【本編完結】農民と浄化の神子を並べてはいけない

ナナメ(新作についてお知らせ)

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第二章 浄化の旅

モンスターがいっぱい

 あれから4日。
 ツンデレパーピュアが付きっきりで教えてくれて、何とか無意識下でイメージ出来るようになった。
 というか段々濃くなっていく瘴気で覚えざるを得なかった、とも言える。初日はデレが発揮されたのか優しかったのに、2日目からは獅子の子落としか、というくらいスパルタで限界まで放置されたんですよ。怖いよね。内臓全部口から出て死ぬんじゃないかと思ったよ。
 そんなわけで文字通り死ぬ気でガード方法を覚えて、何とか物に出来たのでした。

 そして今俺は周りをつがい3人に守られながら、森の中を歩いております。流石に馬車は中まで入れないから徒歩なんだけど、めちゃくちゃ怖い。

 パーピュアに俺が気持ち悪いと思う方向に向かえって言われたんだよね。探してみたら森の奥から…何て言えば良いんだろう。煤?みたいな黒いのがブワッて漂ってきてたんだ。それが気持ち悪い感じがして、それで今その方向に向かっているわけなんですが。
 進むにつれて段々と森の木々が枯れて腐り落ちていく光景は異様だ。しかも。

「グルルルルル……」

 ハッ!?ほらまた来た!!!

 カサッ、と落ち葉を踏む音がたくさん聞こえて騎士団全員戦闘態勢に入る。
 さっきから少し進むたびに目を赤く光らせた明らかに尋常じゃない様子のモンスターがたくさん襲ってくるんだよー!!

 あっという間に辺りは混戦状態だ。
 戦えない俺はただの足手まとい。モンスターの目に留まらないよう、ただひたすら息を殺して固まるしかない。
 と、同時に魔術師のみんながどうやって戦ってるのかの観察をして、見ながら覚えようと思って。このままずっと足手まといでいるの、嫌だもんな。それにいざという時に自分の身1つ守れないようではこの先やっていけないだろう。
 何せ煤の量が増えていくにつれてモンスターも増えていくんだ。ここら辺はまだ弱いモンスターしかいない、って言ってたのにこの状態だ。もしこの先強いモンスターがいる所でもこんな団体様で来られたら皆俺を守るどころじゃないだろうし、何より俺を守って怪我をするなんて絶対嫌だ。
 だからじっ、とみんなの戦いを見届ける。

 パーピュアはかまいたちみたいな風の魔法でモンスターを切り裂いて、そばまで近寄られそうになったら鞭で辺りを一掃し、また一定距離から魔法で攻撃してる。
 メイディは大型の攻撃魔法が得意だからなのか小さな炎でけん制しながら、体の周りに浮かせたナイフで次々と眉間を貫いていってる。
 侍従ちゃんズもそれぞれ得意な魔法と、弓やフラフープに刃がついたような不思議な武器やらブーメラン状の武器でしっかり応戦してる。

 第三騎士団の出向騎士さん達は第一騎士団のみんなを魔法で補佐しながら戦ってて、流石騎士と言うべきか彼らの近くまで近寄れるモンスターはいないようだ。

 うーん……俺……あのレベルにまでいけるかな……。
 不安になったけどロープレだってレベル一桁から始まるもんな!この世界にレベルなんて定義があるかは知らんけど、何事も経験と努力が必要だ!

 でもひとまず今は無理だから大人しくここで地蔵と化していようと思います。叫びたいけど!めちゃくちゃ怖いから叫びたいけど!!声を出したら注目集めちゃうもんな!
 俺の側に寄ってくるモンスターを斬り伏せてくれてるティエにこれ以上苦労をかけるわけにはいかない。

 俺は地蔵。俺は地蔵……と、唱える俺の視界の横からぬぅ、と現れるのは

「またお前かーッ!!」

 馬車にも張り付いてきた枯れ木みたいなモンスターだ。
 思わず突っ込んでしまったじゃないか!そんな場合じゃないけどな!!

「スナオ!?」

 俺の声に驚いて振り返ったティエが直ぐ様枯れ木モンスターを斬り捨ててくれた。

「ティエ!後ろ!!」

 でもすぐまたティエの後ろから狼みたいなヤツが飛びかかってきて、振り向き様に斬り捨てられる。
 今度は左右からだ。それも鮮やかな動きでばっさり斬り捨てると、カサカサーっと寄ってきて炎を吐こうとしてた魔法トカゲを上下に切り裂いた。

 おぉぉぉ……ティエ強ーーーい!!動き早ーーーい!!!格好いい!!

 その向こうでもディアやローゼンが次々モンスターを斬り伏せていってる。俺の側まで来るモンスターが少ないのはあの二人が大半を倒してくれてるからだ。

 ディアは見た目普通なのに脱いだら腹筋とかバッキバキに割れててね……。まぁティエもなんだけど、ティエはしなやかな筋肉って感じで……ディアはがっちりした筋肉って感じ……。ローゼンみたいなムチムチじゃないんだけど、ローゼン寄りの腹筋してた。
 だからかな?ティエは踊るみたいに軽やかにモンスターを斬ってて、ディアは一撃一撃が重たい感じ。

 そしてローゼンはあのムッチムチな体に似合わない素早い動きと、体に見合った大きな剣で周りを薙ぎ払ってる。あれはもはやブルドーザーだよ。強すぎる。

 最後の一体がシュワワ~っと溶けて消えると、辺りはシン、と静まり返った。
 全員しばらく警戒態勢で待ち構え、それ以上何も来ないのを確認してそれぞれの武器をしまいながらまた元の魔術師を中心にした陣形に戻って歩き出した。

 ――そして、見つけた。

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