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昼休みの食堂で、パトリシアがクラスメイトと食事をしていると、生徒会役員の一団が食堂へ入って来た。
一団の中にアランが居たので、パトリシアは声を掛けようかと思ったが、パトリシアの座る席からは遠い場所に一団が固まって席を取ったのでとりあえず様子を眺める事にする。
生徒会の役員が四人と、サポートメンバーが四人。フェアリ様も居るわね。アレン殿下は居ないのか…
アランを挟んで両隣にロードとライネルが座る。ロードの反対隣には書記で一年生のベアトリス・バーンズ、ベアトリスの向かいにジュリアナ・キャメロン、後はサポートメンバーの女生徒が二人、男子生徒が一人。
ビビアン様は居ないのね。
アランとライネルさん、隣に座っててもあんまり話してないな。むしろアランとフェアリ様が顔を寄せ合って何か話してて…仲良さそう、と言うか親密そう。
そう思って見ていると、アランとライネルが揃って立ち上がると、話しながら食堂を出て行った。
え?食堂に来たのにお昼食べないの?
すぐ戻って来るのかしら?
「いい加減にしなさいよ!」
アランの背中を見ていたら、残った生徒会役員たちの席の方から女性の声が聞こえて来た。
視線を戻すと、ジュリアナが立ち上がってベアトリスを睨み付けていた。
ジュリアナはパトリシアの兄フレデリックの婚約者なのでよく知っているが、あんなに怒った顔は見た事がなかった。
え?ジュリアナ様、どうしたの?
「ロード様にベタベタベタベタして。見苦しいのよ」
「キャメロン様には関係ないじゃないですか!」
ベアトリスも立ち上がってジュリアナに言い返す。
「関係なくないわ」
「ロード様が誰と仲良くしようとキャメロン様には何の関係ないですわ」
「人前でベタベタして、ロード様が迷惑してるのがわからないの!?」
もしかして、フェアリ様を巡って揉めてるの?
パトリシアがベアトリスの隣に座るロードを見ると、ロードは立ち上がって言い合う二人を頬杖をついて無表情に眺めていた。
「ロード様は迷惑なんて一言も仰ってないです」
「婚約者のいる女生徒に言い寄られて迷惑じゃない訳ないわ!」
「そう言うキャメロン様だって婚約者がおられますよね。私が羨ましいからってロード様を盾にするのはやめてください!」
「羨ましい?」
「私がロード様と仲良くなったから、羨ましいんでしょう?」
「羨ましくなんかないわ!」
「嘘ばっかり!自分もロード様を好きな癖に!仲良くしている私の事が羨ましい癖に!」
えええ!?
食堂にいる全ての生徒の注目を集める二人のやり取りに、パトリシアは目を見開く。
すると、ロードがパトリシアの方へ視線を向けた。
目が合うと、ロードはパトリシアへ笑顔を向ける。
…何で婚約者の居る令嬢が自分の事で言い争ってるのに、慌てるでもなく、止めるでもなく、こっち見て笑ってるの?
そうパトリシアが思ったのがわかったかのように、ロードは肩を竦めてパトリシアに笑い掛けると、立って言い合っているジュリアナとベアトリスを見上げた。
「もうやめよっか」
笑顔で二人を見る。
「ロード様…」
「でも…」
「まあまあ。ここ食堂だし」
そう言われてハッとした二人は周囲を見回す。全員の視線が自分たちに集まっているのに気付き、二人は視線を合わせると、どちらからともなく気まずそうに黙って座った。
-----
「いやあ参ったね」
昼休みの終わる間際に教室に戻って来たロードは、そう言いながら席に座った。
「…フェアリ様」
パトリシアが声を掛けると、ロードはにっこりと笑う。
「ん?そろそろパトリシアちゃんもフェアリじゃなくてロードって呼んでよ」
「…フェアリ様、バーンズ様とジュリアナ様は…その…」
「何でベアトリスは苗字でジュリアナは名前呼びなの?あ、そうか、ジュリアナの婚約者はパトリシアちゃんのお兄さんだっけ」
「そうです。と、言うか、そちらは何で名前を呼び捨てなんですか?」
「俺、基本みんな呼び捨てだよ。さすがにアラン殿下には殿下付けるし、アレン殿下は生徒会長って呼ぶけど、他の人にはね。パトリシアちゃんを呼び捨てたら生徒会長に怒られそうだからしないだけ」
ケロリとして言うロード。
「何でアレン殿下に?」
怒るとしたら婚約者のアランじゃないの?
「アラン殿下はあんまり気にしなさそうじゃない?」
確かに。
「生徒会長は厳しそう」
確かに。
「はーい、皆んな席に着いて」
マリアンが教室に入って来て授業が始まる。
パトリシアは教科書に目を落とすロードを横目で見た。
考えてみれば「バーンズ様とジュリアナ様はフェアリ様を好きなんですか?」何てフェアリ様に聞いてもどうしようもなかったわ。
パトリシアも教科書に視線を向ける。
それより結局あのままアランは戻って来なかったけど、ライネルさんとどこに行ったんだろう?
教科書を見るパトリシアを、ロードが頬杖をついてじっと見ていた。
昼休みの食堂で、パトリシアがクラスメイトと食事をしていると、生徒会役員の一団が食堂へ入って来た。
一団の中にアランが居たので、パトリシアは声を掛けようかと思ったが、パトリシアの座る席からは遠い場所に一団が固まって席を取ったのでとりあえず様子を眺める事にする。
生徒会の役員が四人と、サポートメンバーが四人。フェアリ様も居るわね。アレン殿下は居ないのか…
アランを挟んで両隣にロードとライネルが座る。ロードの反対隣には書記で一年生のベアトリス・バーンズ、ベアトリスの向かいにジュリアナ・キャメロン、後はサポートメンバーの女生徒が二人、男子生徒が一人。
ビビアン様は居ないのね。
アランとライネルさん、隣に座っててもあんまり話してないな。むしろアランとフェアリ様が顔を寄せ合って何か話してて…仲良さそう、と言うか親密そう。
そう思って見ていると、アランとライネルが揃って立ち上がると、話しながら食堂を出て行った。
え?食堂に来たのにお昼食べないの?
すぐ戻って来るのかしら?
「いい加減にしなさいよ!」
アランの背中を見ていたら、残った生徒会役員たちの席の方から女性の声が聞こえて来た。
視線を戻すと、ジュリアナが立ち上がってベアトリスを睨み付けていた。
ジュリアナはパトリシアの兄フレデリックの婚約者なのでよく知っているが、あんなに怒った顔は見た事がなかった。
え?ジュリアナ様、どうしたの?
「ロード様にベタベタベタベタして。見苦しいのよ」
「キャメロン様には関係ないじゃないですか!」
ベアトリスも立ち上がってジュリアナに言い返す。
「関係なくないわ」
「ロード様が誰と仲良くしようとキャメロン様には何の関係ないですわ」
「人前でベタベタして、ロード様が迷惑してるのがわからないの!?」
もしかして、フェアリ様を巡って揉めてるの?
パトリシアがベアトリスの隣に座るロードを見ると、ロードは立ち上がって言い合う二人を頬杖をついて無表情に眺めていた。
「ロード様は迷惑なんて一言も仰ってないです」
「婚約者のいる女生徒に言い寄られて迷惑じゃない訳ないわ!」
「そう言うキャメロン様だって婚約者がおられますよね。私が羨ましいからってロード様を盾にするのはやめてください!」
「羨ましい?」
「私がロード様と仲良くなったから、羨ましいんでしょう?」
「羨ましくなんかないわ!」
「嘘ばっかり!自分もロード様を好きな癖に!仲良くしている私の事が羨ましい癖に!」
えええ!?
食堂にいる全ての生徒の注目を集める二人のやり取りに、パトリシアは目を見開く。
すると、ロードがパトリシアの方へ視線を向けた。
目が合うと、ロードはパトリシアへ笑顔を向ける。
…何で婚約者の居る令嬢が自分の事で言い争ってるのに、慌てるでもなく、止めるでもなく、こっち見て笑ってるの?
そうパトリシアが思ったのがわかったかのように、ロードは肩を竦めてパトリシアに笑い掛けると、立って言い合っているジュリアナとベアトリスを見上げた。
「もうやめよっか」
笑顔で二人を見る。
「ロード様…」
「でも…」
「まあまあ。ここ食堂だし」
そう言われてハッとした二人は周囲を見回す。全員の視線が自分たちに集まっているのに気付き、二人は視線を合わせると、どちらからともなく気まずそうに黙って座った。
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「いやあ参ったね」
昼休みの終わる間際に教室に戻って来たロードは、そう言いながら席に座った。
「…フェアリ様」
パトリシアが声を掛けると、ロードはにっこりと笑う。
「ん?そろそろパトリシアちゃんもフェアリじゃなくてロードって呼んでよ」
「…フェアリ様、バーンズ様とジュリアナ様は…その…」
「何でベアトリスは苗字でジュリアナは名前呼びなの?あ、そうか、ジュリアナの婚約者はパトリシアちゃんのお兄さんだっけ」
「そうです。と、言うか、そちらは何で名前を呼び捨てなんですか?」
「俺、基本みんな呼び捨てだよ。さすがにアラン殿下には殿下付けるし、アレン殿下は生徒会長って呼ぶけど、他の人にはね。パトリシアちゃんを呼び捨てたら生徒会長に怒られそうだからしないだけ」
ケロリとして言うロード。
「何でアレン殿下に?」
怒るとしたら婚約者のアランじゃないの?
「アラン殿下はあんまり気にしなさそうじゃない?」
確かに。
「生徒会長は厳しそう」
確かに。
「はーい、皆んな席に着いて」
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パトリシアは教科書に目を落とすロードを横目で見た。
考えてみれば「バーンズ様とジュリアナ様はフェアリ様を好きなんですか?」何てフェアリ様に聞いてもどうしようもなかったわ。
パトリシアも教科書に視線を向ける。
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