様が和平の準備を始めました
miko.m
ファンタジー
※最終話までプロット作成済み。
※毎日19時に更新予定(たまに12時にも更新します)。
「勇者が500人!? 無理無理、勝てるわけないだろ! 和平だ、今すぐ娘を嫁に出せ!!」
魔王軍第一軍団長・ゴルドーは困っていた。たった5人の勇者に惨敗したなど、出世欲の塊である魔王ゼノンに言えるわけがない。保身のために彼がついた嘘。それは「勇者が500人いた」という、あまりにも適当な虚偽報告だった。
しかし、小心者の魔王様はそれを真に受けてパニックに! 「500人の勇者と全面戦争なんてしたら魔王軍が破産する!」と、威厳をかなぐり捨ててまさかの「終戦準備」を開始してしまう。
一方、真実を知った魔王家の三姉妹は、父の弱腰を逆手に取ってとんでもない作戦を企てる。
「500人は嘘? ちょうどいいわ。お父様を売って、あのハイスペックな勇者様たちを婿にしましょう!」
嘘を塗り重ねる軍団長、絶望する魔王、そして勇者を「逆スカウト」して実家脱出を目論む肉食系姫君たち。人間界のブラックな王様に使い潰される勇者たちを、魔王軍が「厚遇」で囲い込む!? 嘘から始まる、勘違いだらけの経営再建ファンタジーコメディ、開幕!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる