元騎士の歳上公爵様がまさかの××でした!?

ねーさん

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「う…ん…」
 い、痛い。
 隘路を破り開かれる痛みに、マジョリカはアシュトンにギュッと抱き付いた。
「くっ……」
 アシュトンもマジョリカを抱きしめ、息を乱しながら屹立を小さく前後させながら押し進める。
「はっ…まだ…全部じゃないのに…もう…出そうなくらい…気持ちいい…」
 耳元で呟くと、アシュトンはマジョリカの耳朶を甘噛みした。
「あっ」
 ブワッと鳥肌が立つ。
 腰を押し進めながら、耳孔へ舌を入れ、ピチャピチャと舐める。
「あ、ん。ああ…」
 水音が耳から頭の中へ響いてマジョリカの身体から力が抜けた。
 そのタイミングを逃さず、グッと屹立を押し込む。
「んあ!」
「はあ…」
 マジョリカが喉を逸らし、奥まで行き着いたアシュトンは息を吐いた。

 痛い。熱い。重い。…でも、幸せ。
「マジョリカ…」
 マジョリカを見つめるアシュトンの眼が潤んでいて、それを見たマジョリカの眼にも涙が浮かぶ。
「これで…私…アシュトン様の…本当の…妻に……」
「ああ…マジョリカの夫は私だ。絶対に離さない」
 マジョリカが微笑むと、アシュトンの眼から涙が一筋流れて、マジョリカの頬へと落ちた。

-----

「……エディス、何か言って」
 乱れたシーツに情交の跡と赤いしるし
 当たり前の夫婦の営みとはいえ、侍女エディスに初めてそれを見られ、湯浴みで身体に残る痕を見られ、マジョリカは茹だりそうになりながら鏡の前に座る。
 そして表情を変えずに髪を拭き、梳かすエディスに耐えきれずに言った。
「何か、ですか?」
 エディスは不思議そうに首を傾げる。
「わかってるの。公爵家の侍女たるもの、仕える主人に何があっても口や態度に出したりしない。常に平常でいるのが当然なのは。でも…何だかこれは居た堪れなくて…何でもいいから何か言って…」
 情けなく眉を下げるマジョリカに、エディスは一歩下がると恭しく頭を下げた。
、おめでとうございます」

「おおお奥様!?」
「旦那様から今日からマジョリカ様をそうお呼びするよう、仰せつかっております」
 顔を真っ赤にして慌てるマジョリカにエディスは冷静に言う。
「………」
 マジョリカは何か言おうとパクパクと口を動かすが、何も言葉が出せなかった。

-----

 大聖堂で、各国からの賓客たちの後ろの席に座ったマジョリカとアシュトン。
 婚儀が始まる前のサワサワした空気の中で、アシュトンがマジョリカの方へ頭を傾けて小声で言う。
「身体は大丈夫か?」
 うう。本当は違和感……アシュトン様がまだいるみたいな感じがするし、ヒリヒリするし、腰も痛いし、全身怠いし…
 でもそんな事恥ずかしくて言えない…
「大丈夫です」
 小声で答えると、アシュトンが微笑んでマジョリカの手を握った。

 オルガンの音が流れ始め、大聖堂の大きな扉がゆっくり開くと、白い衣装に金の刺繍が施された正装のアルヴェルが入場して来る。
 マジョリカは前方の親族の席へと視線をやった。
 銀の短い髪の隣に綺麗にアップにされた赤い髪が見える。そしてその隣にはハーフアップの銀の髪。
 シルベルトお兄様とセシリア様、その隣はクラリッサね。
 クラリッサはシルベルトに叱責されたマジョリカを慰めてくれた大好きな従姉妹であり友人だ。
 クラリッサは、実はずっとアルヴェルが好きだったと、マジョリカとアシュトンの結婚が決まった時にマジョリカに告白した。しかしアルヴェルは兄の友人で王子、国益に叶う相手と縁を結ぶのだろうと想いを告げる事はできずにいた、と。
 だからアルヴェルがディナと婚約する事になった時、クラリッサは落ち込んだ。その時、自分に言い聞かせた言葉をマジョリカに贈ってくれたのだ。
「仕方ない。仕方ない。言い訳しない。人のせいにしない。って唱えるの。私が失恋したのはアルヴェル殿下のせいでもないし、ディナ様のせいでもないし、私のせいでもない。仕方ない事なんだって、自分に言うのよ」
 そう言ったクラリッサは今アルヴェルの結婚式に参列している。
 どんな気持ちでアルヴェル殿下を見てるんだろう…少しは吹っ切れたかな。今度会った時、二人になったら手を握ろう。泣きたかったら一緒に泣こう。私は幸せになれたよって報告しよう。クラリッサはきっと「良かったね」って笑ってくれるから。

 大きな扉が再び開いて、父親と腕を組んだディナが深く頭を下げる。
 キラキラと輝く純白のドレスに、長いトレーンのヴェール。赤茶の髪が一歩足を進める度にヴェールと一緒にゆらゆら揺れてとても綺麗だった。



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