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「そもそも、王になったら嬉しいか?って言った時に」
「うん?」
「じゃあ婚約解消しなくちゃなって、すごく嬉しそうと言うか、楽しそうに笑って言ったのは何故なんですか?」
「ああ…」
今日もレオンはキャストン邸を訪れている。マルティナも一緒に来ているが、マルティナはフィオナの兄レナードと庭を散策中で、レオンはフィオナとテラスでお茶会中だ。
「あれは『やっぱりな』と言う落胆を誤魔化そうとした反動だな」
「反動であんな笑顔になる物なんですか?」
「それだけ落胆したって事だ」
「そうなんですか?」
フィオナは「納得いかないな」と呟きながら首を傾げる。
「あ、あと、トンプソン子爵家の別荘に助けに来てくれた時に『思い出した』って言ってたのは?」
「あれは…」
レオンが言い掛けた時、マルティナとレナードが戻って来た。
「フィオナが植えた薔薇を見てきたわ」
「綺麗だったでしょ?」
「ええ」
マルティナとレナードがお茶の席に着く。
「植えただけで世話は庭師がしてるけどな」
「お兄様!」
「フィオ…」
「たったまにはお世話してますよ!水とか!薔薇って育てるの難しいんだから、素人が無闇に手を出しちゃ駄目なんです!」
フィオナが必死に言っていると、テラスに慌てた様子の執事と、レオンの侍従パスカルがやって来た。
「どうした?」
レオンが素早く立ち上がる。
「レオン殿下、クレア様がお倒れに…」
「母上が!?」
「お母様?」
クレアは王太子の側妃で、レオンとマルティナの母親だ。
「ティナ、戻ろう」
「はい!」
「レオン様、馬の方が早いわ!ウチの一番速い馬を出します!」
「ああ。ありがとうフィオ」
レオンは馬で、マルティナは馬車で王宮に戻る事となり、フィオナはマルティナに付き添って馬車に乗り込んだ。
レオンとパスカルの馬はすでに見えなくなった道を馬車で走る。
「お母様…」
「ティナ、すぐに着くわ」
フィオナはマルティナの手を握る。二人で手を握り合った、その時
ガガガッ
と音がして、馬車が大きく揺れた。
「な、何!?」
「きゃあ!」
ガタガタッ
ガガッガーンッザザッ
ガツッガシャガシャンッ
馬車が横倒しになり、道から逸れて木をなぎ倒しながら川土手を滑り落ち、大きな岩に当たって、止まった。
-----
王城に着いたレオンは、クレアの居室に向かって走る。
「母上!」
クレアの寝室に入ると、ベッドの周りを医師と看護師、薬師が取り囲んでいた。
部屋の隅の長椅子に項垂れて座っていた王太子デリックがレオンの声を聞いて顔を上げる。
「レオン」
「父上、母上は…?」
レオンはデリックの前に跪いた。
「毒を…」
「毒?」
「…紅茶に毒を入れられていたようだ」
「容体は?」
「解毒はしたが、厳しい状態だ」
レオンは立ち上がると、ベッドの側に行く、看護師が後ろに下がり、枕元にいた医師と並び母の顔を見た。
クレアは青白い顔色で眉間に皺が寄っているが、規則正しく呼吸をしていた。
「…意識がないのか?」
「先程までは嘔吐と胸痛で苦しまれていたのですが、今は眠っておられます」
「そうか」
「毒味役が毒を入れた事を認めているので、すでに捕らえてある。今取り調べをしているだろう」
デリックが言う。
「一体誰が…」
「…レオン」
デリックは自身の膝の上で組んだ手を握りしめた。
「はい」
「クレアの症状が、アデラが亡くなった時と似ている」
「正妃様が?」
「あの時は心臓の病と結論付けられたが…」
「…まさか」
「判らん。確証はない。ないが…」
アデラは王太子妃でブライアンが3歳の時亡くなっている。
アデラは毒を盛られたクレアと同じように嘔吐と胸痛を訴えた。医師に心臓発作と診断され、苦しんで、そのまま亡くなった。デリックはクレアの苦しむ様子を見て、かつてアデラが苦しんでいた様が重なって見えたのだ。
…もし、正妃様が毒殺されたとして、母上を狙った者と同じ者が?
「レオン殿下、パスカル様が」
看護師の一人がパスカルが来ているとレオンに知らせて来る。
レオンがクレアの寝室を出ると、パスカルが足早に近寄って来る。
「ノエル殿から急告が」
「ノエル?」
まさか、フィオとティナに何かあったのか?
「マルティナ殿下とフィオナ様の乗った馬車が、川に転落し…大破した、と」
「そもそも、王になったら嬉しいか?って言った時に」
「うん?」
「じゃあ婚約解消しなくちゃなって、すごく嬉しそうと言うか、楽しそうに笑って言ったのは何故なんですか?」
「ああ…」
今日もレオンはキャストン邸を訪れている。マルティナも一緒に来ているが、マルティナはフィオナの兄レナードと庭を散策中で、レオンはフィオナとテラスでお茶会中だ。
「あれは『やっぱりな』と言う落胆を誤魔化そうとした反動だな」
「反動であんな笑顔になる物なんですか?」
「それだけ落胆したって事だ」
「そうなんですか?」
フィオナは「納得いかないな」と呟きながら首を傾げる。
「あ、あと、トンプソン子爵家の別荘に助けに来てくれた時に『思い出した』って言ってたのは?」
「あれは…」
レオンが言い掛けた時、マルティナとレナードが戻って来た。
「フィオナが植えた薔薇を見てきたわ」
「綺麗だったでしょ?」
「ええ」
マルティナとレナードがお茶の席に着く。
「植えただけで世話は庭師がしてるけどな」
「お兄様!」
「フィオ…」
「たったまにはお世話してますよ!水とか!薔薇って育てるの難しいんだから、素人が無闇に手を出しちゃ駄目なんです!」
フィオナが必死に言っていると、テラスに慌てた様子の執事と、レオンの侍従パスカルがやって来た。
「どうした?」
レオンが素早く立ち上がる。
「レオン殿下、クレア様がお倒れに…」
「母上が!?」
「お母様?」
クレアは王太子の側妃で、レオンとマルティナの母親だ。
「ティナ、戻ろう」
「はい!」
「レオン様、馬の方が早いわ!ウチの一番速い馬を出します!」
「ああ。ありがとうフィオ」
レオンは馬で、マルティナは馬車で王宮に戻る事となり、フィオナはマルティナに付き添って馬車に乗り込んだ。
レオンとパスカルの馬はすでに見えなくなった道を馬車で走る。
「お母様…」
「ティナ、すぐに着くわ」
フィオナはマルティナの手を握る。二人で手を握り合った、その時
ガガガッ
と音がして、馬車が大きく揺れた。
「な、何!?」
「きゃあ!」
ガタガタッ
ガガッガーンッザザッ
ガツッガシャガシャンッ
馬車が横倒しになり、道から逸れて木をなぎ倒しながら川土手を滑り落ち、大きな岩に当たって、止まった。
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王城に着いたレオンは、クレアの居室に向かって走る。
「母上!」
クレアの寝室に入ると、ベッドの周りを医師と看護師、薬師が取り囲んでいた。
部屋の隅の長椅子に項垂れて座っていた王太子デリックがレオンの声を聞いて顔を上げる。
「レオン」
「父上、母上は…?」
レオンはデリックの前に跪いた。
「毒を…」
「毒?」
「…紅茶に毒を入れられていたようだ」
「容体は?」
「解毒はしたが、厳しい状態だ」
レオンは立ち上がると、ベッドの側に行く、看護師が後ろに下がり、枕元にいた医師と並び母の顔を見た。
クレアは青白い顔色で眉間に皺が寄っているが、規則正しく呼吸をしていた。
「…意識がないのか?」
「先程までは嘔吐と胸痛で苦しまれていたのですが、今は眠っておられます」
「そうか」
「毒味役が毒を入れた事を認めているので、すでに捕らえてある。今取り調べをしているだろう」
デリックが言う。
「一体誰が…」
「…レオン」
デリックは自身の膝の上で組んだ手を握りしめた。
「はい」
「クレアの症状が、アデラが亡くなった時と似ている」
「正妃様が?」
「あの時は心臓の病と結論付けられたが…」
「…まさか」
「判らん。確証はない。ないが…」
アデラは王太子妃でブライアンが3歳の時亡くなっている。
アデラは毒を盛られたクレアと同じように嘔吐と胸痛を訴えた。医師に心臓発作と診断され、苦しんで、そのまま亡くなった。デリックはクレアの苦しむ様子を見て、かつてアデラが苦しんでいた様が重なって見えたのだ。
…もし、正妃様が毒殺されたとして、母上を狙った者と同じ者が?
「レオン殿下、パスカル様が」
看護師の一人がパスカルが来ているとレオンに知らせて来る。
レオンがクレアの寝室を出ると、パスカルが足早に近寄って来る。
「ノエル殿から急告が」
「ノエル?」
まさか、フィオとティナに何かあったのか?
「マルティナ殿下とフィオナ様の乗った馬車が、川に転落し…大破した、と」
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