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第二章 浄化の旅
旅に出ます
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あれから一週間。俺はまた最初みたいにローゼンの部屋で代わる代わるみんなと一緒に過ごしながらこの日を迎えた。
そう、ようやく旅に出るんだ!
何するかわからなくてちょっと怖いけど、でもやっと!
早く旅を終わらせて農民になりたいな。畑耕して、モフモフと触れ合って、自給自足で生きていくんだ。
……いや待てよ…?番の3人はそれについて来てくれるだろうか…。今度聞いてみなきゃ。
とりあえず今は外に手を振らねば。
「神子様ーー!!」
「行ってらっしゃいませー!神子様ー!」
わーわーと聞こえる歓声は道路の両サイドに集まる町のみんなの物。
流石王都だけあって人がすごい。正門までずらーっと沢山の人が並んでて、第五騎士団が出過ぎる人がいないか、変な真似をする輩がいないか目を光らせてる。
俺は馬車の窓から出来るだけにこやかに手を振った。
うぅ…緊張するわ…。凱旋パレードはいつも見る方で(しかもテレビで)、自分がやる方になるとは思ってなかった。
そのまま引きつりまくっていただろう笑顔で手を振り続け、ようやく正門を出た瞬間俺はモフッとクッションの海に倒れ込む。
「スナオ、疲れちゃった?」
「こんなの慣れてないから疲れた~」
くすくす笑うティエがお疲れ様、と頬にキスしてくれる。話し相手に、って今だけティエが一緒に乗ってくれてるんだ。
俺の馬車は特別仕様で、何とこのふっかふかの座面は背もたれを倒すとベッドになるらしい!
あまりに快適なふかふか具合と倒せばベッドになるなんて最高な仕様が不思議で何でそんな仕様なのか聞いたら、ディアが真顔で
「魔力切れの時テントの中で私達に抱かれたいか?野営地に声が響き渡るが」
と言われて恥ずか死ぬかと思った。
そう、つまりこれは移動するラブホ仕様…!!!
思い出したらまた恥ずかしくなってきた。
というか、王族の婚約者のパーピュアや王族の伴侶であるメイディはみんなと同じように馬で移動してるのに俺だけ馬車なのは不公平なんじゃないか、って言ったらあの二人は騎士団所属だし普段から馬に慣れてるけど、俺は騎士団保護の身だし、馬に慣れてないから乗って歩くだけならまだしも緊急時の対応が出来ないし、万が一落馬したら俺の物理防御ペラペラ効果で最悪死んでしまうかも、とパーピュアにこれまた真顔で言われて素直に頷いた。
うん。確かに危ないな。落ちたら死ぬかも知れんもんな。死ななくても絶対骨折する自信はあるわ。
メイディ達が番の3人に説明してくれて、3人で用意してくれた防御力と運アップアイテムは今俺の耳と指で光ってる。
一つはピアス。運アップアイテム。ピアスホール開いてなかったんだけど、ティエが何だか嬉々として開けてくれた。パーピュアの痛み止めめちゃくちゃ良く効いて全然痛くなかったんだけど、針みたいなのぶっ刺されたのは怖かったな。あと、
「怯えてるスナオ…たまんねぇ…」
と真顔でボソッと呟いたティエもちょっと怖かったなぁ。
それともう一つはシンプルな金の指輪。防御力アップ効果があって、小さな赤い石がはまってるんだ。
実はこれみんなも同じ指輪つけてて、みんなでお揃いなのがちょっと嬉しい。でもディアから
「これはお前がどこにいてもわかるよう魔術式が埋め込んである」
って言われて、ローゼンからは
「ちなみにそれ、一度つけると外れないそうです」
って言われたのもちょっと怖かったなぁ。
ただ能力アップアイテムをつけても俺の防御力はFだし、運もFのままだったけど。そればっかりは仕方ない…。国宝級アイテムでもダメだって言われたもんな。
「ティエ、今俺達どこに向かってるんだ?」
まだ王都に近いからか道も整備されてて見晴らしがいい。なだらかな丘になってるのかな?色とりどりの花が風に吹かれて揺れてる。
うーん、長閑だし綺麗だなぁ…。
「とりあえず南の方の国境近くからね。何度倒してもモンスターが湧くエリアがあるのよ」
「モンスター…」
「この馬車には守りの術式が組み込んであるから。もし急な戦闘になった時は絶対にここから出たらダメよ」
「わかった」
みんなの足手まといになりたくないもんな。ここで大人しくしてる。
「怪我した時は治療するからすぐ呼んでな!」
「頼りにしてるわ」
ティエはにっこり笑って頭を撫でてくれる。
でもホントはあんまり期待されてないんだろうなー、とか思った。今のところ俺みんなに迷惑しかかけてないもんな。俺ももっと頑張って訓練してみんなを守れるようにならないと!
「あ!あの子達は?」
「侍従達かしら?後ろの荷馬車で荷物番してくれてるわよ」
そう、俺専属の侍従ちゃんズ。ディアに聞いたら
「確かにローゼンが騎士として動く以上、スナオの身の回りの世話をする人間は必要だな」
と許可してくれた。
…何か俺一人では何も出来ない子だと思われてそうな発言は気にかかりますが…。後ろでレイアゼシカが
「侍従に磨き上げてもらった可愛いスナオが見たいだけのくせにー」
とか言ってたけど、どういう事だろう?侍従ちゃんズはそれを聞いてちょっとドヤ顔してたし。
そう、ようやく旅に出るんだ!
何するかわからなくてちょっと怖いけど、でもやっと!
早く旅を終わらせて農民になりたいな。畑耕して、モフモフと触れ合って、自給自足で生きていくんだ。
……いや待てよ…?番の3人はそれについて来てくれるだろうか…。今度聞いてみなきゃ。
とりあえず今は外に手を振らねば。
「神子様ーー!!」
「行ってらっしゃいませー!神子様ー!」
わーわーと聞こえる歓声は道路の両サイドに集まる町のみんなの物。
流石王都だけあって人がすごい。正門までずらーっと沢山の人が並んでて、第五騎士団が出過ぎる人がいないか、変な真似をする輩がいないか目を光らせてる。
俺は馬車の窓から出来るだけにこやかに手を振った。
うぅ…緊張するわ…。凱旋パレードはいつも見る方で(しかもテレビで)、自分がやる方になるとは思ってなかった。
そのまま引きつりまくっていただろう笑顔で手を振り続け、ようやく正門を出た瞬間俺はモフッとクッションの海に倒れ込む。
「スナオ、疲れちゃった?」
「こんなの慣れてないから疲れた~」
くすくす笑うティエがお疲れ様、と頬にキスしてくれる。話し相手に、って今だけティエが一緒に乗ってくれてるんだ。
俺の馬車は特別仕様で、何とこのふっかふかの座面は背もたれを倒すとベッドになるらしい!
あまりに快適なふかふか具合と倒せばベッドになるなんて最高な仕様が不思議で何でそんな仕様なのか聞いたら、ディアが真顔で
「魔力切れの時テントの中で私達に抱かれたいか?野営地に声が響き渡るが」
と言われて恥ずか死ぬかと思った。
そう、つまりこれは移動するラブホ仕様…!!!
思い出したらまた恥ずかしくなってきた。
というか、王族の婚約者のパーピュアや王族の伴侶であるメイディはみんなと同じように馬で移動してるのに俺だけ馬車なのは不公平なんじゃないか、って言ったらあの二人は騎士団所属だし普段から馬に慣れてるけど、俺は騎士団保護の身だし、馬に慣れてないから乗って歩くだけならまだしも緊急時の対応が出来ないし、万が一落馬したら俺の物理防御ペラペラ効果で最悪死んでしまうかも、とパーピュアにこれまた真顔で言われて素直に頷いた。
うん。確かに危ないな。落ちたら死ぬかも知れんもんな。死ななくても絶対骨折する自信はあるわ。
メイディ達が番の3人に説明してくれて、3人で用意してくれた防御力と運アップアイテムは今俺の耳と指で光ってる。
一つはピアス。運アップアイテム。ピアスホール開いてなかったんだけど、ティエが何だか嬉々として開けてくれた。パーピュアの痛み止めめちゃくちゃ良く効いて全然痛くなかったんだけど、針みたいなのぶっ刺されたのは怖かったな。あと、
「怯えてるスナオ…たまんねぇ…」
と真顔でボソッと呟いたティエもちょっと怖かったなぁ。
それともう一つはシンプルな金の指輪。防御力アップ効果があって、小さな赤い石がはまってるんだ。
実はこれみんなも同じ指輪つけてて、みんなでお揃いなのがちょっと嬉しい。でもディアから
「これはお前がどこにいてもわかるよう魔術式が埋め込んである」
って言われて、ローゼンからは
「ちなみにそれ、一度つけると外れないそうです」
って言われたのもちょっと怖かったなぁ。
ただ能力アップアイテムをつけても俺の防御力はFだし、運もFのままだったけど。そればっかりは仕方ない…。国宝級アイテムでもダメだって言われたもんな。
「ティエ、今俺達どこに向かってるんだ?」
まだ王都に近いからか道も整備されてて見晴らしがいい。なだらかな丘になってるのかな?色とりどりの花が風に吹かれて揺れてる。
うーん、長閑だし綺麗だなぁ…。
「とりあえず南の方の国境近くからね。何度倒してもモンスターが湧くエリアがあるのよ」
「モンスター…」
「この馬車には守りの術式が組み込んであるから。もし急な戦闘になった時は絶対にここから出たらダメよ」
「わかった」
みんなの足手まといになりたくないもんな。ここで大人しくしてる。
「怪我した時は治療するからすぐ呼んでな!」
「頼りにしてるわ」
ティエはにっこり笑って頭を撫でてくれる。
でもホントはあんまり期待されてないんだろうなー、とか思った。今のところ俺みんなに迷惑しかかけてないもんな。俺ももっと頑張って訓練してみんなを守れるようにならないと!
「あ!あの子達は?」
「侍従達かしら?後ろの荷馬車で荷物番してくれてるわよ」
そう、俺専属の侍従ちゃんズ。ディアに聞いたら
「確かにローゼンが騎士として動く以上、スナオの身の回りの世話をする人間は必要だな」
と許可してくれた。
…何か俺一人では何も出来ない子だと思われてそうな発言は気にかかりますが…。後ろでレイアゼシカが
「侍従に磨き上げてもらった可愛いスナオが見たいだけのくせにー」
とか言ってたけど、どういう事だろう?侍従ちゃんズはそれを聞いてちょっとドヤ顔してたし。
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