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「あ、こんにちは! お久しぶりです」
「こんにちは。ちょっと早かったかな?」
「いえ、そろそろ始めようと思ってたところです。社長ー、周悟さん来ましたぁ!」
胸当て付きの、ゆったりめの黒のフレアスカートを身に着けた女性が、にこにこと奥に声をかける。
パタパタとやって来たのは、栗色の髪を肩の上で揺らせた30代後半くらいの女性だった。動きやすそうな明るいグレーのパンツスーツを身に着けている。
「早かったのね! 周悟。それで、そちらの方?」
「うん、本城薫君だよ。本城君、うちの家内」
「っ、」
さらっと妻を紹介されて、狼狽える。
「初めまして! 櫻井美奈子です。本城君、何かスポーツやってるの? いい体してるわねぇ!」
「えっ」
美奈子はにこにこと笑いながら、薫の体を上から下まで眺めた。
「だろ? バスケやってたらしいよ」
「そうなんだ、体力ありそう。助かるわぁ」
「あ、あの……」
夫婦揃って体を褒めてくる2人に、恐ろしく居心地が悪い。
「じゃ、私は車を回してくるわね」
美奈子が事務所を出て行くと、櫻井が上着を脱いだ。
「本城君も、上、脱いだら? 動きにくいよ」
「上着、掛けときますね」
初めに出迎えた女性が櫻井の上着を受け取って、薫にも手を伸ばした。
「あ、すみません」
「いいえー。木下です、木下絵里。よろしくね、本城君。……よいしょ」
上着をハンガーに掛ける絵里に、櫻井が声をかける。
「木下さん、調子はどう? 順調?」
「はい! ありがとうございます、順調です。あーでも、最近ちょっとお腹張ってるかな? あとね、何かやたらむくんじゃって」
「むくむの?」
「そうなんですよー。足とかね、もうパンパン。これまでの靴が入らなくなったりして」
そう言うと、絵里は恥ずかしそうに、あははと笑った。どうやらこの女性は、妊婦さんのようだ。お腹も少しふっくらしている。
「ふうん。ちょっと、顔見せて」
櫻井はそう言うと、絵里の顔をじっと覗き込んだ。
「今って、何週目だっけ」
「18週です」
「血圧、高い?」
「あー、ちょっと高めかも。だから、むくむのかな」
「そうだね。お医者さんに相談した方がいいよ」
「来週、定期検診だから言ってみます。でも、それ以外はめっちゃ元気なんですよ! つわりもほとんどないし」
そんな話をしていると、車を移動させたらしい美奈子が戻って来た。
「お待たせ! じゃあ、ちゃちゃっと始めよう!」
「こんにちは。ちょっと早かったかな?」
「いえ、そろそろ始めようと思ってたところです。社長ー、周悟さん来ましたぁ!」
胸当て付きの、ゆったりめの黒のフレアスカートを身に着けた女性が、にこにこと奥に声をかける。
パタパタとやって来たのは、栗色の髪を肩の上で揺らせた30代後半くらいの女性だった。動きやすそうな明るいグレーのパンツスーツを身に着けている。
「早かったのね! 周悟。それで、そちらの方?」
「うん、本城薫君だよ。本城君、うちの家内」
「っ、」
さらっと妻を紹介されて、狼狽える。
「初めまして! 櫻井美奈子です。本城君、何かスポーツやってるの? いい体してるわねぇ!」
「えっ」
美奈子はにこにこと笑いながら、薫の体を上から下まで眺めた。
「だろ? バスケやってたらしいよ」
「そうなんだ、体力ありそう。助かるわぁ」
「あ、あの……」
夫婦揃って体を褒めてくる2人に、恐ろしく居心地が悪い。
「じゃ、私は車を回してくるわね」
美奈子が事務所を出て行くと、櫻井が上着を脱いだ。
「本城君も、上、脱いだら? 動きにくいよ」
「上着、掛けときますね」
初めに出迎えた女性が櫻井の上着を受け取って、薫にも手を伸ばした。
「あ、すみません」
「いいえー。木下です、木下絵里。よろしくね、本城君。……よいしょ」
上着をハンガーに掛ける絵里に、櫻井が声をかける。
「木下さん、調子はどう? 順調?」
「はい! ありがとうございます、順調です。あーでも、最近ちょっとお腹張ってるかな? あとね、何かやたらむくんじゃって」
「むくむの?」
「そうなんですよー。足とかね、もうパンパン。これまでの靴が入らなくなったりして」
そう言うと、絵里は恥ずかしそうに、あははと笑った。どうやらこの女性は、妊婦さんのようだ。お腹も少しふっくらしている。
「ふうん。ちょっと、顔見せて」
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「今って、何週目だっけ」
「18週です」
「血圧、高い?」
「あー、ちょっと高めかも。だから、むくむのかな」
「そうだね。お医者さんに相談した方がいいよ」
「来週、定期検診だから言ってみます。でも、それ以外はめっちゃ元気なんですよ! つわりもほとんどないし」
そんな話をしていると、車を移動させたらしい美奈子が戻って来た。
「お待たせ! じゃあ、ちゃちゃっと始めよう!」
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