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「ベスちゃん?」
「…何してらっしゃるの?」
「俺の部屋で俺が寝てて、何か不思議かなあ?」
エリザベスがソファに横たわるロードを覗き込むと、ロードは「んー」と伸びをしながら言う。
「むしろ俺の部屋にベスちゃんが居る方が不思議じゃない?どうしたの?座る?」
起き上がってソファに座り直したロードはポンポンと自分の腿を叩く。
「…座る訳ないでしょう?」
エリザベスは眉間に皺を寄せてジロッとロードを見る。
「だよね~じゃあそっちへどうぞ」
テーブルを挟んだ向かい側のソファを示すと、エリザベスはロードの斜め前に浅く腰掛けた。
「ああ、久々にベスちゃんに蔑んだ目で見られて…ゾクゾクするね」
ロードはニッコリと笑う。
エリザベスはますます眉間の皺を深くした。
「で?王子の婚約者が他の男の家にわざわざ来るなんて何事?しかも俺なんて罪人じゃん」
「……」
エリザベスは無言で俯く。
「うーん、俺はアレン殿下には近付いてないからベスちゃんに陥れられる筈ないんだけどなあ」
ロードが小声で呟くと、エリザベスは顔を上げた。
「何がないんですの?」
きょとんとした表情。
ゲームではロードがアレンと親しくならないように、エリザベスはロードに嫌がらせをする。
人気のない場所へ呼び出して説教をしたり、他の生徒の前で嫌味を言ったり、ロードがカンニングをしていたと教師に虚偽の報告をしたり、自分に不敬な態度を取ったと訴えたり。
でも、いくらエリザベスがそうしてもロードがアレンルートを選べば、嫌がらせなどあってなかったかの如く二人は近付いて、惹かれ合ってしまうのだが。
「何でもないよ」
ロードはニコニコと笑った。
そうしたらベスちゃん…ゲームのエリザベスは自分の取り巻きの令嬢に「ロードを誘惑しろ」って命じるんだよね。自分じゃなくて他人を使う所が、ザ・悪役令嬢!って感じで良いよね。
でもロードはアレンが好きだからその誘惑には乗らなくて、困ったエリザベスは自分がロードに襲われた事にして陥れようと企むんだ。
放課後の教室で二人きりになって、制服を自分で乱して「いやあ!」と叫びながら飛び出すと、そこに「善意の第三者」と言うテイの女生徒がいて「助けて!ロード様が突然…」って涙ボロボロ流して助けを求めるってベタな奴。
「ベスちゃんがわざわざ家まで来るくらいだから、何か頼みでもあるのかな?と思ってさ」
「……ええ」
エリザベスは目を泳がせながら頷く。
ベスちゃんって高いプライドとキツ目の顔立ちが高飛車に見せてるだけで、本当はそんなに気が強い訳じゃないんだよね。
何か高飛車な処が俺のM心を刺激するし、ふと見せる気弱な処にS心が刺激されるし…多分ベスちゃんと俺って相性良いんじゃないかなあ?
「フェアリ様は…」
「ロードで良いよ?」
「…ロード様は、パトリシア様をお好きなんですよね?」
「さあ?」
ロードはニコッと笑うと首を傾げる。
「パトリシア様がお好きだからあんな…皆を巻き込んでまで攫ったんじゃないんですの?」
エリザベスは前のめりになりながら言う。
「あの事件は『薬草畑の火災で人を死なせてしまって自責の念に駆られた俺が自暴自棄になって起こした事件』だよ?」
まあこじつけにしても苦しい動機だけどね。
「私、あの時パトリシア様の隣にいましたの」
「なるほど。だから俺がパティを連れて講堂を出たのを知ってるんだ」
「ええ……どうして…」
「ん?」
「…いえ……」
暫く沈黙した後、エリザベスは意を決した様に言った。
「…ロード様、私が手引きしますので、パトリシア様を傷物にしてくださいませんか!?」
ゲームではベスちゃん…じゃないや、エリザベスが俺に襲われたと言った時、二人しかいないと思っていた教室の死角に、実は忘れ物を取りに来ていた生徒がいて、エリザベスの企みは狂言だとバレてしまったんだよ。それからロードに嫌がらせするのを強要された令嬢や、ロードを誘惑しようとした令嬢からの告発もあったりして、婚約者のアレンの怒りを買って、卒業パーティーで断罪されて婚約破棄されるんだ。
それでアレンはロードを傍に置きながら独身を貫いて、エリザベスは祖父の様な歳の、若い女が何より好きな辺境のエロジジイに嫁がされ、ジジイが死んでもその息子に慰み者にされて一生を終えるんだよ。
この世界のパティはアランじゃなくてアレンを好きで、この世界のベスちゃんは俺を陥れるんじゃなくて、俺で人を陥れようとするんだから、俺の知ってるゲームの様にストーリーは進まないのはもうわかってるんだけど…それでも、人を陥れようとした者の末路は、やっぱり似てるんじゃないかなあ?
「ベスちゃん?」
「…何してらっしゃるの?」
「俺の部屋で俺が寝てて、何か不思議かなあ?」
エリザベスがソファに横たわるロードを覗き込むと、ロードは「んー」と伸びをしながら言う。
「むしろ俺の部屋にベスちゃんが居る方が不思議じゃない?どうしたの?座る?」
起き上がってソファに座り直したロードはポンポンと自分の腿を叩く。
「…座る訳ないでしょう?」
エリザベスは眉間に皺を寄せてジロッとロードを見る。
「だよね~じゃあそっちへどうぞ」
テーブルを挟んだ向かい側のソファを示すと、エリザベスはロードの斜め前に浅く腰掛けた。
「ああ、久々にベスちゃんに蔑んだ目で見られて…ゾクゾクするね」
ロードはニッコリと笑う。
エリザベスはますます眉間の皺を深くした。
「で?王子の婚約者が他の男の家にわざわざ来るなんて何事?しかも俺なんて罪人じゃん」
「……」
エリザベスは無言で俯く。
「うーん、俺はアレン殿下には近付いてないからベスちゃんに陥れられる筈ないんだけどなあ」
ロードが小声で呟くと、エリザベスは顔を上げた。
「何がないんですの?」
きょとんとした表情。
ゲームではロードがアレンと親しくならないように、エリザベスはロードに嫌がらせをする。
人気のない場所へ呼び出して説教をしたり、他の生徒の前で嫌味を言ったり、ロードがカンニングをしていたと教師に虚偽の報告をしたり、自分に不敬な態度を取ったと訴えたり。
でも、いくらエリザベスがそうしてもロードがアレンルートを選べば、嫌がらせなどあってなかったかの如く二人は近付いて、惹かれ合ってしまうのだが。
「何でもないよ」
ロードはニコニコと笑った。
そうしたらベスちゃん…ゲームのエリザベスは自分の取り巻きの令嬢に「ロードを誘惑しろ」って命じるんだよね。自分じゃなくて他人を使う所が、ザ・悪役令嬢!って感じで良いよね。
でもロードはアレンが好きだからその誘惑には乗らなくて、困ったエリザベスは自分がロードに襲われた事にして陥れようと企むんだ。
放課後の教室で二人きりになって、制服を自分で乱して「いやあ!」と叫びながら飛び出すと、そこに「善意の第三者」と言うテイの女生徒がいて「助けて!ロード様が突然…」って涙ボロボロ流して助けを求めるってベタな奴。
「ベスちゃんがわざわざ家まで来るくらいだから、何か頼みでもあるのかな?と思ってさ」
「……ええ」
エリザベスは目を泳がせながら頷く。
ベスちゃんって高いプライドとキツ目の顔立ちが高飛車に見せてるだけで、本当はそんなに気が強い訳じゃないんだよね。
何か高飛車な処が俺のM心を刺激するし、ふと見せる気弱な処にS心が刺激されるし…多分ベスちゃんと俺って相性良いんじゃないかなあ?
「フェアリ様は…」
「ロードで良いよ?」
「…ロード様は、パトリシア様をお好きなんですよね?」
「さあ?」
ロードはニコッと笑うと首を傾げる。
「パトリシア様がお好きだからあんな…皆を巻き込んでまで攫ったんじゃないんですの?」
エリザベスは前のめりになりながら言う。
「あの事件は『薬草畑の火災で人を死なせてしまって自責の念に駆られた俺が自暴自棄になって起こした事件』だよ?」
まあこじつけにしても苦しい動機だけどね。
「私、あの時パトリシア様の隣にいましたの」
「なるほど。だから俺がパティを連れて講堂を出たのを知ってるんだ」
「ええ……どうして…」
「ん?」
「…いえ……」
暫く沈黙した後、エリザベスは意を決した様に言った。
「…ロード様、私が手引きしますので、パトリシア様を傷物にしてくださいませんか!?」
ゲームではベスちゃん…じゃないや、エリザベスが俺に襲われたと言った時、二人しかいないと思っていた教室の死角に、実は忘れ物を取りに来ていた生徒がいて、エリザベスの企みは狂言だとバレてしまったんだよ。それからロードに嫌がらせするのを強要された令嬢や、ロードを誘惑しようとした令嬢からの告発もあったりして、婚約者のアレンの怒りを買って、卒業パーティーで断罪されて婚約破棄されるんだ。
それでアレンはロードを傍に置きながら独身を貫いて、エリザベスは祖父の様な歳の、若い女が何より好きな辺境のエロジジイに嫁がされ、ジジイが死んでもその息子に慰み者にされて一生を終えるんだよ。
この世界のパティはアランじゃなくてアレンを好きで、この世界のベスちゃんは俺を陥れるんじゃなくて、俺で人を陥れようとするんだから、俺の知ってるゲームの様にストーリーは進まないのはもうわかってるんだけど…それでも、人を陥れようとした者の末路は、やっぱり似てるんじゃないかなあ?
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